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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第一章 彼の周りの不思議人物たち
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4、大阪弁男に注意!?

 朝から疲れて、中学生のハードな生活がのりきれるだろうか。生きて、またあの家に帰れるだろうか。

 「どうしたの、ダーリン?」

 「……はぁ」

 こいつのせいで俺は疲れてるって言うのに、何でこいつは元気なんだよ。何で一緒に学校行かないといけないんだよ。普通に考えたら、何で今日に限ってこいつは俺の家に来たんだ?なんか特別な日でもないのに。

 「ダーリンってば、無視しないでよ!美咲、すねちゃうよ。プンプン」

 ぶりっ子して、さとう○緒の真似してる。でも、今日はこれ以上ツッコムと、生きていけない気がするから、やめておこう。

 「ねぇってばぁ、ねぇ、ねぇ〜。無視しないでよ、ダーリン」

 「……」

 「ダーリン、聞こえてる?聞こえないなら、私、ドリカムの『君にしか聞こえない』歌うよ?歌っちゃうよ?」

 「勝手に歌ってろよ、つーかなんで、そんな歌知ってんだよ」

 「あ、やっとツッコミいれてくれた!今日はもうだめかと思ったゾ」

 「だぁかぁらぁ、語尾にハート付けんな。しかも、何でカタカナ?ディグレの千○伯爵気取りかよ」

 「マニアックなところついてくるね、慎ちゃん」

 「その呼び方もやめろ」

 「嫌よ、これがなきゃ私、死んじゃうよ!?」

 「じゃ、いっその事死んでくれよ、頼むから」

 「それはダメやで、瀬川」

 うわっ。新キャラ登場だよ。てか、こいつ誰?何で俺の名前知ってんの?

 「誰ですか、アンタ。私とダーリンの幸せの時間を奪わないでください」

 「な……そ、そんな関係だったんかいな。……知らんかったわ」

 「誤解しないで!そんな関係じゃ、一切ありませんから。ついでに、君、誰?」

 「あてかいな?わての名前は坂井稔(さかい みのる)だす。今後とも、ヨロシュウたのんまっせ」

 な、何故に大阪弁!?しかも、全然なまり消す気ねぇし!

 「で、小堺君私たちに何の用?」

 名前ちげーよ、森野。お前、ホント記憶力ねぇな。

 「小堺じゃなくて、坂井だす。用っちゅう用はねぇんだけど、暇なんで、一緒に学校行きません?」

 「いい訳ないでしょ!私の幸せを奪う気!?」

 「じゃあ、俺と一緒に行こうよ、坂井君」

 「ほんまかいな!おーきに!じゃ、誰かはん、ほなさいなら」

 本当に嬉しそうだな、こいつ。無邪気すぎて、怖いくらいだ。それに、なんか、あれっぽい気がする……。

 いや、そんな事を思っちゃいけないぞ、慎吾。こいつは、この坂井様は、俺を森野の魔の手から救ってくれた、いわば勇者様だぞ?そんな優しい奴に向かってホ……なんて言えないだろ!そうだろ、俺!しっかりするんだ、慎吾!立て、立つんだ慎吾!

 ……て、アレ?なんか、いつの間にか他のものが混ざってきてるぞ。きっと、森野と朝っぱらから会ったからだろう。うん、きっとそうだ、そうに違いない。だから落ち着いていけ、自信を持って生きるんだ、慎吾!

 「待って、待ってよダーリン!この私を、婚約者(フィアンセ)の私を置いて行こうって言うの!?」

 「だぁれがフィアンセだよ!お前と結婚の約束をした覚えはねぇよ!」

 「酷い!私を裏切るのね!」

 「裏切るも何もねぇだろが!」

 「裏切ってるじゃない!何で私の愛妻弁当を食べてくれないのよ!何で私の愛を受け取ってくれないのよ!そんなの……酷いじゃない!」

 「愛妻弁当じゃねぇだろ!自分で食ってたじゃねぇか!愛なんて欲しくねぇし、受け取る気もねぇし!」

 「小腹が減ってたから、……つい。テヘ」

 「テヘ。……じゃねぇだろ!知ってるか、テヘって真顔で言う女に、ロクなのはいないんだぜ?」

 「え!?ほんまかいな!」

 「……変なところで首突っ込むのね坂井君」

 照れているのかよく分からない表情で笑ったけど、やっぽりなんだかアレのにおいが強くなっただけな気がする。

 「いいから行こうよ、坂井君」

 強引だけど、腕を引っ張っていったら、何だかかなり重かった。そんなに重そうな外見じゃなかったのに。……もしや!アイツか!?

 振り返ってみると、予想どーりに奴はいた。坂井君のもうかたっぽの腕を握ってる。てか、掴んでる。

 「離さないわ。この手だけは、離さない!」

 「……それって、坂井の腕だろ?好きにしろ」

 そう言って、腕を離して、逃げるように走った俺を、森野の声が追いかけてきた。

 「どうして逃げるの!?マイダーリーーーン!!」

 「追いかけてくるな!ストーカー女!!」

 とりあえず、俺はホモとストーカーから逃げたかっただけなんです。そして、これ以上そこにいたら、本当に命が尽きる気がしたんです。

 ああ、神様。こんな哀れな俺を、何故助けてくれないんですか……。

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