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第89話 学院一年目 ~一年の終わり


 一年目最後の行事、学年末試験を迎えた。

 すでに試験は三度目。すっかり慣れたもので、俺は華麗なステップを披露して玉砕した。


 ちなみに錬金術の試験は、「今の最高のポーション」という曖昧なものだった。

 意外に難題で、過去の試験と同等では評価されない。

 座席に置いてあるシスラス草の蜜を見なかったことにして、俺は標準品質のヒーリングポーションに解毒と増血を付加することに決めた。

 傷を癒やしつつ免疫力を高め、さらに失った血液をも増やす。

 これなら良い値が付くだろう。サミーニに卸してみるか。


 こうして学年末試験最後の錬金術も終わり、学院一年目は終了した。

 生徒たちは器具を片付けながら、緊張から解放された喜びを分かち合っている。

 さて、俺も片付けて帰るとしよう。

 これから半月の休み。やることはいくらでもある。


 水場で器具を洗い流していると、一足早く片付け終わったのか、エルフィミアとロラが近付いてきた。

 錬金術師の顔で、ロラが訊ねてくる。


「アルター様は、何を調合なさったんですか」

「標準品質のヒーリングポーションに、解毒と増血の付加だ」

「二種類ですか!?」

「さらっと、とんでもないこと言ってるわ。先生も踊るわけね」


 丸いのは教壇の前で踊っていた。その手には俺のポーション。

 コディはキラキラした目で、猫のようにそれを追っていた。何だかんだ言っても師弟である。

 それを遠くに見ながら、ロラは呟く。


「ポーションを作るのが精一杯で……。付加は一種類でも難しいです」

「簡単な素材で試し続けるしかないな。いずれコツが掴めてくるはずだ」


 器具の水気を切って、所定の位置に置いていく。


「アルター様は、どれくらいで付加できるようになったんですか?」

「人それぞれだからな。僕は参考にならないと思う。とにかく反復だ。手応えがまるでなければ、素材を変えてみると良い」

「分かりました。皆に頼んで、いろんな素材で試してみます」


 そう言って、ロラは握り拳を作った。

 その後もロラから質問を受けながら廊下に出ると、ランベルトにフェリクス、エリオットが待っていた。


「やっと出てきたか」


 何かと筆記に苦しんでいた二人も、真剣に座学に取り組んだことで本来の実力を取り戻していた。進級は問題ないだろう。

 ランベルトは俺の肩を叩き、くいっと煽るような仕草をする。


「一年の締めくくりだ。一杯やろうぜ」

「どこのおっさんだ、お前は。昼間から酒は飲むなよ」

「夜だって飲まんさ。剣が鈍るからな」


 そう言って胸を張るが、かなり怪しい。

 まあ、俺がとやかく言う話でもあるまい。


「ところで、向こうは良いのか。エリオット」

「今日は鍛錬だそうです。裏庭で」

「なら、土産でも買ってくか」

「はい」


 笑顔でエリオットは頷いた。


 場所はいつもの食堂と決まり、早速向かう。

 ひとまずの開放感に皆の口も軽くなり、二年目が始まるまでの間、何をして過ごすかで盛り上がった。尤も、話題はどこで鍛錬するか、この時期の素材は何がお薦めかで、子供らしさは微塵もない。相変わらずである。

 だが、そんな物騒な平和も一時(いっとき)だった。


 廊下を歩き出してほどなく、俺は珍しい気配を感知し足を止める。

 皆も不思議そうに立ち止まり、角から現れた人物に驚愕した。

 ハルヴィスだった。

 こちらに気付き、微笑を湛えながら近付いてくる。

 なぜか俺を見ているような――。

 ランベルトたちが俺の周りから退いていく。

 どうやら気の所為じゃないらしい。


「試験は終わったかい?」

「はい、さきほど」

「もし予定がないなら、少し時間をくれないか」

「少しくらいなら構いませんが。ご用件は?」

「僕と模擬戦をしよう」


 突然の提案に、返答に詰まってしまった。

 周囲のランベルトたちからも、驚きが伝わってくる。


「いきなりですね。なぜ僕と?」

「演武会最後の戦い――もし在校生も参加できたなら、舞台にいたのは僕と君だ」


 反論しようとして、俺は口を閉ざす。

 そうか、すっかり忘れてた。この人もゴブリンリーダーとの戦いを見ている。

 リーダーとラディケルじゃ――まるで比較にならんな。技術が上でも経験が違いすぎる。

 しかし、参った。

 正直に言えば、興味はある。これほどの強者は滅多にいないし、ハルヴィスは数日後に卒業し、セレンからいなくなってしまう。絶好の機会なんだが……どこまで力を見せたものか。


 悩む俺にエルフィミアが口を開く。


「やったら? あれが学院最強を決める戦いとは思えなかったし」

「そうだ。負けて元々、ぶつかってこい」


 無責任な外野はやる気満々だった。

 どいつもこいつも他人事(ひとごと)だと思いやがって。しかもエルフィミアは俺の悩む理由を知っている。

 軽く睨むと、やってやりなさい、とばかりに頷いてきた。

 もうなんなの、お前? 俺のご主人様?


