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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第一章 彼の周りの不思議人物たち
13/117

13、復活のドS!?

 「ねぇ、ダーリン!」

 「あん?ウゼェな。ダーリンじゃねぇよ、黙ってろ、ボケ」

 「も、戻ってる!性格が戻ってるわ!美咲、嬉しい!」

 「あっそ。てか、ウザいから消えろ」

 「その刺激的なお言葉、美咲は何日我慢した事か」

 「泣きまねすんな、キモいから」

 学校からの帰り道、しつこく着いてくる森野を避けながら言った。てか、距離が近い。

 「近いんだけど」

 「私とダーリンの心が?」

 「それは遥か遠くに薄っすらと見える程度だろ!違うよ、馬鹿!!」

 「ああ、もっと言って!もっと私をいじめてください!」

 「……」

 「黙っちゃいやぁ〜!美咲、生きてらんないよ」

 「……その台詞、何回も聞いたと思うんだけど?」

 「そんなに私の言葉を覚えててくれたの?美咲―――」

 「それも聞き飽きたぁーーー!」

 隣に迫ってくる森野に、アッパー。見事に決まったとき、かなり嬉しかったっす。

 「い、痛いわ。痛いけど嬉しい」

 「ハート付けんなっ!キモいって言ったよな、俺、この前もキモいって言ったよな!?」

 「……そのお言葉が、私の生きる糧です」

 「じゃあ二度と言わねぇよ。金輪際、俺に近付くな」

 「……ねぇ、『金輪際』って、なんて読むの?」

 「お前はふき出しを見て会話してたのかぁーーー!」

 もう一度、アッパー。さっきより強めで。

 「……ふふ、やっぱりダーリンは、私にツッコんでくれるのね」

 「したくてしてる訳じゃねぇぞ。てか、どちらかというと、かなりしたくない。平凡な生活に戻りたい」

 「平凡って、この時、この瞬間の事を言うのよ、ダーリン」

 「それはお前限定だろ!?」

 「……意外と違ってたら?」

 「ありえない」

 「……案外そう思ってなかったり?」

 「それもない」

 「……実は、私にこ―――」

 「おーい、それ以上言葉を発してみろぉ。今すぐここで川に突き落としてやるよ」

 「それは嬉しい!!けど、ちょっと汚いわね。美しい私には、似合わ―――」

 「何がどう似合わないんだ、あん?小汚くてネバネバしてる感じ、お前そっくりじゃねぇか。クリソツだよ、クリソツ」

 「クリ……何小学校を卒業したのかな?」

 「その卒じゃねぇーーー!馬鹿だろお前、馬鹿だろ!!」

 「そうよ、私は馬鹿よ!!貴方のための、世界一の馬鹿!!」

 「自分から世界一って言うか?やっぱお前、脳みそねぇんじゃねぇの?」

 「そう、その代わり、ダーリンの愛が―――」

 「その代わり、何だって?」

 森野のプクッとした頬を掴んで睨みつける。嬉しそうに頬染めてる馬鹿は、何を考えてるか、さっぱり分かりません。分かりたくもありません。

 「ダーリンの愛がたくさん詰まってます」

 ハートマーク付きの馬鹿発言。もう疲れたというか、飽きたといいますか。

 とりあえず、すべき事は分かっています。それは、森野を川に落とす事。それが、使命です!

 「ああ、待って!川にはやっぱり落とさないで!!私、泳げないの!!1メートル泳げたら奇跡なの!!」

 「へぇ。だから?」

 「落とさないで!愛しい美咲が死んで―――」

 「大いに結構。それ以上に嬉しいことはないぜ?」

 「あ゛〜っ!ダメダメ!!危機的状況、大いに結構だけど、嬉しいけど」

 「一思いに、死んでくれや」

 「はい。……なんて嘘です!!ごめんなさい!!申しません!!」

 「もうしませんの字がちっがぁう!!落とすぞ、本気で落とすぞ」

 「それは、本気と書いて、マジと読ませるのですか?」

 「好きにしろぉーー!てか、正直言って、そんな事どーでもいいわ!!」

 「やめてっ!ホントにゴメンなさいぃ。盗撮写真も渡しますからぁ」

 「テメェ、なんて事してたんだよ!!犯罪だぞ、犯罪者だぞ!!」

 「もとから犯罪者です!!ダーリンの愛を盗みました!!」

 「盗まれてねぇよ!盗まれた覚えすらねぇよ!!どこがどうくるったら、そんな事になるんだよ!!!」

 「入力ミス?」

 「それは作者の原因だろ!?俺らかんけーねぇし!!」

 「そんなこといったら、作者が傷付くでしょ!!可哀相じゃない!!冷たい言葉は、私だけのものでいいの!!」

 「ウゼェよ、もうかったるいよ、めんどくせぇよ!お前の存在、そしてこの作品の存在が信じられない!!」

 「何で!?」

 間抜け作者と、キモ森野の声が重なる。綺麗にハモッた。でも、それさえもウゼェ。

 「とりあえず、俺はお前に構ってる暇はねぇんだよ!!お前はとっとと家に帰りやがれ!!」

 「その前に、金輪際(こんりんざい)の読み方を……」

 「読み仮名振っておいたから、後で見とけ、この馬鹿!!!」

 「……ねぇ、じゃあ。川に、落としてくれないの?」

 「落として欲しいか、じゃあ遠慮なく―――」

 「嘘です!!これはマジと書いて本気と読むです!!」

 「意味分からねぇよ。これだから、馬鹿は嫌いなんだ」

 「馬鹿じゃないもん。愛すべき馬鹿だもん」

 「結局馬鹿なんじゃねぇかぁーーー!!」

 最後に強烈なアッパーを。そして、森野は川に落ちたとさ。チャンチャン♪

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