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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第一章 彼の周りの不思議人物たち
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12/117

12、仁義なき戦い!?

 「ははは〜!」

 「……どした瀬川。その奇妙な笑いは何だ」

 「あはは〜!それはな、やっと飯が食えるからだよ!」

 「朝飯は?」

 「ははは〜!昨日の晩から、何も食ってない!」

 「マジ!?」

 「あはは〜!だってさ、ミッチェルさんの破壊的な料理、お前も知ってるだろ?」

 「え!?もしかして……」

 「そう、母さんがいないから、代わりにミッチェルさんが作っちゃったんだよ!」

 「……それは、大変だったな」

 「ははは〜!哀れみに満ちた言葉を有難う、小橋」

 そうです!そうなんです!!本日、最も楽しみにしていた時間!!そう、給食の時間がやってきたのです!!なんて嬉しい事でしょう!!なんて幸福な事でしょう!!

 もう、待ってらんなくて、2時間目あたりから俺の腹は、給食を呼んでました(笑)

 そしてとうとう、この時間!人類が最も油断する時間!!給食の時間は来たのデェス!!

 ……あっ、ヤベッ!ミッチェルさんのしゃべり方がうつった!

 「ところでさ、あそこにお前を待ってる奴がいるぞ」

 「誰?」

 「強烈毒舌馬鹿女」

 「お〜。よく噛まずに言えたな」

 「まあな」

 「デ、誰?」

 「だから、隣のクラスの」

 「まさか、坂井君!?」

 「……確かに隣だけど、違うから」

 「じゃあ、……馬鹿?」

 「そう、馬鹿」

 名前を出す気にもなれないアイツは、確かに後ろの入り口にいた。いたというより、覗いてた。

 すみまっせ〜ん!!誰か、変質者がいるって、先生に言ってくださぁい!!

 「どうすんだ?」

 「もち、ほっとく!」

 「……やっぱ」

 「この至福の時、あの馬鹿女に邪魔されてたまるかっての!!」

 ぐっと拳を握り締めて、宣戦布告。ていうか、戦闘体勢?はたから見れば、一人勝手に盛り上がってる、浮いてる人だな。

 そういえば、気付いたら森野がいない。でも、よく見たら、前の入り口に移動しただけだった。そして狙ってる。俺が、そこに並ぶのを。

 「……小橋、俺は戦ってくるぞ」

 「……無事を祈っててやるよ」

 「……さらば、友よ!!」

 ……こんな題名の曲、なかったっけ?

 それはさておき、森野をどう退治するか……。

 一歩一歩、確実に前へ進む。隠れているつもりの森野は、思いっきり頭が出てた。

 そして、給食を運ぶ列へ並ぶ。そして、お盆を掴む。と、同時に―――。

 「あ!いっけね!!手がすべったぁ!!」

 隠れていた戸から出てきた森野に、容赦ない一撃。飛んでいったお盆は、見事に森野の目に激突する。

 よっしゃぁー!ストライク!!思わず拳を握り締めて、新しいお盆を手に取る。

 次はご飯だ。どう対処しようか。……そうだっ!

 「ねぇ、後ろに何かいるよ?」

 「え?」

 見事にお椀を持ったままの腕が、森野の顔面に直撃する。さほどの衝撃はなかっただろうけど、それで十分だ。

 「ゴメン。気のせいだったみたい。さあ、早くよそってよ」

 「え?あ?う、うん」

 よし、第二関門突破!このままいけば、無事に給食を手に入れる事が出来るぞ!頑張れ、俺!負けるな、俺!!

 さあ、次はおかずだ。でも、二種類あるから、さっきのような手は使えない。違う手を考えなくちゃな。……あ、そうだ。これなら、いけそうだぞ!

 「ねぇ、そのお皿、少し汚れてない?」

 「え?そうかな?」

 「そうだよ、変えて欲しいな」

 「いいよ、どうせあまるし」

 よし、今だ!

 「傷も付いてるから、他のに入れた方がいいよ」

 もとあった場所に置きそうになった皿を取り、フリスビーのように投げる。それは、森野の腹に当たり、割れた。

 「ほらね、言ったとおりだ」

 「……そ、そうだね」

 おし!後は味噌汁だけだ!!これならいけるぞ!!絶対、いける!!

 「味噌汁、少なめでお願いできない?」

 「……いいけど?」

 「有難う」

 汁の入ったお椀を受け取り、後ろに現れた森野の顔面に向かって押し付ける。

 「ふ、油断するなよ、馬鹿が」

 味噌汁の攻撃をくらい、森野はノックダウン。よっしゃ、勝利は我が手に!!

 「あ〜あ、また手が滑っちゃったよ。もう一杯くれるかな?」

 「う、うん」


 給食の激しい(?)バトルを勝ち抜き、勝利と食べ物を手に入れた俺は、腹いっぱい給食を食べたとさ。

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