鍛えましょう③【勇】
目を覚ますと洞窟の奥でした。
「え、何ここ暗い。よる?」
しかし寝起きのテレンシオはまだ頭が働いていないのか盛大に勘違いをした。
「洞窟だ。起きたのなら自分で歩け」
ググルグはテレンシオを地面に転がす。
簀巻きはあらかじめ取っておいていたというのにテレンシオは転がったまま動かない。
「なぜ起き上がらない」
「なんか洞窟ってじめじめしてて嫌な感じだと思っていたのに寝心地いいんだね。二度寝して良い?」
テレンシオの顔のすぐ横にググルグの足がドンッ!と置かれる。
「駄目だ」
「じょーだんだったのに」
ここ、魔物が湧き出てくる洞窟の一つ。通称ノエ洞窟は小型の魔物や虫型の魔物が自然発生している。どうも洞窟の奥が魔力の溜まり場になっているようで、この中に迷い混んで長い小動物やここで生まれた虫は魔物に変異しているという。このノーコン野郎にはうってつけの修練場だろう。何せそんなに敵は強くないから当たりさえすれば倒せる。
そんな作戦をググルグが練っているとは全く思いもしないテレンシオは後ろで仲間達とお喋りしていた。遠足にしているわけではないということをコイツはちゃんと理解しているのかも不安になってくる。
「!」
そんなことをしている間に早速魔物を発見。
ネズミが魔物化したモノのようだ。
尻尾まで毛に覆われたケオネズミだ。
「テレンシオ、出番だ」
「なんの?」
「あれを退治しろ」
「いーよー」
そう言ってテレンシオは石を拾い出す。
「ばかたれ、剣でだ!」
「え、剣使って良いの?」
「剣に慣れさせ、当たるようにするための修行だ!これからは剣を使え!ちゃんと使えるようになったらお前に新しいのを贈ってやる!」
「隊長ふとーっぱらー!」
テレンシオは喜んでいる。
その後ろで仲間達がヒソヒソと、フォーさんが物を買ってやるってよ、やばくね?俺達でさえもそんなにプレゼントされたことないのになと話している。
「おい、勘違いするなよ野郎共」
「?」←ゴイダ
「?」←ヒール
「?」←ミケランジェロ
「?」←ニロ
「これは、飴と鞭だ」
「!」←ゴイダ
「?」←ヒール
「!」←ミケランジェロ
「!」←ニロ
ヒール以外が理解したようなので、ググルグは剣をもって和気揚々と魔物に向かっていったテレンシオに視線を向けた。
「ていっ!」
ゴッ!
剣がネズミの横の地面にめり込む。
ネズミはびくりと体を震わせテレンシオの様子を見ていた。
「あれ?」
もう一度とテレンシオは剣を降り下ろす。
「せやっ!」
全然違うところに剣が突き刺さる。
そしてネズミは洞窟の岩の隙間に逃げていった。
「…………」
「あー、逃げていっちゃった」
全然残念そうじゃないテレンシオの様子を見てググルグの額に筋が立つ。
こいつは一体何を見て降り下ろしているんだ!?
何故か当たらない剣




