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「鈴! しっかりしろ!? 死ぬな!」
「新堂! 朝倉は覚醒して意識を失っているだけだ! 医療隊員、ただちに朝倉の回復をしろ!」
黒斗の言葉で医療隊員が亮夜の腕に抱かれていた鈴の体に右手をかざして回復能力を使った。
そして黒斗は鈴の側で胸から血を流しているランセスの側に行き、床に跪いた。
「クレール……我々を……裏切……って満足か?」
黒斗の姿を見たランセスは悔しそうな声を上げる。
そのランセスの姿を見た黒斗はゆっくりと首を左右に振った。
「王妃、俺は貴方達の考えが間違っていると思ったから人間に力を貸したんです。裏切った訳ではありません」
「黙れ……私達は……間違ってなど……いない……人間は……己……の……欲で……いつか……滅びる……だろう」
ランセスはそう言い捨てると、口から血を吐いて息を引き取った。
黒斗はランセスの体の下に両手を入れると、「お姫様だっこ」のような形でランセスの体を持ち上げた。
そして王妃の間の一番奥にある、ランセスの寝室に向かうと、ランセスを広いベッドの上に横たえた。
ランセスの手を組み、その目を閉じると「安らかにお眠りください」と告げ、寝室から出て行った。
「鈴……頼む、目を覚ましてくれ!」
亮夜はランセスの返り血を浴びた鈴の顔を自分の手で拭いながら声を掛ける。
すると、医療隊員からの回復能力を受けていた鈴の瞼がピクリと動いたあと、ゆっくりと目を開けた。
「鈴大丈夫か? 骨折はしていないか? 吐き気はないか? 立ち上がれるか?」
亮夜は目を開いた鈴を腕に抱き上げたまま、矢継ぎ早に質問をする。
普段冷静な亮夜が慌てている姿を見た鈴は笑い出した。
「フフッ、大丈夫だよ」
「そ、そうか? 本当に良かった……」
鈴の笑顔を見た亮夜はホッと安心したようなため息をついた。
鈴の回復を行っていた女性医療隊員は嬉しそうに見つめ合う亮夜と鈴を目の前にして、ついつい顔を赤くしてしまった。
「ゴホンッ、仲良くしているところで悪いのだが、朝倉の体力が全回復したら急いで光のところに行くぞ」
ランセスの寝室から戻った黒斗は、状況を察すると軽く咳払いをしてから亮夜と鈴に声を掛けた。
黒斗の言葉に冷静さを取り戻した亮夜は直ぐに顔を引き締めた。
「光は無事なんですか?」
「光はこの城の最上階にある『王の間』にいる。今、この星の王メビウスと戦っている」
亮夜の質問に、黒斗は厳しい顔で答えた。
黒斗はメビウスから出る凄まじい殺気をテレパシーで感じていたからだ。
「亮夜、急いで光を助けに行かなくちゃ!」
鈴の言葉に頷いた亮夜と黒斗達は城の最上階にある、『王の間』へ向かおうと廊下を出た。
その時、ドーンッという大きな音と、地震のような震動が城の最上階から響いたのだった。
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