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第19話 第八日


 コロニーへたどり着き、迎えた第八日の朝である。


 あたしはドーマが知りたいと言ったコロニーの外、トーキョーではない外周側の扉を開いた。それは頭の中のドアと違って、あっけなく開いた。驚くほど簡単に。


 木漏れ日が落ちてきていた。


 外もトーキョーと同じだった。ヒトもドウブツもいない。そこに在るのはショクブツだけ。例の樹と同じものが遠くあちこちに点在していて、日の光からセカイを護っていた。

 ナマエもわからない、あるいはナマエもついていないクサが、ひびわれた黒い土の間から芽を出し、生い茂り、地表を覆っていた。

 さんさんと降り注ぐ木漏れ日の下、あたしはボールハウスの蓋を開けて、シュバルツを外へ出してやった。そこら中に生えている名もなきクサを千切って、鼻先に突き出してやる。


 シュバルツは神経質そうに鼻をひくつかせていたが、伸び上がるようにしてクサをひったくると、ぽりぽりと齧りだした。すなわち、シュバルツの餌はそこら中に生えている。


 あたしはウサギより早く絶滅する。そのことに間違いはない。すなわち、アーメン。


 目の前に広がる草原、すなわち、食べ放題の御馳走に気づいたのだろう。躊躇ためらいなくダイブしていった。奴はあたしよりも自由を選んだ。まことに、まことに、アーメン。





























……食べ飽きたシュバルツがあたしの足元へすり寄ってきたのは内緒のことだ。げに、げに、かくあれかし。血のように赤いダブルを飲みながら、一匹のウサギの祈りを聞くが良い。まことに、まことに、アーメン。


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