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第12話 旧鉱山の研究室

エルムを追い、レオンたちは旧鉱山地区へ向かう。


魔力の痕跡は確かにこの場所へ続いていた。


しかしそこにあったのは、

ただの誘拐犯の隠れ家ではなかった。


それは――

研究施設だった。

旧鉱山地区は、昼間でも薄暗かった。


かつて鉱石を採掘していた場所だが、数十年前に閉鎖されている。

今では人も寄りつかない。


アルドが辺りを見回す。


「こんな場所に本当にいるのか?」


レオンは地面を見つめたまま答えた。


「魔力の痕跡は続いている」


薄く、かすかに。


だが確かに、魔力の流れが奥へ伸びている。


ミリアが小声で言う。


「レオンさん……あれ」


鉱山の入口近くで、レオンが足を止めた。


「……妙だ」


「何がですか?」


レオンは空気を感じ取るように目を閉じる。


「魔力が整いすぎている」


普通の場所では魔力は乱れている。

風や地形で流れが歪むからだ。


しかしここは違う。


まるで意図的に整えられている。


レオンが静かに言った。


「結界だ」


アルドが眉を上げる。


「つまり誰かいるってことか」


「間違いない」


三人は慎重に鉱山の中へ入った。


しばらく進むと、洞窟の奥に灯りが見えた。


ミリアが息を呑む。


「……あれ」


そこには机があった。


魔法装置。

魔力測定器。

術式が描かれた石板。


レオンは呟く。


「研究設備……」


アルドが驚く。


「誘拐犯の隠れ家じゃねえのか?」


レオンは机の上の資料を手に取る。


そこには魔力測定の記録が書かれていた。


そして一つの数値。


781


ミリアが小さく声を上げた。


「エルムの……」


レオンはゆっくり頷いた。


「俺たちの研究を知っている」


アルドが低く言う。


「つまり最初から狙ってたってことか」


レオンは机の横の魔法陣を見る。


そこに描かれている術式。


「……王国式魔法」


ミリアが言う。


「学院の?」


「似ている」


レオンはしゃがみ込み、魔法陣を観察する。


しかしすぐに眉をひそめた。


「いや……違う」


「え?」


レオンは魔法陣の一部を指差す。


そこには見たことのない文字が刻まれていた。


曲線と線が複雑に組み合わさった奇妙な符号。


ミリアが首を傾げる。


「魔法文字じゃないんですか?」


レオンは静かに首を振る。


「魔法文字の構造じゃない」


「そもそも文法が違う」


アルドが呟く。


「つまり?」


レオンはしばらく黙った。


そして低く言う。


「……わからない」


ミリアが目を丸くした。


「レオンさんでも?」


レオンはゆっくり立ち上がる。


「初めて見る」



その瞬間。



奥から物音がした。


三人は顔を見合わせる。


アルドが囁く。


「誰か戻ってきた」


レオンはすぐに周囲を見回した。


「隠れるぞ」


三人は岩陰に身を潜める。


足音が近づく。


そして声。


「サンプルはどうだ?」


「まだ目を覚ましていない」


ミリアが息を呑んだ。


レオンが小さく呟く。


「……エルムだ」


足音が遠ざかる。


レオンは岩陰からそっと顔を出す。


そして言った。


「見つけた」


「ここにいる」

第12話でした!


旧鉱山で見つかったのは、

ただの隠れ家ではなく研究施設でした。


そしてレオンでも読めない

謎の文字の術式。


この研究の背後には、

何者かの組織がいるようです。


次回は

潜入とエルムの救出作戦に進みます。


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