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ブラバン・B・アンビシャス ~吹奏楽で大志を抱け~   作者: 庭城優静
大会編:これこそが吹奏楽部?
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楽器講習会~後篇~

 鉛色のアッシュカラーの髪色、ややショートボブの髪型、眼がくっきりとしていて瞳は明るい茶色で俺や兄貴に似ている目付き。背も165㎝と高く、スタイルも良い美人。

 それが鷲峰茉凛。兄貴の彼女にして、俺達兄弟の昔からの幼なじみだ。


 茉凛ちゃんは俺から離れ、俺の仲間を一瞥して口を開く。


「ようこそ凱旋工業の皆さん、私は双蘭高校吹奏楽部の()()()()()()()の鷲峰と言います」


 

茉凛ちゃんは俺の隣に立ち、頭を軽く下げてそう言う。……って、部長!?知らなかった……!


『なにぃぃぃ!!』


あ、周りとリアクションが違う。そうか、まずは誤解を解かないと。


()()の彼女だよ」


 俺は自分ではないことを強調するように説明する。


「でも幼なじみで家もお向かいなんだよねー」


 茉凛ちゃんは「ねー」と笑顔で俺の方を見る。俺は嫌々「まあ、そうだね」と軽く返す。


「……漫画みたいだな」


 無口でクールなクラリネットの清田にツッコまれる。みんなもユニゾンで頷く。……くらやんまで。


***

 一通りいじられたその後は、部長の茉凛ちゃんが丁寧に場所の案内を始めてくれる。ほぼ身内のこういった真面目な一面を見るとなんかこそばゆいな……。


「――どうやらサックスは2クラスに分かれているみたいだね」


 教室の前に貼ってある張り紙にサックスA・Bと書かれている。

 

「そのようだな。えーと……うわー、俺と新美クラス別じゃないか。俺はA、新美はBだな」


「お。オレの血液型良く知っているね」


「ちげーよ!でもB型なのはなんとなくわかってたよ!!」


 新美は薄く笑い「まあ、頑張りましょうかね?」とカッコよく吐き捨て、手を振り教室に入って行く。

 やっぱり、新美は平気なんだな。俺は()()()()()()が手に取れるように分かるから、気持ちが滅入る。

 

「――よし、俺も頑張ろう」


 俺は深呼吸をして、教室に入る。――やっぱり、女子ばっかりだ……。し、視線が痛い。


 私立らしい綺麗な教室には講師の先生が座るであろう椅子が置かれていて、その周りを囲むように数人の女生徒が座って楽器の準備を始めていた。


 これが現実。凱旋にいると男子で吹奏楽をやっていてもなんの違和感もないが、ここにくるとやっぱりという感覚になる。

 凱旋じゃなかったら、吹奏楽に入るなんて考えなかったな。と、強く思ってしまう。

 椅子は俺を含めて10席ほどあり、今のところ男子は俺だけ。しかも、俺の名前が貼られている椅子の場所は両端に女子が鎮座している。


 ここで新美みたいに「そんなの気にしない」といった感じで黙って講習を受けるのは俺には出来ない。

 嫌がられるだろうが、積極的に話しかける様にしよう。空気を少しでも軽くすれば、練習にも身が入るというもの――!


「あ、今日はお願いします」


 俺は出来る限りの笑顔で話を振っていく。傍からみたらナンパにみえるな。と思いながらも話しかけるのだった。 



***

 講師の浅見先生が教室に入り、講習が始まる。……先生まで女性なので完全にアウェー――だと思ったが、始まる前にコミュニケーションをしたお蔭か、思ってたよりも楽に講習をすることが出来た。


 今日の予定は、お昼を挟んで3時くらいまで楽器別で練習。最後に全体で集まって一曲演奏をして終了。といった流れだ。


「さあ、始めましょうか!」


 講師の浅見先生が手をパンと力強く叩く。


『はい!!』


 ()()()()()()()()が教室に響く。

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