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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第一章 彼の周りの不思議人物たち
19/117

19、朝から元気なドM!?

 朝っぱらから森野に会い、ちょっと不機嫌な俺。それはいつもの事だけど、やっぱ不機嫌な俺。会うだけでさえイライラするのに、話までしたら、もう沸点に到達してしまいますよ。まったく、どうしてあいつはこりないんだか……はぁ。

 「見つけたわ!愛しのダーリン!」

 「げ!!二話連続森野かよ!!」

 「そんなに嬉しい?私も嬉しいよ、ダーリン」

 「……お前さ、学習能力ってのはない訳?ハートマーク付けんなって言ってんだろ?」

 「じゃあ、ダーリンはOKなんだ」

 「んなわけねぇだろ!!」

 「まぁ、そんなに喜ばなくてもいいじゃない」

 「俺のどこが喜んでいるように見えんだよ!?」

 「ん?全てが」

 「んな訳あるかぁぁぁぁ!!」

 イライラが頂点に達した時は、投げるに限る。楽しいし、なんか、スッキリする。これって、Sだけの特権ですよねぇ。

 「この痛みが、私の生きる糧となるのよ」

 「あっそ」

 「そして、その言葉は私の力になるの」

 「そうですかぁ」

 「……ねぇ、ちゃんとツッコんでよ」

 「気が向いたらねぇ」

 「そんなの、私の愛したダーリンじゃない!!」

 「愛された覚えねぇし」

 「愛してるわ!四六時中貴方の事を見てる!!レンズの奥から!!」

 「お〜い、チラリと爆弾発言したよなぁ。何だ?レンズの奥からって?盗撮か?」

 「だとしたら何?愛する人を見張るのは、家政婦の仕事よ!!」

 「家政婦かよ!!てか、いつお前は家政婦になった!!」

 「今、この瞬間に」

 「……あっそうですか。これ以上俺はツッコんじゃいけない気がするからさ、一人でやっとけよ?頼んだぜ」

 「あ、いや。頼むとかそういうの、気まずいんでやめません?」

 「……」

 「あのぉ、聞いていただけてます?」

 「……ふぁぁ、ねみぃ」

 「あ、確かに眠いですよね。まだ登校中ですもんね」

 「……」

 「あのぉ、ツッコんでもらえないと、私のいる意味なくなっちゃうんですけど」

 「……」

 「この話も、成立しなくなっちゃうんですけど」

 「……あ、数学持ってきたっけな?」

 「なかったら貸すよ?ダーリンの為なら、なんだってするわ」

 「ま、いっか。他のクラスから借りてこよ」

 「だから、私の愛がこもった教科書達を、貴方に貸してあげるわ、ダーリン」

 「……ああ、ねみぃ」

 「……また、放置プレイですか?」

 「……」

 「ねぇ、ダーリン!無視しないでよ!ダーリン、ダーリン、ダーリン!!」

 「うっせぇな、消えうせろや、この世から」

 「ああ、やっとツッコんでくれた。それでこそ、私のダーリン」

 「……」

 勝手にウットリしている森野の隙をついて、俺は駆け出す。逃げるなら、今がチャンスだ!

 「ああ、待って!私だけの人!!!」

 「だぁれがお前なんか好きになるか!!!てか、勝手な思い間違いしてんじゃねぇよ!!」

 「思い過ごしなんかじゃない!本能よ!!」

 「何のだよ!!」

 「愛の野獣の」

 「お前、やっぱ死ね」

 「貴方のそこの言葉で私は癒されるのよ!さあ、私を助けて、ダーリン!!」

 「お前は傷おってねぇだろ!!俺はずいぶんと前から、癒えない心の傷が、お前に会う度に疼くんだよ!!」

 「まあ、それはきっと、恋の病だわ」

 「ゼッテェにありえねぇ!!いや、あってたまるかよ!!」

 「ああ、待って!私を置いていかないで、ダーーリーーーン!!」

 森野のこの元気さ、異常じゃね?

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