11、ブルーなS!?
朝飯も無残なもので、何も食べれませんでした……。朝から真っ黒いもの見ると、気分ってブルーになるんですね……。
「ダーリン!!」
門を出ると、すぐに森野がいた。隠れてたつもりだろうけど、電柱からはみ出してたから、アレは隠れてたとはいえないな。
「酷いわ!酷いわよ!!」
「……何が?」
「二話も大切なヒロインを出さないで、この物語が成り立つとでも思ってるの?」
「……成り立ってたんですけど、何か?」
「成り立ってないわ!!全然ダメ、ダメすぎて吐き気がするわ!!」
「……勝手に言ってろ」
「それに!!ツッコミが浅い!!もっと深く、こう、抉るように!!」
「……いいだろ、今はそういう気分じゃないんだから」
「ダメよ!!ダーリンがツッコまないと、つまらないわ!!読んでるほうも飽きるわ!!」
「……じゃあ、読者さん。今日はやる気がないんで、他のものを読んで下さい」
「ダメよ!!それじゃあ、読者さんが減っちゃうわ!」
「いいじゃんよ、もうめんどくさいって言うか、自暴自棄、みたいな?」
「ダメだってば、ダーリン!どうしたの?そんなに私に会えない事が寂しかったの?」
「寂しかねぇよ。逆にかなり嬉しかった。ホントに」
「……ダメよ、ダメよダーリン!もっと激しく!!人を見下してる感じで言わなきゃ!!」
「えぇ〜。めんどい」
「……そ、そんな事言うのはダーリンじゃないわ!!」
「別にいいじゃん。人間だもの」
「み○をさん風に言っても、ダメなものはダメなのよ!!」
「俺的にはOK牧場」
「ガッツ○松さんでもダメ」
「じゃあ、誰ならいい訳?」
「誰でも、ダメダメなの!!ダーリンはダーリンでいいの!!」
「……てか、ダーリンじゃねぇし」
「半笑いで言ってもダメよ!!『!』付けて言わなくちゃ!!」
「ダーリンじゃねぇし!!」
「台詞棒読みじゃない!!もっと感情的に、暑苦しい感じで!!」
「……もうめんどくさい、生きる事がめんどくさい」
「そんなマイナスな事言っちゃダメ!!」
「……なんかもう、きつねうどんになりたい」
「何できつねうどんなの、ダリーン!?」
「……美味しいから」
「それだけの理由でなろうとしたの!?でも、なっちゃダメよ!食べられちゃうわよ」
「いいよ、別に。不死鳥の如く、よみがえるから」
「よみがえれないわ!」
「成せばなる、成せねばならぬ事があるって、どこかの誰かさんが言ってた」
「無理よ、それは無理!!成しちゃいけないものよ!!」
「じっちゃんの名に懸けて、もう疲れたよ」
「金○一少年の○件簿!?でも、じっちゃんの名に懸けて、疲れちゃダメだってば!!」
「じゃあ、秋田」
「確かに秋田よ、でも漢字が違うわ!!正しくは、飽きた。これが正解よ!!」
「じゃあ、そういう風に直しといて」
「ねぇ、ダーリン!!正気に戻ってよ!!」
「醤油?」
「正気よ、正気!!醤油じゃないわ!!」
「え?書記?めんどくさいから嫌です、先生」
「書記じゃないわ!!正気だってば!!」
「職業?中学生Aです」
「そんな役じゃないでしょ!!ねぇ、どうしちゃったのよ、ダーリン!!」
「あ、あそこに死神が―――」
「何でそんな不吉なものが見えてるの!?危ないわ、近寄っちゃいけないわよ!!」
「あ、あっちには綺麗な花畑と大きな川が見えるよ」
「渡っちゃダメーーー!!そっちにも行っちゃダメよ!!」
「あ、死んだバーちゃんが微笑みかけてくれてるよ。こっちにおいでって言ってる」
「行っちゃダメーーーーーー!!絶対ダメ!!この話が終わっちゃうわ!!」
「手招きしてるよ、こっちは幸せだよって」
「ダメなものは、ダメなのぉーーーーー!!!」
「……パ○ラッシュ、僕、疲れたよ。何だか、すごく眠たいんだ……」
「著作権の侵害よっ!!ダメよ、人のものパクっちゃ!!」
「……」
「寝ちゃダメーーーーーーーーー!!起きて、起きなさい!!」
「……」
「起きてよ、ダーリン!!寝ちゃダメだってば!!ねぇ、ダーリン!!」
「あ!!」
「何!?急にどうしたの!?」
「今日学校じゃん!!急がなきゃ!!また部活に遅れて、コーチに怒られる!!」
肩を掴まれていた手を振り切って、走り出す背中を、森野は訳がわからなそうに目を白黒させて見守っていた。




