第84話 学院一年目 ~上位者への壁
正午の鐘が鳴る頃、俺は大通りの十字路でランベルト、フェリクス、エルフィミアと待ち合わせた。
目的地はミラッド神殿、目的は一日早い初詣である。
ロラも誘ったが、夕刻からこちらに合流するため、それまでは家族と過ごしたいという。
またテッドとジェマ、そしてリリーも「行かない」ときっぱり断ってきた。
ミラッド神殿は定期的に炊き出しを行っているので感謝はしているようだが、街中で難民の子供は快く思われない。人混みの年末ともなれば尚更だ。
おそらく、そうした目にあったことがあるのだろう。そしてネイルズとエリオットもリーダーの意思に従い、二人並んで「行きません!」と断ってきた。ちょっとずれている気もするが、仲が良さそうで何よりだ。
年末が近付くにつれ、セレンの街は日に日に繁雑さを増していた。
それにしても、妙に人が多い。
歩きながら見渡す俺に、エルフィミアが口を開く。
「みんなミラッド神殿に向かっているのよ」
「これ、全員か。ミラッド信仰が盛んとは聞いていたが――」
「あ、信仰する神は別よ? セレンで一番信仰されてる神様なんだから、挨拶くらい当然でしょ。それに他の神殿は小さいし」
「また雑だな……」
この世界の信仰は大雑把らしい。
多神教なのもあるが、同じ善神の枠組みだからだろう。
「皆もミラッド信仰じゃないよな?」
「私はラクトス神ね。帝都だと主流だし」
「俺たちはミルティーヴァだ」
ランベルトが応え、フェリクスは自嘲気味に笑う。
「ケーテンだと、他の大きな神殿はラクトス神くらいですから」
「うちも大きいのは、その二つだったな」
ちなみに俺は無宗教だ。
強いて挙げるなら、ケセレスに世話になったのでミルティーヴァか。
そんな雑談を交わしているうち、ミラッド神殿に到着する。
魔法大好きなセレンでは珍しく大きな神殿で、時を知らせる鐘はここと合同庁舎が出所だった。
神殿前には行列ができており、俺たちもそこに並ぶ。
ふと見れば、神殿入り口手前に出店が並び、行列のほとんどがそこで小袋を購入していた。
あれが奉納品らしい。
そこまで列が捌けると、皆は躊躇うことなく銅貨を数枚支払う。
俺も倣って小袋を購入、中を覗けば小麦が入っていた。
ミラッドは農業の神でもある。
そんなミラッド神がセレンで信仰されるのは、彼が実在の人物であり、突出した魔法使いだったからだ。生存していたのは千五百年以上も昔で、ヴェリアテス崩壊前後と言われている。
ミラッドは魔法を駆使して多くの土地に実りをもたらし、農業技術を教授、多くの民を飢えから救った。若干、アルファスに似ているが、もっと生産寄りの魔法使いだったようだ。ちなみにミルティーヴァ神官でもあり、大抵の街ではミルティーヴァ神殿で従属神扱いで合祀されている。単独で祭り上げているのはセレンくらいだろう。
神殿に入ると、奥に老人の彫像が聳えていた。
質素な衣服で痩躯を包み、柔和な、それでいて強い眼差しで遠くを見据えている。
その足下には、先ほど購入した小麦袋が堆く積み上げられていた。
俺たちの順番が来たので、小袋を積み片膝をつく。
大抵は無事に過ごせた一年の感謝と、来年の無事を祈るのだが――。
伝説的な魔法使いね。
存在が不確かな太陽神ラクトスや地母神ミルティーヴァより、恩恵がありそうな気がする。神になったかはともかく、存在したわけだからな。
だが、格は小太りが上だ。あいつは創造神と同格だし。
そもそもこの世界の神は、未だ名を知らぬ創造神だけだ。もし別の神がいるとしたら、創造神が生み出した従属神となる。
遙か古代の話になるが、善神と悪神の戦いがあったそうだ。
勝利したラクトス神ら善神は、人間種を生み出して大地の統治を委ねた。
いわゆる創世神話である。
正直、ラクトス神殿辺りの捏造だと思うし、そうでなければ、神に見紛うほどの強大な何かが争っただけだろう。
ただ定義や呼称はともかくとして、一つだけはっきりしている。
この世界において、神の敵は神である。