 まあ、なるようになるか。

 いろんな意味で危険を感じたら、さっさと降参しよう。


「やりましょう、模擬戦」

「良かったよ。じゃあ、鍛錬場に行こうか。なぜか空いてるんだ」


 (ほが)らかに笑うハルヴィス。

 準備万端か。逃がす気ないな、まったく。



  ◇◇◇◇



 模擬戦のルールは演武会同様、頭部や急所への攻撃可、魔法禁止、致命傷となりうる攻撃を受けた場合や降参した場合は敗北、と決まった。

 ただ学院には刃引きの武器が少なく、俺が一年生なのもあって、ハルヴィスは木製武器で戦うことを提案してきた。ヒーリングポーションやエルフィミアの神聖魔法があるので回復手段は充分だが、俺はハルヴィスの提案に同意する。

 なんとなく、激戦の予感がしたからだ。

 俺が死んでも困るが、ハルヴィスに何かあれば、セレン中が大騒ぎになってしまう。


 棚に並ぶ木製武器を眺めていく。

 そして俺が両手剣を手に取ると、ハルヴィスは首を傾げた。


「片手剣じゃないのか?」

「今、こいつを練習中なんですよ。折角なんで」


 残念ながらシャムシールの木剣は置いていなかった。さすがにマイナーすぎる。

 木製の両手剣を振ってみると、手首や肘に重みを感じた。

 それでも、シャムシールや軽量の両手剣に比べたらずっと軽い。実戦を積み重ねたことで、『曲剣1』を習得している。『両手剣』もランクこそ上がっていないが、技術の向上は感じていた。少しは戦えると思う。


「じゃあ、僕は槍にしよう」


 少し悩んだ後、ハルヴィスは槍に手を伸ばした。

 そして互いに武器を確かめ、中央で向かい合う。


 学院生最強のハルヴィス。

 おそらくこの年代で、彼以上の剣士はいない。

 相手にとって不足はなかった。


 審判のランベルトがルールを確認し、数歩下がる。


「ではこれより、ハルヴィス・ラズフォール、アルター・レス・リードヴァルトの模擬戦を行う。双方、準備は良いな?」


 頷く俺たちに、ランベルトは大きく息を吸い込む。


「はじめッ!!」


 かけ声に動いたのはハルヴィスだった。

 軽い足取りで接近し、おもむろに槍を突き出す。

 (はか)るような一撃を両手剣で受け流した。

 ハルヴィスは崩れない。

 引き戻された槍が連続で俺を襲う。

 両手剣を振り回し、それを防いでいく。

 速い。前期野外演習の頃より成長している。

 加速していく突きを受け流し、どうにか躱す。


「くッ――」


 まだ様子見――だが、(さば)ききれない。

 防御が間に合わず、腕に衝撃が走る。

 慌てて飛び退く俺を追撃せず、ハルヴィスはすっと槍を引いた。

 仕掛けてくるか。

 もうちょっと、いけると思ったんだけどな。これは無理そうだ。


 俺が両手剣を構え直した直後、ハルヴィスが踏み込む。

 放たれたのは槍系スキル『穿(せん)(こう)』。

 両手剣で強引に流そうとするも、不意に『穿孔』は軌道を変える。

 直線の軌道を――!?

