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亮夜の動きを察知したクリュエルは黒斗に向けていた右の手の平を亮夜の方に向けた。
「お前にあの地球人が救えるか? フフ」
「俺の命に替えても救ってみせる!」
クリュエルの挑発的な言葉に、黒斗は強い口調で答えるが、次の瞬間クリュエルは「ファイア」と呟いた。
そして黒斗は右手を銃のグリップから離すと、亮夜に向けて「シールド!」と叫んだ。
気を失って倒れている鈴の側にいた光は、黒斗とクリュエルのやり取りを黙って見ていた。
その時、亮夜の体が僅かに動くのが視界に入った光は、その亮夜の動きから、亮夜がクリュエルに狙いを定めたのが分かった。
しかし、クリュエルの右手が亮夜に向かっているのを見た時に、光は咄嗟にクリュエルに自分の右手を向け、「サンダー」と早口で唱えた。
そして、亮夜、クリュエル、黒斗、光は、ほぼ同時にそれぞれの右手から能力を放った。
この時クリュエルは光の存在を忘れるというミスを犯していた。
亮夜から放たれたサンダーは、威力が弱く簡単に避けることが出来るものだった。
従って、クリュエルはシールドを出さずに、次は手薄の黒斗を狙う予定だった。
何故なら一度に複数の能力を放つことができないので、シールドを使うと、身を守ることは出来るが、攻撃することが出来なくなってしまうからだ。
今の黒斗は亮夜を攻撃から守るシールドという能力を放出しているため、クリュエルを攻撃することが出来ない。
つまり、クリュエルは相打ちすることなく黒斗を殺せると思ったのだ。
「この勝負、私の勝ちだ!」
クリュエルは満面の笑みを浮かべると、黒斗に自身の右手を向けた。
しかし、クリュエルに気付いた黒斗の顔には笑みが浮かんでいた。
黒斗の笑顔を見たクリュエルは一瞬首を傾げた。
その時、クリュエルの体に鋭い痛みが走り、体から力が抜けていった。
「何だ!……俺の体に!」
クリュエルが自分の体に異変を感じ、視線を落とすと、クリュエルの腹に直径5cmくらいの小さな穴が貫通していた。
それを確認した瞬間、その穴から大量の血が噴出した。
ゆっくりと倒れながら視線を動かすと、自分に向けてサンダーを放った人物がいるのが見えた。
光の放ったサンダーは亮夜のとは違い、クリュエルの体に帯電せず、レーザー光線のように突き抜けていったのだ。
「この……クソガキ……」
クリュエルの目に映ったのは、自分に右手を向けている光。
光が放ったサンダーが、クリュエルの体を貫いていた。
クリュエルは苦々しい声を上げるが、攻撃する力を失い地面に転がった。
「光、よくやった……」
光の攻撃がクリュエルに当たった瞬間、亮夜はかろうじて動く右手を動かし親指を立てた。
しかし光は、自分の攻撃が当たったことが信じられず、言葉も発せず、呆然と立っているだけだった。
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