悪魔は別世界からやってくる悪しき精霊と同義で、滅多にお目にかかれない希少種だった。それに比べ、悪神は人間種誕生後も世に現れ、壊滅的な被害をもたらしている。
有名どころはコーム・ハングと呼ばれる魔物が信奉する『狂える神』ビヴェオン、ヴェリアテス以前に出現し、当時の文明を破壊し尽くした『貪食の悪神』アドゥドウだろうか。こちらは『不滅の多頭竜』ハルーヴァとやりあったことでも有名だ。
この世界の宗教が政治的に強くないのは、それが理由でもある。
俺を喰い殺した虫人間は神聖魔法を使い、コーム・ハングからは神聖属性の魔石が得られた。いかに神聖魔法が奇跡と喧伝しようと、敵対する悪神も恩寵を与えられるなら締まらない。おかげで宗教に引っかき回されないから平和である。魔物はいるけど。
宗教学はともかくとして、本気で信仰すれば神聖魔法が使えるようになるのだろうか。
人体の構造を思い浮かべたり、ポーションの治癒を再現しようと鍛錬しているが、まったく手応えがない。もし信仰心が関係ないとしたら、単純に資質が欠けている可能性もある。一度、検査した方が良いかもしれんな。
ま、今日のところはミラッドさんにお願いしておきますか。
神聖魔法を使えますように、と心を込めて祈りを捧げる。
何か起きるのをちょっと期待したが、一切の予兆なく祈りを終えた。
うん、分かってた。
さっさと諦めて顔を上げる。
気付けば、左右を知らないおっさんが囲んでいた。
「こっちだ」
行列から離れたところで、ランベルトが呼びかけてくる。
どうやら、だいぶ前から俺一人だったらしい。
慌ててそちらに向かい、「すまん」と謝罪する。
「やけに熱心だったな」
「ちょっと考え事をしてね」
なぜか、皆はがくりと肩を落とした。
「お前な……神の前だぞ?」
「そうだな」
同意しつつ、老人の像を見上げる。
神聖魔法をくれない神なんぞ、俺は認めん。
◇◇◇◇
ミラッド神殿を出ると、俺たちは一旦、解散した。
ランベルトとフェリクスはミルティーヴァ神殿へ、エルフィミアはラクトス神殿へ参拝に行くという。
どちらの神もリードヴァルト時代に祈ったことがあり、やっぱり神聖魔法をくれなかったので俺は帰ることにした。
一人で帰途につきながら、店や屋台を回って目に付いた食べ物を買い込んでいく。
量が多かったり、時間の掛かりそうな料理は事前に注文している。そちらはテッドたちと受け取りに行く予定だ。
両手いっぱいに買い込み、俺は大通りを自宅へ向かう。
門の方から定期便の馬車が通りかかる。
横目で窺うと、満席だった。よそからの来客も多いのだろうか。
セレンに来る前、母は敵地呼ばわりしていたが、実際はほどよく中央から距離を置き、評議会は自主独立に腐心していた。そんなセレンだからこそ、羽を伸ばすには良い街なのかもしれない。
帰宅すると、俺は来客を招く準備を始めた。
昨日までに掃除は済ませているが、念を入れて掃き直す。
そうこうしているうち、「来たぞー」とテッドが顔を出した。
ジェマやネイルズ、リリーもいる。
開始予定の夕刻まで、まだ時間はあるが。
「ずいぶん早いな。準備中だぞ」
「手伝いに来たんだ」
言いながら、わいわいと入ってきた。
彼らなりに気を遣っているようだ。ならば掃除でも手伝ってもらうか。
そう言いかけたとき、俺は最後の人物に動きを止めてしまう。
三十前後の女性で、痩せていて幸薄そうな風貌。
「あなたは確か、ネイルズの――」
「はい。ネイルズの母、デイナと申します」
名乗りながら、深々と頭を下げてきた。
そしてその体勢のまま、礼の言葉を口にする。
「今日は息子をご招待していただき、大変ありがとうございます。普段からご迷惑をお掛けし、いつかお礼をしなければと思っていたのですが、貴族のご子息様にどのようなお礼をすれば良いか分からず――」
「分かった、充分だ。顔を上げてくれ」
俺の制止に、デイナは硬直してしまった。
なんだろう……ちょっと震えてる気が。
もしかして、怖がってる?