 捻じ曲げられた刺突に俺は体勢を崩す。

 そこへ横薙ぎ。

 上半身を捻ってどうにか躱すも、目の前で槍が半回転。

 石突きを受け、両手剣は根元から砕けてしまった。


 こうもあっさり……。

 柄だけを握る俺に、ハルヴィスが距離を取る。


「誘いかと思ったよ。本当に練習中なんだね」

「そんな意地の悪い真似はしませんって。模擬戦では」


 俺は苦笑し、折れた両手剣を棚に戻す。

 さて、次はどれに――。


「そろそろ温まったんじゃないか?」


 その背に、ハルヴィスの催促が投げかけられた。

 本気を出せ、か。

 短剣とか素手も試したかったが――待たせるのも悪い。期待に応えるとしよう。

 俺が木剣を取ると、ハルヴィスも嬉しそうに木剣と盾を手に取った。

 改めて、俺たちは向かい合う。


「さ、本番だ」


 剣を一振り、ハルヴィスの雰囲気が一変した。

 盾を前にして悠然と構えている。

 先ほどと違い、不用意には近付いてこなかった。

 俺がハルヴィスを見て感じ取ったように、向こうも何かを察したのだろう。

 右手の木剣に意識を向ける。

 先ほどまでは武器の長さと重さに振り回されていた。

 今は違う。

 俺の敏捷は20、人間の素の限界値。

 片手剣を手にした今、それを邪魔するものはない。


 剣をだらりと下げ、俺は歩み寄った。

 一足一刀。

 そのぎりぎりで止まる。

 それでも、ハルヴィスは動かない。

 盾持ちに先手をさせては失礼だな。


 すうっと息を吐き、俺はゆらりと後ろに倒れた。

 その刹那――、一気に切り返す。

 間合いに踏み込んでもハルヴィスは動じず、俺の斬撃を受け流す。

 切り返しの下段を放つも、今度は盾に防がれた。

 そう来るだろうさ。

 ずれる重心に乗り、回転しての足刀。

 一瞬、ハルヴィスの顔に焦りが浮かぶ。


「くッ!」


 ハルヴィスが呻き、足の裏に衝撃。

 さすが。咄嗟に肘で受けたか。

 間髪入れず、ハルヴィスが反撃の横薙ぎを放つ。

 それを躱して斬り返すが、またもや盾に防がれてしまう。

 固いな。

 個別のスキルは俺の方が上。だが、盾を持っている分、防御が固かった。

 それに人との戦いにも慣れている。どちらかと言えば、俺は魔物専門だからな。


 その後、幾度も斬り結ぶが、俺はハルヴィスの防御を突破できず、またハルヴィスは俺の速度を追い切れなかった。

 目まぐるしく攻守が入れ替わり、無呼吸に等しい応酬が続く。


 不意に距離を取ったのは同時だった。

 呼吸を整えながら、ハルヴィスが口元を釣り上げる。


「やはりな。君なら本気で戦えると思っていたよ」

「ラディケルも可哀想に。そういえば、何か話してましたね。試合前に」


 歓声に掻き消されてしまい、気になっていた。

 問いの意味が分からなかったようで少し考えていたが、不意にハルヴィスは破顔する。


「ああ、あれか。彼は面白いことを言ったんだよ。僕を倒し、三連覇すると」

「それはなんとも」

「だから答えてあげたんだ。無理だってね。そして二年後、君はまた負けると」

「はは……」


 笑う以外に応えようがなかった。

 あずかり知らぬところでラディケルの怒りを買っていたらしい。

 まあ、向こうはこちらを知らないし、演武会が終わればすぐに帰郷だ。

 よし、二年間放っておこう。


「ところで、知りたくないか。あのゴブリンの完成形」


 ハルヴィスが問い返してきた。

 ゴブリンリーダーのことか?

 あいつの完成形って――。


「見せてあげるよ。僕のスキル、『(りゅう)(えん)(けん)()』を」


 言うなり、ハルヴィスが盾を下げた。

 攻撃重視の構え。

 そういうスキルだったのか、『流円剣舞』。

 楽しみは取っておこうと『鑑定』しなかったのに、わざわざ教えるとは。

 嫌な予感しかしない。


 意識を張り巡らし、俺も剣を構える。

 ハルヴィスはゆっくりと呼気を吐き――無造作に踏み込んできた。

 初手は突き――いや!

 咄嗟に上体を大きく反らし、唸る剣身を避けた。

 これって――『()(せん)()(すい)』!? 槍のスキルだぞ!?


 ハルヴィスの剣は回転の勢いのまま、『強撃』に転じる。

 飛びすさって躱すが、流れるように『盾強打』が襲う。

 (へり)が頬を(かす)め、向き直った時には左右からの『二連撃』。

 一方を剣で防ぎ、もう一方は腕で受け止める。

 激痛に(うめ)く暇もなく、今度は『穿孔』。

 剣も槍も関係なかった。

 持てる攻撃系スキルが次々に放たれていく。


 そんな無茶な発動もスキルの補正か鍛錬の(たま)(もの)か、ハルヴィスは流れるように剣を振り続ける。

 反撃を捨てひたすら躱すも、それすら許されない。

 身体中に痛みが走り、致命傷に当たる攻撃を避けるのが精一杯だった。


 いつ終わるんだ、これ!

 しかも『流円剣舞』って――。


「当てつけかッ!!」


 激しい打撃音が鍛錬場に轟く。

 俺の『強撃』に『強撃』が弾かれる。それでもハルヴィスは止まらない。

 続く『二連撃』の初撃を『二連撃』の初撃で受け流し、切り返しで次を迎え撃つ。

 再びの打撃音。


 ハルヴィスは舞を止め、剣の間合いから退いた。

 転がっていく剣先に、俺は呆然となる。

 また、剣が折れた……。

 一度の模擬戦で二度もか。

 最初は不慣れな両手剣、二度目は上回っているはずの片手剣で。


 気付けば、ハルヴィスが目で促していた。

 まだ納得していただけないようだ。

 折れた剣を棚に戻し、別の木剣を手にする。

 そんな俺に、エルフィミアが近付いてきた。


「やっぱりできるじゃない」

「なんの話だ」

「スキルをスキルで受け流すの」


 横目で見れば、なぜかエルフィミアは勝ち誇っていた。

 そんな気分じゃないんだけど?

