17:R13
短めです。
「でん……か?」
唇が熱い……?
唇を舐められる。
「……あっ……」
言葉を紡ごうと開いた口腔の中へ舌を入れられて、歯列を舐められる。
次第に口腔の奥まで舌で弄られ始められると、何も考えられなくなった。
「……んっ……はぁっ……」
熱い吐息が漏れる。
素肌に温かい彼の手を感じる。
胸の突起の先に彼の指を感じると、今まで感じたことのない快感が走る。
「あっ……んっ……やぁっ!」
ガバッと起き上がると、ベッドの上には、私一人しかいなかった。
ゆ……め……?
カチャッと音がしたと同時に、ミーナが部屋の中へ入ってきた。
「ルナ、大丈夫なの? 起き上がったりして」
「心配……かけてごめんなさい」
私は、心配顔のミーナに、謝罪の言葉を紡ぐが、かすれた声しか出なかった。
「ルナ、無理しないで! 喉も痛めてしまっていたのね。貴女、熱が出て、倒れてしまったのよ。覚えている? ああ、いいわ、声は出さないで。今、消化のいいものを、持ってくるわ。横になっていて」
どうやら、フィリップス王子との再会は、散々だったらしい。
途中で倒れるなんて……。
なんて間の悪い……。
ベッドで寝込むなど、川に落ちた時以来だ。
でも……。何て夢見ているのかしら、私ってば!
欲求不満?
いやいやいや! わかんないし!
「何、悶えてんの、ルナ?」
「きゃっ、ミーナ! の、ノックくらいしても……」
「したけど、聞こえてなかったのは、ルナでしょっ!」
ミーナは、手に持っていたものを横のテーブルに置き、私の背中に枕を程よく積み上げて、体勢を整えてくれた。
ミーナは、何だかんだと言いながら、私には甘いのだ。
「ミーナは、侍女でなく私の騎士でしょ? それなのに、侍女の仕事をしてもいいの?」
「こんな時くらいはね!」
ミーナが片目を瞑って見せる。
「ふふっ……ありがとう、ミーナ。昔……私が川に落ちた時のこと、覚えている? あの後、こんな風に寝込んで、みんなが心配してくれて……」
「もちろん、覚えているわよ。あの時は、ロイ兄様が、ルナを修行と称して、川へ突き落としてしまったのよね? まさか、泳げないなんて思ってなくて……。あの時は、本当に肝が冷えたわ!」
「でも、あの後、皆が私のことをちやほやしてくれて……大事にしてもらっていることが実感できて……本当に嬉しかった」
「決まっているでしょ!」
ミーナが、私を抱きしめる。
「今は、分かっているわ」
暫く、そのまま抱き合っていたが、私のお腹が抗議の声をあげた。
二人で声を出して笑ってしまった。
「こんな事より、さっ、ルナはしっかり食べて、早く風邪なんて治してね」
「はい! では、頂きます」
恥ずかしい出来事も、ミーナのおかげで忘れることのできたひと時だった。
すみません、明日はUPできないかもしれません。
明後日は、頑張ります。




