Epilogue
夏の陽射しが、山あいの墓地を静かに照らしていた。
蝉の鳴き声が絶え間なく響く中、片山は静かに墓前へ立っていた。
墓石には――
「稲葉隆弘」
その名前が刻まれている。
片山はゆっくりと手を合わせ、目を閉じた。
風が木々を揺らし、線香の煙が静かに空へ溶けていく。
片山は墓石を見つめながら、小さく呟いた。
「稲葉さん、俺は……彼女を支えられているんでしょうか。」
その声には、迷いと願いが入り混じっていた。
片山は静かに空を見上げた。
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北村は、自室のベッドの前で膝を抱え込み、俯いていた。
閉め切られたカーテン。
薄暗い部屋。
彼女の脳裏に、何度もあの瞬間が蘇る。
――管制室。
緊張感に包まれた空気。
無数のモニター。
鳴り続ける無線。
その中で、一人の男が北村を鋭く睨みつけていた。
冷たい目。
感情を押し殺した声。
そして次の瞬間、管制室中に響くほどの強い口調で言い放った。
「この責任は重いぞ。覚悟しておけ!」
その言葉が、刃物のように胸に突き刺さる。
北村は何も言い返せなかった。
ただ唇を噛み締め、俯くことしかできなかった。
「私……どうすれば……。」
かすれた声が、静かな部屋に落ちた。
その時だった。
部屋の扉が静かに開いた。
北村がゆっくり顔を上げる。
そこに立っていたのは――片山だった。
「恵理。」
北村の瞳が揺れる。
片山は真っ直ぐ彼女を見つめた。
「恵理、お前は一人じゃない。」
その言葉に、北村の張り詰めていた感情がわずかに揺らぐ。
「仲間も、俺も、ちゃんとお前のそばにいる。」
北村は言葉を失ったまま、ただ片山を見つめ返していた。
部屋の外から、遠く飛行機の音が聞こえてくる。
東京の空を、1機の航空機が機影をたなびかせながら飛んで行った。
Naoki Katayama and Tokyo Control will return
片山直樹と東京コントロールは帰ってくる