「ああ――なんだ、そこでは寒かろう。入ったらどうだ」
招いてみたが、震えが大きくなるだけでデイナは動かない。
見かねたネイルズが、固まる母を笑顔で引っ張り込んだ。
そんな緊張感溢れるやり取りそっちのけで、
「おお、暖けえ!」
と、テッドとジェマは暖炉前に陣取って寛いでいた。
気付いたデイナは、さらに顔を強張らせてしまう。
どうも、思った以上に貴族の息子を警戒しているようだ。
テッドとジェマがああだから忘れがちだが、これが自然なんだよな。
ネリオもよく飛び土下座してたっけ。
近所の子供は遊びと勘違いして、一緒に飛んでたけど。
何にせよ、剣を教えたのも招いたのも俺が自身で決めたこと。
礼など気にしなくて良いのだが――。
「この後予定はあるか?」
「いえ、特には……」
ということは、本来ならネイルズと二人で過ごしていたわけだ。
なら話は早い。
「デイナも一緒にどうだ。一人で新年を迎えるのも寂しかろう」
「いえ、私など――!」
即座にデイナは断る。
それに割って入ったのは、なぜかテッドだった。
「良いな、それ! ネイルズの母ちゃんも一緒に祝おうぜ!」
「うん、そうしようよ。アルター様はお優しい方だし、みんないい人だよ!」
ネイルズにも言われ、デイナは困り果ててしまった。
そこへ畳みかける。
「正直に言えば、参加してくれると助かるんだ。僕を含め、まともな料理経験者が一人もいなくてな。出来合いの料理をどうするかの判断でも、経験者は頼りになる」
「私は粗末な料理しか作れません。とてもお役には――」
デイナは大仰に手を振って断るが、リリーまでが立ち塞がった。
「私からもお願いします。人数が多いので、手が足りないと思っていたんです」
懇願され、デイナは絶望の表情となる。
そして、折れた。
なんだろう、すごく悪いことをしてる気分だ。ちょっと誘っただけなんだけど。
一方、デイナの参加にテッドたちは大喜びだった。
ネイルズを除けば、両親と死別した子供ばかり。俺が知らないところで交流があったのだろう。それに学院組からも文句は出ないと思う。あいつらは大人びている所為か、やたらと物分かりが良い。
「じゃあ、始めようか。テッドたちは掃除を頼む。それが終わったら料理を取りに行こう。デイナとリリーは食器の準備や盛り付けだ」
俺の号令で、皆は銘々に散っていく。
掃除は――充分そうだ。リリーたちを手伝うか。
調理場に向かうと、デイナとリリーは購入済みの料理を広げていた。
王道の串焼きに、刻んだ端肉や野菜を挟んだガレット、角切りの肉と芋を混ぜ合わせて素揚げしたコロッケもどき等々。
手を加えるかそのまま盛り付けるか、デイナに判断を仰ぎ、俺とリリーはその指示で動いた。
最初は遠慮してぎこちなかったデイナも、俺が無害と分かったようで、だいぶ緊張が解れてくる。
そんな作業しながら、雑談混じりに聞いてみた。
「だいぶ手慣れているようだが、仕事で料理を?」
「いえ、郊外の放牧地で働いています」
郊外の放牧地というと――南門の先だな。
なら、何度かすれ違ったかもしれん。
「外の牧場や耕作地は、貧しい者の働き口として作られました。夫を亡くしてから、私もお世話になってます」
夫の死を、デイナは淡々と口にした。
そして皿を数えながら、
「ただ、働くのは貧しい者なので、みな食べるにも事欠きます。だから朝晩の食事が配給されるんですよ。私はその手伝いをよくしますので」
