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「地球人を代表して、ミュータント人の皆様にお詫び申し上げます」
エトワル星にいる全ミュータント達の頭の中に雨降霧人の声が流れる。
メビウスを倒し、城の地下に避難していたミュータント達を解放した後。
異次元ゲートを通ってエトワル星に訪れた霧人は、討伐隊員達と共に城の最上階にある王の間に集まると黒斗の能力を使って、ミュータント達に語りかけた。
霧人の意向で、メビウスや王妃、デファンスの遺体は丁重に扱われ、エトワル星にある王家代々が眠る墓に埋葬されることになった。
「この出来事はこの星の王メビウスだけが悪いわけではありません。遥か昔、我々の祖先が起こした愚かな行動に原因があります。しかし私達はそれに囚われず未来に向かって生きていかなければなりません。その為にも我々はこれから力を合わせて平和的に歩んで行きましょう。私は地球に戻った後、この出来事を世界中に発信して二度とこの悲劇を繰り返してはならないと伝えていきます。どうかミュータントの皆さんもこの出来事を教訓にして今一度平和について考えてください」
霧人はここまで話すと一旦息をついた。
自分の伝えていることを、ミュータント達が受け入れてくれるかどうか不安になった。
しかしそれでも霧人は自分の思いをミュータント達に伝えた。
「このエトワル星も今回の戦いで大きな犠牲が出ました。ですがすぐに復興させなければなりません。今、皆さんに私の言葉を届けているクレールが先頭に立ってこの星を立て直しく覚悟です。どうか皆さん、クレールに力を貸してください。お願いします」
霧人はそう言うと、黒斗の顔を見つめて軽く頷いた。
黒斗は霧人へと感謝の気持ちで、霧人に頭を下げながら涙を流した。
その時、城の外から大きな歓声が響いてきた。
「な、なんだ、この声は!?」
「光、窓を開けてみて!」
歓声に驚いた光と鈴が王の間の窓を開けると、そこにはたくさんのミュータント達が集まっていた。
彼らは先程まで城の地下に避難していた民衆である。
「私達は争うのが嫌いだ!」
「ずっとこの星で平和に暮らしたい!」
「クレール様、我々に平和を!」
集まったミュータント達は平和に暮らしていくことを口々と叫んでいた。
その声を聞いた黒斗は涙を拭うと、顔を上げ窓の側に近づいた。
そして窓を開け、すぅっと息を吸うと民衆に向かって大きな声を上げた。
「皆……俺は今までの王の直系ではありません。今回の出来事もこれで正しかったのか分かりません……俺が間違った道を示した時は教えてください。皆でこの星の平和と繁栄を第一に考えていきましょう!」
「クレール様、万歳!」
「頑張ってください!クレール様!」
黒斗の言葉を黙って聞いていた民衆から大きな拍手と喝采が沸き起こった。
民衆の暖かい歓声に黒斗は胸が熱くなり目に涙が浮かんだが、これからエトワル星を統治する者の責任感から、グッと唇を噛み締めてそれを堪えた。
黒斗と民衆のやり取りを側で見ていた光は、無意識のうちに黒斗に向かって拍手をしていた。
他の討伐隊員達も涙を流したり、拍手をしている者もいた。
こうしてエトワル星にいるミュータント達は新しい王・クレールの元、平和な星としての一歩を踏み出すのだった。
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