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【2万PV突破!】アンフェール〜探偵にネジは存在しない〜  作者: ディスマン
善国寺坂の斬奸状

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カメラを止めるな

かっこいいタイトルから2026年が始まったぜ!!!

俺もそろそろラノベか漫画を出したくなってきました。

だれか描かねえかな~。

「あけましておめでとう死ねえええええええええええ!!!」


 2026年の新春から物騒すぎる叫声が響き、空間を震わせた。教祖以外の命に価値はないと叫びながら、重要参考人以外の抹殺を堂々と遂行しようと凶器を振るってくる。羽柴だけでなく、別方向からも攻撃してくる二人の少女も同じで、表情の一切が読み取れないのに、羽柴と同じ空気を少なからず放っていた。

「ぎゃあああああ!?」

「死んでもお前らは神になんでなれねえよ! この国で神になりたきゃ、日本のために命を賭して散って靖国に祀られねえとなぁ!!!」

 邪神が異教徒の肌に裂傷を生み出していく。なます切りに近い感覚で、致命傷にならない深さで皮膚と肉を切っていった。それは殺すというより弱らせて嬲る動きで、失血死し惨たらしく死ぬ様を見たい羽柴の気まぐれ故だ。ケラケラと笑いながら返り血を啜る羽柴は、今この瞬間なら歴史上最も恐ろしい殺人鬼に違いない。巴の方は丁度終わったようで、一人は心臓部から血が噴き出しており、もう一人は喉を切り裂かれ食道を引き摺り出されていた。

「フッ・・・!」

 流歌をチラリと見ると敵の腹に水平にナイフを突き刺し、横一文字に切り裂いた。腹から腸を溢しながらドチャリと血の海に沈む。流歌の雰囲気は、もう羽柴達と相違ないレベルになっていた。殺人を楽しむ人間ではないが、目的のためなら殺人も厭わない人間に進化した。

 羽柴はナイフを敵の目に突き刺し、自由になった両手で拍手を送った。

「いいよぉ! 俺の後継への大きな一歩だ!」

 賞賛を送り、刺さっていたナイフを回収する。これで残るは教祖と護衛一人だけである。

「教祖様だけは何としt」

「うる星」

 最後の護衛の言葉を待つことなく頸動脈を斬った。生温かい血が面白いくらいに噴射している。羽柴は必要なくなったナイフを捨てて、興味なさげに、というよりあっけらかんとした顔で見下ろしていた。

「重要人物でもないお前に使う文字数なんかねえよ」

「新年初メタおめでとうございます」

「お前もな?」

 障害も無くなったので、教祖を確保する。手を伸ばし顔のヴェールを取ろうとした瞬間、手がピタリと止まった。あまり時間を稼げなかったとはいえ、隠れながら逃げることはできたはずだ。他のドアはともかく、この部屋の入口は壊されてしまって出入りは自由になっている。

 なのに、目の前の教祖は逃げることなくその場に呆然と立ち尽くしている。不審に思った羽柴は、そっと顔を覆っていた布を捲った。


「おぉ・・・・・・マジか」


 教祖の正体は、中学生に届かないレベルの男の子だった。目は虚ろで、口は塞がれている。とても教祖とは思えない扱いだ。

『多分薬物ですね。軽い意識混濁がみられます』

「・・・この子、本当に教祖なんですかね?」

「誰がどう見ても違うだろうな。影武者みたいなもんだろ」

「じゃあ本当の教祖はどこに・・・?」

 仮に替え玉を用意するとして、他の教団員が偽教祖をこれでも丁重に扱って守っていた。つまり、この子供はただの子供ではない。こういった、子供を表に立たせ裏で糸を引くやり方を日本史の授業で習った記憶がある。流歌は平安時代の政治を思い出した。

「摂関政治ですね」

「あの幼い天皇の補佐をしながら実権を握る政治?」

「読者に分かるように言うと高市さんが名目上トップだと思ったら実は裏で麻生さんが糸を引いてるパターンだね」

「炎上する例えやめなさい」

 推理通りならば、この子供は黒幕と何かしら濃い関係の者だ。替え玉を誰か大人でなく子供にやらせる理由は、子供が無力だからである。発言力も武力も著しく劣る子供は、操り人形としては最適だろう。

「・・・・・・何こいつ」

『そこですよね。この子は一体誰の子なんでしょう?』

「喋らせようにもこの状態ですしね」

「イヴの確立演算では首謀者の息子と出てます」

「それだ!」

 羽柴が手を叩いて大げさに驚いてみせた。それと同時に、羽柴の中に次の一手が浮かんだ。誰の子供かは知らないが、犯人を誘い出す王手を打つ。そのために、彼らの面とこの男の子を借りることにしよう。死体が散在する廊下を歩きながら、施設の外へと戻っていく。向かうは、最も犯人に宣告できるメディアの大本だ。


「うぷぷぷぷ・・・」

「その笑い方は版権的にどうなんです?」

「作者が震え上がるから言ってやんなって」





ー日本テレビ局ー

 浅見率いる番組スタッフは、田代の死を追悼しながらも、プロ意識で番組の制作だけは止めないでいた。いっそのこと、緊急として田代の事件でも報道し追悼番組でも作ってしまうかなどと考えていた矢先、想定しようもない事態がテレビ局を襲った。