「だからか。しかし、評議会も捨てたものではないな。配給までやっていたとは」
「はい、助かってます。お粥ばかりですけど」
言った途端、「失言でした」とデイナは口を押さえた。
その姿に俺とリリーは笑顔になる。
そして作業に戻ろうとしたとき、何とはなしにテーブルを眺めた。
傾向というかなんというか――似たような料理ばかりな気が。
手を止め、しばし考えた後、ぼそりと呟く。
「もし良かったら、粥を作ってくれないか?」
驚くデイナに、俺は買ってきた料理を指し示す。
「要望も聞かず僕の好みで買ってきたから、どれも似た料理になってしまった。追加で注文しても良いが、年末は混み合うだろう」
「そう言われましても……」
困惑するデイナだが、またもやリリーが乗ってくる。
自分も手伝うと言い出しデイナを説得、諦めきった表情で了承してくれた。
持ちかけた俺が言うのもなんだが、ずいぶんと押しに弱いな。
ちょっと新鮮だ。これまで出会ったのは、みんな芯の強い女性ばかりだし。
気が変わられても困るので、「遠慮なく使ってくれ」と食材や調味料を並べ立てる。
そして、いざ始まってみると本気になるらしい。
二人は真剣に議論を交わし、結論を出すと早速取りかかった。
「掃除、終わったぞー」
ほどなくして、戦場と化した調理場にテッドがやってきた。
しかし不用意に踏み込んでしまい、「お兄ちゃん、邪魔!」とリリーに追い出されてしまう。
その声に釣られ、ネイルズも調理場を覗き込む。
「母さん、何やってんの?」
「粥を作ってくれないかとアルター様が仰るので」
「私は手伝いです」
デイナとリリーが見もしないで応えた。
首を傾げるネイルズの上から、テッドが目だけ出す。
「なあ……注文したの、取りに行った方が良いんじゃないか?」
「あ、もうそんな時間か」
窓を見れば、すでに空は赤かった。
まずいな。注文の料理どころか、食器類も準備できていない。
そんな俺の様子を見て、
「なら、俺たちで取ってくる!」
と、テッドは顔を引っ込めた。
駆けていく足音に、慌てて調理場から飛び出す。すでにテッドたちは外だった。
後を追い、声を掛ける。
「待て、注文札を忘れるな!」
「持ってる!」
「僕に頼まれたと説明しろ! 名前を言うんだ、分かるな!?」
「アルターだろ!」
フルネームを知らんのか。
止めようとした時、ネイルズが「大丈夫です!」と叫んできた。
それに躊躇していると、三人は小走りで消えていく。
本当に大丈夫か?
◇◇◇◇
手の空いたリリーに手伝ってもらい、グラスや食器類を並べていった。
しばらくして、無事にテッドたちが戻ってくる。
テッドとジェマは重そうな鍋をそれぞれ抱え、ネイルズは中くらいの鍋を二人で運んでいた。彼を手伝っていたのはエリオットだった。
「途中で会いまして」
調理場から戻ってくると、そう言ってバスケットを差し出してくる。
中には柔らかそうなパンと瓶が入っていた。
「ここのパンは評判良いんですよ」
「そうなのか。ありがたく頂戴しよう」
礼を言い、バスケットのままテーブルに並べる。
そしてふと視線を動かせば、なぜか座り込むテッドとジェマが視界に飛び込んだ。
二人は壁際に座り込み、眉間に皺を寄せている。
「どうしたんだ、お前ら」
「……盗んだって言われた」
盗んだ? もしかして――注文札?
