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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第三章 文化祭は所詮前菜?
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99、はちゃめちゃな打ち上げ!?

 「(下から数えて)一番にかんぱーい!」

 「かんぱーい!!」

 ほぼ全員が大合唱。

 「(下から数えて)一番最高!」

 「イェーーー!」

 またまた大合唱。

 「(下から数えて)一番になれた事を光栄に思う!」

 「イェーーーー!!」

 ……以下同文ってことで。

 つーかさ、小さな声で言ってるつもりの『下から数えて』はっきり聞えちゃってるから。堂々と公表しちゃってるから。小さな声で言う事は小さく言いましょうねぇ。

 という事で、俺らのクラスはめでたく最下位であったらしい。先生が「らしい」つーから、らしいんだ。

 まあ、そんな事はどうでもよくて。

 喜んじゃいけねぇよな、普通。最下位なのにはしゃいじゃいけねぇよな、普通。打ち上げとかもう論外だよな、普通。

 「フフ、暗い顔でどうしたの?美咲がいないと寂しい?」

 「んな訳あるか」

 「瀬川、大丈夫だ」

 「何がだ影薄小太郎之介」

 「無駄に長いあだ名付けるな!」

 「で、何が大丈夫なんだ。んでもって引っ付くな、酔っ払いかこの野郎」

 「ん?とっても可愛かったから、心配する事はねぇと―――づだっ」

 「黙れ、そしてこのまま死ぬがいい」

 「酷くね!?」

 「ちょ、ヒロインがそんな事しちゃいけないよ!」

 「誰がヒロインだよ阪下!」

 「まあまあ、楽しもうや、姫君」

 「誰が姫君だ神郷。そして何故お前も引っ付いてくるんだコラ」

 「フフ、モテモテ?」

 「嬉しくねぇぞ」

 左右男って、花がねぇだろうが。

 「大丈夫よダーリン!ハニーがちゃんと守ってあげ―――あべしっ」

 「何でオメェがいるんだよ!」

 「だって、だってぇ」

 「すみませーん、不審者が」

 「ただ不審者じゃないわ!鯉の不審者よ!」

 字がちげぇよ。

 「ちょ、放しなさいよ!私、アナタみたいな可愛くない人に興味ないんだから!」

 ニヨニヨしながら言うことじゃない。店員さん引いてるだろうが。

 「まあ、折角の打ち上げだしさ、楽しまないと損だと思わないか?」

 「……まあ、そうかもな」

 「そうだよ!ヒロイ……今回活躍してくれた瀬川君がいなくっちゃ!」

 ヒロインって言いかけなければ最高だったぞ。

 「フフ、楽しみましょう。はい、ジンジャーエール」

 「……お前が持つとビールにしか見えない俺はなんなんだ?」

 「フフ、何かいった?もしかして、私に酔った?」

 「んな訳あるか!」

 「フフ、ジョーダンよ」

 ……なんかムカつく。

 「なあ、偽ヒロインー」

 「誰が偽ヒロインだ影薄小太郎之介」

 「よく噛まないで言えるよな、それ……」

 「俺様に不可能は多分ない」

 「自信ないのかねぇのか分からねぇし」

 「すみませーん、また不審者」

 「ごめんなさいもう二度とこのようなご無礼は致しません」

 「うむ、それでよろしいのだ」

 「……悪代官だな」

 「……悪魔っぽい」

 「……フフ、黒いわねぇ」

 なんとでも好きなように呼べばいいさこの野郎。



 「ねぇねぇ、瀬川君」

 「んだよ」

 「写メ撮らせてー」

 「しゃめ?なんだそれ。サメとシャケの融合体か?」

 「フフ、まさかの発言ね」

 なぜだ、何故みんな驚いているんだ。そして読者の皆々様よ、何故引いているんだ!