 新たな木剣を手に戻ると、ハルヴィスが口を開く。


「いい加減、本気を出してくれないか」

「結構、本気なんですが」

「そんなはずはない」


 その目に一瞬、寒気が走った。

 ちょっと怒ってる?

 わざわざリーダーを口にし、『流円剣舞』まで披露した。

 こっちは奥の手を見せたんだから、お前も見せろってところか。

 乗る義理もないんだが――。


 悩んでいると、ふと過去を思い出した。

 俺の苦笑に、ハルヴィスは怪訝な表情を向けてくる。


「本気を出せ、ですか。丁度一年前、その言葉を吐いて、えらい目に遭ったんですよ」

「それは興味深い。僕もそうなるかい?」

「さて」


 この人は《脚力上昇(ムーヴィングアップ)》でごまかせない。覚悟を決めるか。

 そういやエラス・ライノの時、ロランも疑いまくっていたっけ。彼らくらいになると、すぐばれるんだな。ま、『多重詠唱』よりマシだが。あっちは大騒動になりそうだ。特にラプナス辺りで。


「ハルヴィスさん、僕は特殊なスキルを持っています。一瞬ですが、呆れるほどの速度が出せます。スキル名は――秘密で」


 地味なんだよ、そちらの格好良い名前と違って。

 三度(みたび)向かい合い、俺は告げる。


「では、行きます」


 俺の嘘を信じたかどうか。

 どちらであっても関係ない。どのみち、一瞬で終わる。


 俺は『高速移動』を発動した。

 狙うは胴体。威力を抑えれば怪我はしないはず。

 緩やかとなった世界で剣を構え、踏み出そうとした瞬間――。

 俺は躊躇した。

 ハルヴィスの表情がゆっくりと動いている。

 それは驚愕。


 たったこれだけの(しょ)()で、俺の速度を見抜いた?

 そうか。これまで『高速移動』で戦ったのは魔物ばかり。俺のわずかな動きで見抜いていても、表情はまず読めない。発動のタイミングを誤ると、実力者には筒抜けだったんだな。これを知れただけで収穫だ。


 だが、やることは変わらない。結果もだ。

 構え直し、地面を蹴った。

 ハルヴィスが緩やかに動き――すれ違いざまの一閃。

 立ち尽くし、俺は手元の剣に視線を落とす。

 なんだ、今の……。


「僕の負けだ」


 振り返ると、ハルヴィスは照れ笑いを浮かべていた。


「思わず使ってしまったよ。魔法」


 今の硬い感触、《守りの外套(ストーンコート)》か。

 むしろ感心する。一秒にも満たないあの瞬間に発動するとは。


「驚きました。よく間に合いましたね」

「ただのまぐれさ。ゴブリンの時と、同じ動きをするんじゃないかとね」


 まぐれじゃない。完全に読まれた。

『流円剣舞』といい、この人と俺では対人戦の蓄積がまるで違う。

 ハルヴィスは剣と盾を置き、手を伸ばしてきた。


「ありがとう。もし君に出会えなければ、自分が強いと勘違いしたまま卒業していたよ」

「こちらこそ。とても貴重な体験でした」


 俺はその手を握り返す。

 健闘を讃え合う俺たちを、観戦者は呆けた顔で眺めていた。エルフィミアを除き。


「一つ、教えてくれないか」


 ハルヴィスの声に視線を戻す。


「さっきの当てつけって、なんのことだい?」

「あ……」


 予想外の問いに、俺は口ごもってしまった。

 それに応えたのは、なぜかエルフィミアである。

 固まったままのランベルトたちをよそに、エルフィミアは俺の恥部を(えぐ)っていった。

 話を聞くうち、ハルヴィスは吹き出す。


「そうか、それで『流円剣舞』に……」


 受けたのが嬉しかったのか、エルフィミアは軽く実演まで始めてしまう。

 俺はそんなに無様じゃないぞ。あと、ちょっとだけ微笑ましいのが気に食わん。やってることは同じなのに。

 堪えきれずハルヴィスは爆笑、調子に乗ったエルフィミアは「昨日の試験では――」と実演を続けた。


 恥ずかしさのあまり体温が上がるのを感じつつも、俺は充足感に満たされていた。

 セレンでの一年は、多くの出来事を体験した。

 別れもあれば出会いもあり、俺自身、成長できたと思う。

 そして最後は学院最強との戦い。

 これ以上の締めくくりはあるまい。

 だからもう止めて。いつも足を引っ張ってごめんなさい。



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