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My home sweet home (前)

閲覧ありがとうございます。

お暇ならぜひ読んでいってください。

空が白み始め、星の瞬きが朝焼けでかき消された頃にカレタカは戻ってきた。

寝ている二人を気遣って、静かに装備を外して降ろしていく。

武装を全て外すと、ふぅ、と一息付いてから大判の布を首にかけ、鉄鍋を持って外に出ていった。


一方、身に付けっぱなしだった鎧やブーツから解放され、身体も綺麗に拭いてから休んだアリシアとノラは、おかげで充足した睡眠が取る事ができた。

すっきりとした頭と身体が、静かな気配を感じとる。

薄く目を開けて、ぼんやりとその光景を見ていたアリシアは、カレタカが外に出ていくのを見送ると、ゆっくりと起き上がり猫のように一つ伸びをした。


「絶賛遭難中とは思えねえ程の最高の目覚めだぜ」


その声に反応してノラも起き出す。


「ふぁ……。とてもよく休めました。この毛皮癖になりそうです……」


二人は軽く身体をほぐしたあと、寝床から離れて簡単に身支度を始める。


「やっぱ良い目覚めのあとはうまい飯だよな。ノラ、交渉頼んだぞ」


「無遠慮過ぎます……。せめて、作らせて貰いましょう」


二人は暖かい食事を求めて、カレタカの後を追って天幕を離れた。


外に出るとカレタカは溜め水で身体を拭いてる最中だった。

二人には気付いているようで、手を止めずに話す。


「休めたか?」


「お陰さまで足以外は最高だ。ついでに言えば飯が食えればもっと良いと思ってな。不躾で悪いんだが食料を分けて貰えないか?」


「食わせるくらいの備蓄はある。気にするな」


予告通りの遠慮の無さに、慌ててノラが水飲み鳥の様にぺこぺこと謝る。


「あ、あの!せめて私達が作りますから!申し訳ありません!」


身体を拭き終えて上着を着直したカレタカは、手伝いの提案を素直に受けとる。


「丁度良かった。その水桶を持って着いてきてくれ」


そう言って、彼も一際大きい水桶を持って歩きだした。

二人も桶を持ち、その後を着いていった。


柵を越え墓地の最奥に着くと、そこには滾滾(こんこん)と涌き出る小さい泉があり、流れ出る小川から分けて作った溜池があった。


「これだけあれば足りるか?」


ノラは暫し池を確認する。

カレタカの天幕と同じくらい大きな、膝ほどの深さの溜池。

水はとても澄んでいて、手を浸けてみるととても冷い。

池の底は平たい石や素焼きの欠片が丁寧に敷いてある。


「十分ですね。塞き止める事も出来そうですし、問題ないです」


カレタカは、そうか。と、少しホッとした顔をすると、水を汲み始めた。



天幕に戻り、食事の支度をしながらカレタカは、二人に向けて呟いた。


「一族の問題に、巻き込んでしまったな……」


「それは違いますよ。あなたはいつもと変わらない日常を送ってました。そこに、私達が転がり込んでしまったんです。あなたは()()()()()()んですよ。私とアリシアに」


鍋を混ぜる手を止めて、困ったような笑顔で話すノラに、カレタカは感謝の意を込めて言った。


「すまない……。何か礼を考えないとならないな……」


たき火の薪を弄っていたアリシアが、それに返す。


「それこそ違うぜ、カレタカ。あたしらは命を救ってもらった。あんたらは魂を救ってもらう。これ以上ないって程、公平(フェア)な取引じゃねえか」


「そうですよ。それに、まだ何も成してません。そういうのは、事が全て片付いてから話をしましょう」


二人の言葉に、カレタカは納得させるように頷いた。


「そうか……。そう……だな…」


食事を終えた後、各々が装備の手入れや、アリシアの足の為の漢方を煎じたりと細々とした事をこなしていれば、程なく夕暮れが近づいてきた。


穢れ払いの準備を終えたノラが二人を呼ぶ。彼女の纏っている空気が変わったのが分かる。


「準備は出来ました。始めましょう」

長くなってしまったので、2部で構成しています。

日付が変わる頃には投稿できると思います。


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