 「瀬川、写メって言うのはな……」

 と、小橋から長い説明。実は長くなかったりするけど、それは気にしてはいけない。

 「ふーん」

 「なんだ、そのあからさまにどうでも良さそうな返事は」

 「どうでもいい気がするからな」

 「お前にかかれば、なんでもどうでもいい事に早代わりだな」

 「そうかもなー」

 「またそうどうでもよさそうに……」

 「まあ、どうでもいいからな」

 「……無限ループが始まりそうだ」

 「それもそれでいいんじゃねぇの?」

 「で、撮らせてもらってもいい?」

 まだいたのか、名もなき女子生徒A子さんよ。

 「いいぜ別に。減るもんじゃあるまいし」

 「ありがとう!」

 そこまであからさまに喜ばれるとは思わなかったぞ。

 「じゃ、わた」

 「帰れ変質者」

 「なんで!何故私はダメなの!」

 「普通の人は植木鉢から出てきたりはしねぇだろ。てか、少しは周りの目を気にしろってんだ」

 ここに来てる人、みんなどん引きじゃねぇかよ。あ、ちなみにここはファミレスでございますな。

 「嫌よ!ダーリンと夢のツーショットのチャンスじゃない!」

 「知るかんな事。すみませーん、また変質者がー」

 「やめて!放しなさい!私とダーリンの恋路を邪魔するなんて、最低よ!」

 うん、ニヤニヤして言う事じゃねぇよな。んでもって、俺はダーリンじゃねぇっての。



 んで、なぜか始まった撮影会。シャッターが眩しいのなんのって……。

 「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 で、乗り込んできた不審者2。

 「私の、俺の1人息子の魂を、そんな小さな画面に納められてたまるかぁぁぁぁぁぁ!」

 何の話だ。

 「あの子はなぁ、本当は持病があってだなぁ、写真を撮られると魂が磨り減っていくんだよぅ」

 どんな持病だ。

 「だから、だから……」

 おーい、嘘泣きするなぁ。

 「俺の携帯とカメラ以外で、写真を撮っちゃあいけねぇんだよう!!」

 ……変態親父め、何を言い出すかと思ったら……。

 「ごめん、ちょっと……」

 「瀬川、ほどほどにな」

 大丈夫だ小橋。お前が思ってるほどの事はしねぇから。



 「さてと、そろそろデザートの時間かな」

 「フフ、そうね」

 「まあ、そうだな」

 「わーい♪」

 嬉しそうだなぁ、阪下。だがしかし、周りのみんなを見てあげましょう。お腹一杯、たすけてちょーだい!って感じじゃん。

 「でもゼリーかプリンしかないねぇ」

 「フフ、少ないわね」

 「二種類だけって、ファミレスのくせに……」

 「パフェぐらいあったっていいのにぃ」

 そこ、わざと大きな声で、しかも店員さんが通った時を見計らって言うんじゃない。

 「瀬川はどうする?」

 「フフ、あんみつとかくずきりとか、そーゆー類もないわよ」

 「和食万歳のお前には過酷かもな」

 「ファミレスの分際で、ふざけてますよね!」

 ふざけてる?言いすぎだよ、阪下。

 「あぁ、ふざけてる!こんな店、ファミレスの名をかたる資格はない!」

 あぁ、事実が、本音が漏れてしまう……。

 「いや、あんみつとかないくらいで……」

 「神郷!それでもお前は日本男児か!!」

 「え、あ、なんかごめん……」

 「フフ、まあまあ、落ち着きなさい。たかがデザートじゃない」

 「たかがデザート!されでデザートであるぞ!食後の小さな楽しみが、二種類であっていいはずがない!!」

 「フフ、まぁ、そうかもしれないけど……」

 「和食も少なかったし、怒る気持ちは分かるけど」

 「とりあえずお前は黙れ」

 「何故俺には冷たいんだ!?」

 「もういい!このお店選んだのが間違いだった!ちょっと有名だからって奮発するんじゃなかった!」

 「そうだな、阪下!さあ、もう今日は解散だ!こんな店、二度と来るか!!」




 散々大声で騒ぐなといっていた本人が、勇者阪下と去っていく背中を見て、ふと思い出した事が一つ。

 「……そういや、瀬川って昔から甘いものが好きだったな……」

 「フフ、だからこんなに怒っているのね」

 「されどあんみつ、されどくずきりって訳だね」

 「今度から、コイツがイライラし始めたら、甘いもので釣るのもアリかもしれない」

 「フフ、そうかもね」

 「そうだねぇ」

 まあ、この店がそれ以来打ち上げなどを禁止したのは、また別の話。かもしれない……。


と、言う訳で、文化祭編最終話!

なんだか、とっても長かったですが、楽しんでいただけたのでしょうか……?私はそれが心配で心配で仕方ありません。

そして、ちょっとこのお話の最終話っぽい感じはなんでしょうか?

あ、終わりませんので、ご心配なく。もうちょっとは続きます、ハイ。


まあ、一区切りついたということで、一言。

ここまで読んでくださった方、有難うございます。

私、下弦 鴉は読者の皆様に笑って笑って、また笑っていただけるように、頑張っていきます!

これからも、ご愛読していただける事を願うばかりでございます。


あはは……長くなってしまいましたね。

ではまた、次話お会い致しましょう!

これからも、『ドSな俺と、ドMなアイツ』をよろしくお願いいたします!

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