 裏方のモニターにザッピングが走る。

「ん? 故障か?」

 編集者が訝しげにそう呟くと、急に画面が変わった。そこはどこか使われていないスタジオみたいで、セットがそのままにされていた。

「なんだなんだ!?」

「どうした?」

 浅見が部屋に入ると、全モニターが薄暗いどこかのスタジオを映している。人はまだ誰も映っていない。

「浅見さん! どうやら電波ジャックされているようです!」

「はぁ!?」

 そこに、いくつもの電話が殺到する。スタッフたちが対応したところ、どうやら全国でこの映像が流されているようで、日本全国がパニックになっていた。

 彼らを含め、日本国民はこの事態にかなり困惑を露わにしていた。というのも、放送波の電波ジャック事件は歴史上2件しか存在しない。実際に革命的共産主義者同盟革マル派と中核派の暴力的対立が激化していた1970年代に、革マル派の主張に準ずる内容の電波ジャックが行われた。

 1978年1月17日、東京都内において、NHK総合テレビで「NHKニュース」を放送中の12時から12時15分のうち約10分間、映像はNHKのまま「権力犯罪を告発する国際連帯人民委員会」を名乗る演説音声が放送される事件が発生した。演説内容は、革命歌「インターナショナル」とともに、女性の声で水本事件(革マル派の学生が警察によって殺害されたと革マル派が主張する事件)の真相究明を訴えるものだった。新宿区・渋谷区・杉並区・中野区・練馬区など、東京都道318号環状七号線の半径5kmの範囲で発生したため、車で移動しながら放送したのではないかとみられている。また電波ジャックと同時に西新宿の飲食店にやってきて「テレビをつけろ」と要求する不審者グループが現れた。革マル派側は同日夜に「電波ジャックは『国際人民連帯委員会』が実施したもので、革マル派は同委員会とは無関係である」という旨の声明を発表した。この事件で、NHKには苦情が約100件寄せられた。

 もう一つは、1987年4月5日に東京都杉並区付近において、NHK総合テレビで大河ドラマ『独眼竜政宗』を放送中の20時20分から4分30秒間、電波ジャックが発生した。「緊急放送を始めます」というアナウンスから始まり、女性の声で「中核派は人殺し集団であり、東京都議会議員補欠選挙に立候補している長谷川英憲には投票するな」「杉並から追放しよう」と演説、同時に画面には炎上する自動車や候補のポスターが映しだされる内容で、このときはNHKに約80件の苦情があったという。

 それはあくまで東京の一部での事件だったが、今回は規模が違う。日本全国のテレビ放送電波をジャックされたのだ。これには公安や警察が動くことになるだろうと誰もが予想していたが、治安組織は誰もこの事件の鎮圧に動かなかった。ここでは記述を控えるが、根回しが事前にあったと述べておく。この時、支倉たち警察は出動しているが、決して電波ジャック事件を治めるためではない。先日あったテレビタレント殺害事件の()()()()()()()()()である。

「・・・・・・また面倒で派手なことしやがって」

 支倉はパトカーの中で、溜め息の中に面倒と呆れと、そして少しながらの敬意が込められていた。


「どうなっている・・・!?」

 浅見も少なからず混乱していた。誰が何の目的でこんな犯罪をしているのか、()()()()()()()()()()()そんなことを考えていた。

 すると、画面に急に動きがあった。カメラが180度向きを変え、いつかのニュース番組のセットが映された。撮影スタジオに心当たりがあった面々は、すぐに局の13番スタジオであると分かった。だが、大半の人間はそこに行こうとはしない。怖いのである。電波ジャック犯がいるスタジオにただのテレビスタッフが行きたがるわけもない。

「ッ!」

 だが、浅見だけはすぐにそのスタジオへと向かった。番組セットを背景に、薄暗くも彼の目には此処に居るはずのない息子が、椅子に縛られた状態で拘束されていたのだから。

 息を切らしながらスタジオに走る。何組かのスタッフはテレビ魂に火が点いて、カメラとマイクを持って遅れながら撮影に向かっていった。


 スタジオの扉を開け放ち、息子の許に向かう。息子は照明に照らされていて、あと数メートルというところで、暗闇から現れた何者かに蹴り飛ばされた。

「アチョー!」

「ングゥッ・・・!?」

 無様に蹴られて息子から離された浅見は、謎の人物を見る。顔に狐や般若などの面を着けた男女が三人現れた。蹴り飛ばしたのが男で、残りは若い女性に見える。

「お前ら、どうして俺の息子を!」

「・・・・・・おい、今の聞いたよな?」

「えぇ、聞きました」

『イヴさん、カメラ回ってますよね?』

「えぇ! 画質音質電波ぜんぶ良好でございます!」

 三人と何処からか見えない女性の声がし、数秒俯いたと思えばまた顔を上げた。その瞬間をちょうど追いついたカメラマンたちが撮影し始めていて、ジャックした電波に混じって映像は全て生放送で送り届けられていた。

 その人物たちを、情報にアンテナを張っている皆は知っていた。肉眼で見たことはなくても、大田区の伝説の殺人事件解決中継は記憶にまだ新しかった。

 見るもの全てに不安や恐怖を与える、悪にとっての恐怖の象徴であるマスクが、彼らの正体を語っていた。


「ドーモ、フランスカトリックで非公式に神様認定された名探偵アンフェールです。浅見、逮捕されて社会的に死ぬか息子もろともフルチンの死体になるか選びやがれください」

セブンのホットストレートティー最高やん

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