ばいばいげぇむ~すごろく40歳~
「ホンマ、勘弁して欲しいで…」
この数日、何度この台詞を聞かされた事か…
「うるせぇぞ、お前のせいでこんな事になってるんだろ」
すごろくはイライラを隠そうともしない。
留置場からどうやって出たのかは分からなかった。
あのコンビニ強盗の翌日、留置場に拘留されたところまでは覚えているのだが、気付いたら何故かこのカプセルホテルに居た。
「完全にルール違反や。仲間にどんだけ文句言われるかビクビクもんやで」
脳内に声が響くようになったのはカプセルホテルに来てからの事だ。
この変な声の主は俺を億万長者にしてやると言いやがった。
「本当に1千600万も手に入るとはなぁ…」
「何度も言っとるやろ、それは単なる参加料や。本番はこっからやで?」
『ばいばいげぇむ』
得られたポイントに応じた商品を手に出来る。
しかし、その商品を転売して現金を手にする時間は無い。
借家には奴らが来ているだろう。
ノコノコ商品を取りに戻ったら…想像するだけで恐ろしい結果が待っている。
「特別ステージに参加する前に脱落されたら、こっちも困んねん」
既にどこにも逃げ場はない。
大人しくこの声の言いなりになっていた方が利口だと思えた。
「現金化出来れば借金なんて一括で返せるんだがなぁ…」
「こんなとこで降りたら借金返して終わりやで?特別ステージで勝ち残ればエエだけの話や」
既に獲得ポイントは1,600万…
あと3回勝つだけで1億という大金が手に入る。
「ショボいギャンブルでチョロチョロ勝つより…男ならドカンと勝てる時に勝たなあきまへん」
この変な声に踊らされてる気がするのだが…
チャンスなのも事実。
もし負けても再び大人しく自首すれば良いだけの話だ。
「お前から逃げる方が難しそうだしな。仕方ないから踊らされてやるよ」
俺はそう言うと特別ステージへの参加を決めた。




