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白銀の転生竜は勇者と距離を置きたい  作者: まなま


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閑話

とあるブティックの女主人談。


わたくしは王都でセリンというブティックを営んでおります女主人のエルヴィラですわ。セリンは大きいお店ではございませんけれど、王都で一位二位を争う人気店ですのよ?

王都では店を開けるのも、ましてや続けていくのも至難の業。

でもわたくしは、才能のあるデザイナーを発掘したり、いい生地があると聞けばどこへでも駆けつけたり、ドレスだけではなくいろいろなジャンルの洋服を作ってみたり…。様々な努力をして今の地位を築いたんですの!


そんな人気店だからこそ、有名な方たちも連日のようにご来店なさいますの。

侯爵のご令嬢から高級娼婦、この前は王妃殿下もお忍びでいらっしゃいましたわ!

でもきのうのお客様方は…いろいろな意味で特段に刺激的でしたわ!


きのうのお客様は当店には珍しく、旅装束のご一行がご来店なさいましたの。

でも旅装束とはいえ皆様高貴なご身分なのは明らか。だって身につけているものが全て高級品でしたもの。それでやんわりお聞きしてみましたら、勇者御一行だとおっしゃるじゃないですか!もう、吃驚です。

まず皆様、ともかく美形でいらっしゃいました!特に勇者様。今回の勇者様は稀に見る美男子と伺っておりましたが、あれ程とは…。

黒い艶のある髪と深い青の瞳は落ち着いた雰囲気と色っぽさを醸し出しており、既婚のわたくしでもうっかりときめいてしまった程…。

あら、これは失礼いたしましたわ。主人には秘密にしてくださいませね?


ともかく、見目麗しい勇者ご一行様がいらっしゃったのですが…最後にキョロキョロと物珍しそうに当店に入っていらした女性を見て、わたくし目が点になってしまいましたの!だって…そこには神話からそのまま抜け出てきた、妖精様がいらっしゃったんですから!

銀糸のような髪は真っ直ぐで、光が当たるとキラキラと輝き、瞳の水色は見つめていたら引き込まれて帰ってこられなくなりそうなくらい澄んでいて、まるで穏やかな湖面のよう。瞳にたまに少し違うお色も見えましたが、何色でしたかしら…。あ。そしてそして、肌は陶器のように白く、きめ細やか。まるでよくできた人形のようだけれど、頬に差すほんのりとした赤みが彼女が本当に生きているのだと教えてくれて…。まるで芸術作品のようでしたわ!

聞けば彼女は聖なる導者で、これから登城するのでそれに見合った洋服が買いたいと言うではないですか!やっほーぃ!

…………失礼。取り乱しましたわ。

ともかく、それはそれは腕が鳴りましたわ!!


でも他の方々が高品質とはいえ旅装束なのに彼女だけドレスだなんて浮いてしまいますわ。ふんわりしたシフォン生地のドレスや、華奢な体に見合わない魅惑的な双丘を引き立たせるドレスも着せてみたかったですけれども!ものすごく不本意でしたけれども!!

でも、似合うかどうかはもちろんのこと、お客様が着る場面を考えるのもわたくしたちの務め。泣く泣くドレスは諦めましたわ…。

ですがドレスではなくともこの美貌を引き立たせることはできるはず!わたくし、すぐに脳内のクローゼットを漁りに漁りましたの。わたくしのお店は売れる、売れないは置いておいて、あらゆるジャンルの洋服をご用意していることも強みのひとつ。その中で思い浮かべたのが白いローブとワンピースのセットですわ!匠の技がキラリと光る、刺繍の美しいものですの!

それを着た妖精様は…とても美しかったですわぁ!あまりにも豪華に刺繍をしてしまったがために着た者が着られた感で残念になるというある意味やりすぎて難ありな一着を、見事に着こなしておられましたわ!

妖精を通り越して、むしろ女神!!


そして…くぅぅっ!ここからが見ものでしたわ!

試着室から出てきた妖精様改め女神様を見た時の勇者様の蕩けるようなお顔!もう、愛情が滲み出ておりましたわ!いや、溢れ出ておりましたわ!

でもそんなお顔をしてらしたのは他にもいらっしゃって、ご一緒におられた執事様(なぜ彼は旅装束ではなかったのでしょう?)なんかもそうですわね!他にもいらっしゃいましたが…やはり私のイチオシは勇者様ですわ!なんせ別格の美形で態度も紳士!たまりませんわぁ!

試着室から出てきた女神様も、勇者様と目が合ってはにかむ感じがもう…もうもう!あぁ…素敵ですわ!


でもそんなふたりを見る神官の女性のお顔が鬼のように怖くて…これはもしや、三角関係!?

あぁん!続きが気になりますわぁ!どなたか最後まで見届けて、舞台か本にしてくださらないかしら!?


………こほん。

失礼。ついつい熱くなってしまいましたわ。

とにかくきのうは刺激的なお客様方を迎えられて、とても満たされましたわ!女神様を見ていたら創作意欲が掻き立てられましたの!さっそくデザイナーと新しいデザインを作り出してしまいましたわ。


あら?お客様…え?王弟殿下!?

新しいドレスですか?まぁ…!その方もしかして、銀髪の女神様ですわね!?

えぇえぇ、もちろんサイズは控えておりますわ!すぐにでもドレスを仕上げましょう!!


腕がなりますわ〜!!



情熱的なエルヴィラ様。

「この滾るハートで女神様のドレスを仕上げますわ〜!」

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