序章 終わりの始まり
「キャー!!!」「ブーーー!!」
甲高い叫び声と車のクラクションが頭に響く。
なんだ・・・何があったんだと考えるまでもなく体が俺に答えを突きつける。
指1本まつ毛1歩でさえ微動だにしない。というか身体中が鉛のように重く、痛い。いや、痛すぎる。
これはまるでトラックに真正面からアクセル全開で吹っ飛ばされたような、、、ていうかそうだった。
今日は俺の18歳の誕生日で学校からうきうきで帰路に就いていたのだ。
なぜかって?そんなのパーリーがあるからに決まっている!
我が家のパーリーは豪勢なのさ!
それなのに、、なぜ、、なぜ助けてしまったんだ?
大通りの交差点。そこは多くの車が行き交う場所。
だがそいつはいた。
横断歩道のど真ん中に。赤信号の。
なんてバカな野郎なんだ。
しかもそいつは真夏だって言うのに厚手のパーカーにフードまで被ってやがった。
そんなやつを助けちまった。
いや、助けなければいけないとなぜかそう思ったんだ。
100メートル程先からくる猛スピードのトラックをみても避けようともしないバカを俺はすんでのところで、押したのだ。
どうやら○八先生のドラマの「ぼくはしにましぇん」のようにトラックは急に止まれないらしい。
ありがとう。勉強になったよ。
いやでもあれは、、、止まらなかった、、?
トラックは1度も減速したようには見えなかった。
それどころか ○ック・トゥ・ザ・フューチャー並のスピードで衝突してきてなかったか?
ほんと時間とんだかと思ったよ?まじで?いやまあ実際とんだのはおれの体の方なんだけど、、
あのフード男のことも誰も見えていなかったような、、、?まあ、、もういいか。どうせおわりだ。
あーあ。最悪の誕生日だ。
人生これからだってのに、、
まだ彼女だってできてないし、、
これから大学でモテモテパラダイスが始まるっていうのに。悔しいなぁ、、。
体がしずむ。深く。深く。
薄れゆく意識の中であのフード男が最後に放った一言が頭によぎる。
"あとは頼んだぞ"と。




