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ルナ姫の受難  作者: 東吉
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 出生の秘密のこともだが、何か重要なことを忘れているような気がする……?

 「あっ!!」

 「な、何? どうしたの?」


 「いや……何でもない」

 「何でもなくて、突然、大きな声出すはずないでしょう! 白状なさい!」

 ミーナに探るように見つめられる。

 こんな目で見ている時には、しらばっくれても無駄だということは、経験上わかっている。


 仕方ないな……。


 「私……忘れていたと思って……」

 「何を?」

 「ミーナ、私、審判を受けるって言っていたじゃない? それで、審判者に会わせてもらえるという手筈になっていたわよね? あれって、どうなったのかしら?」

 「あっ……!」


 ミーナの顔を見ていると、彼女もすっかり忘れていたようだ。

 審判者は、王妃であるマリィ様だったわけだが……。


 マリィ様は、『勝手に審判者にして!』と言って、怒ってらした。

 ならば、その審判の行方は……?


 「……ダメなら駄目と言われている筈よね? 何も言われていないということは、まだ、可能性があるってことかしら?」

 「可能性があるというより、王子の嫁決定していなかった? だから、大丈夫なんじゃないかしら?」


 うーん……それならどうして、あんな手の込んだことしてきたのかしら?

 ミーナは楽天的すぎる!

 とりあえず、自分のことは棚上げすることにして、気になるもう一つのことを解決しよう。


 「ところで、ミーナのこと、えらく気に入った様子の盗賊のフリした騎士とはどうなったの?」

 「!」


 うわっ!

 初めて見たかも……。

 ミーナが赤面しているところ。

 女の子に見える……いや、もともと、女の子なんだけど……。


 「何かあった?」

 「べ、別に何も……?」


 なんか、怪しいし……。

 自分でも、口角が上がるのがわかった。


 「何? その眼……。私で遊ぼうと思っても、絶対に遊べないわよ!」

 「遊ぶつもりなんてないわ。さぁ、今度は、ミーナが白状する番よ!」

 一歩、一歩とミーナへ近づいて行く。


 「や、止めてっ! 何にもないってばっ! キャーっ……」


 「どうした? 何があった?」

 ドアがいきなり開いて、野太い男の声が響き渡った。


 丁度噂していた男の乱入に、私とミーナは、ベッドの上で絡みついていた身体を固まらせ、出入口を凝視した。

 男は、喉をごくりと飲み込んだように音が響く。

 男の視線の先を辿ると……ミーナ!


 なんて、艶めかしい姿に!

 私がミーナをくすぐろうしたところで、彼女が抵抗していたため、豊満な胸が半分見えている!


 美女が二人で絡み合った姿は、男女のそれよりも萌える姿であったことを、その時の私は、知る術がなかった。


 「……失礼したっ!」


 その件の騎士は、入ってきた時と同じように、突然、退室した。

 「あの人、女に慣れているように見えたけど、案外、純情さんだったのかしら?」


 「そんなわけないじゃない! あんなに手が早いのに!」

 「えっ? 手が早いって……もう、手を出されたの?」


 カァーっと、ミーナの顔がさらに赤面した。

 「そんな、て、手なんてまだ出されてないわよ! まだ、キスしかしてないっ!」


 「ふーん、そう……キス、しちゃったんだ」

 ニンマリしてしまうのは、許して欲しい。


 「!!」

 「ねぇ、ミーナ! うぷっ!」

 

 ミーナに布団を無理やり頭から被せられてしまった。

 「もう、お休みされる時間です、姫様!」


 どうやら、からかい過ぎたらしい。

 今度、じっくり話を聞き出すことにしよう!


 「ミーナ、わかったから。この話は、また今度ってことにしてあげる! でも、私の食事は、忘れないでね!」


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