こいつら、いつもの調子で突入したな。うまくお使いをこなしたと安心していたが、駄目だったか。
腕をさすりながら、ネイルズも調理場から戻ってくる。
「途中で説明したんですけど……。アルター様の使いだから、礼儀正しくしないといけないって」
「ちゃんと言ったぞ! アルターに頼まれたって!」
「アルター様のお名前は、アルター・レス・リードヴァルト。使いが呼び捨てっておかしいでしょ。男爵様のご子息だよ?」
珍しくネイルズがきつく言うと、二人は反論せず、押し黙ってしまう。
失敗したと、分かってはいるようだ。
「店の前で揉めてまして――」
そう、エリオットが切り出す。
俺の自宅へ向かっている途中、店の前でテッドとジェマ、そして店主が口論していたらしい。ネイルズは必死に説明していたが、全員が熱くなっており、誰一人聞き耳を持たなかったとか。
そこでエリオットは学生証を提示し、俺が学友であること、彼らは懇意にしている者たちだと説明する。さらに、子供ゆえ礼儀作法がなっておらず、これから教えていくつもりだと伝えた。ちなみに教えるのは俺らしい。まあ、良いけどさ……。
ご指名があったので、俺はテッドとジェマの前に座る。
「前に、冒険者の上を目指すと言っていたな?」
二人は無言。
「冒険者のBランク以上は二種類いる。圧倒的な力を持つ者、冒険者ギルドにとって有益な者だ。『破邪の戦斧』はCランク、そして『深閑の剣』という凄腕の冒険者たちもCランクだった。彼らは優秀だが、圧倒的じゃない。ではギルドにとって彼らは有益か。戦力だけなら有益だろう。しかし、品位に欠ける」
顔を上げたが、理解している顔つきではなかった。
少し、回りくどいか。
「Bランク以上は知名度が高くなる。貴族から指名依頼が来ることも珍しくない。その時、いつもの調子で話しかけたらどうなる? 想像できるよな。だからギルドはBランク以上に品位を求める。最低限の礼儀作法すらできない者は重用しないんだ」
「ならCランクのままで良い!」
「あたしも!」
声を揃える二人に、俺は首を振った。
「上を目指すのはやめるか。別に構わん、お前たち自身が決めれば良い。だが、冒険者である以上、貴族を避け続けるのは不可能だぞ。BランクがいなければCランク、それもいなければDランク。依頼を受ける日が必ず来るはずだ。そしてお前たちは軽んじられる。馬鹿にされる。どんな意思を持とうが関係ない。考慮もされない。あいつらはそういう生き物だ。礼儀は人間としての最低条件だと本気で思い込んでいる。耐えられるか? そんな扱いを受けて」
「……お前だって貴族だろ」
テッドの反論に俺は一瞬、きょとんとした。
そして吹き出してしまう。
「そうだな。僕も貴族だ、たまに忘れるよ」
なかなか笑いが収まらず、肩を震わせる。
気付けば、テッドとジェマから険が消えていた。
「本当に、変な貴族だよな。アルターって」
「よく言われる」
どうにか笑いを抑え、俺はテッドとジェマを立ち上がらせた。
「貴族の真似事をしろとは言わんよ。それでも、依頼相手には敬意を払え。自分を使い分けるんだ。人の中身なんて、すぐに分かるものじゃない。態度で自分を示せ。別に難しいことじゃないぞ。善人と悪人、友人とそれ以外。お前たちはすでにやっている」
「よく分かんねえよ……」
「難しく考えるな。それに、お前たちには相談できる仲間がいるだろ」
ネイルズ、そしてエリオットも頷いていた。
テッドとジェマは照れくさそうに頭を掻く。
今回の件は良い勉強になったろう。
これで依頼主に会っても、失礼な態度は取らないはずだ。
さて、後は若い皆さんに任せて俺は準備の続きを――。
と、間に合わなかったか。




