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RED RAID-侵略大戦-  作者: 赤木梓焔
第5章 惑星エトワル
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-2-

「父上、クリュエルが直々に裏切り者を始末したいと申しているのですが」

「プランス……クリュエルが地球に向かうというのか?」


 そう言ったメビウスの前にクリュエルと呼ばれた人物が大広間に姿を現す。

 銀髪のマッシュルームカットに、中国の伝統衣装チャンパオ(長袍)のような黒い服に身を包んだクリュエルは、メビウスとプリンスの近くに来ると、片膝を床につけて深く頭を下げた。


「あの二人は我が家の恥さらし。温情を掛けるつもりは毛頭ございません。どうかご命令を」

「お前も裏切らないという保証はあるのか?」


 メビウスは椅子に腰掛けたまま、両目だけをギョロッと動かし、クリュエルを睨みつける。

 クリュエルは『裏切り者・クレールとブラン』の兄。

 地球に送り込んだウォーム達は裏切り者のせいで全て塵にされたからだ。


「もし私が裏切った際は、私の両親を処刑してください」


 クリュエルは下げていた頭を上げ、メビウスに自分の意思を伝えると、再び深く頭を下げた。


 自分の弟達が地球人の味方についたことで、クリュエルと両親は肩身の狭い思いをしていた。

 弟達の首で屈辱を晴らすことができればいいと、クリュエルは考えていた。


 クリュエルの訴えに、メビウスは固い表情のまま、低い声でクリュエルに話しかけた。


「いいだろう。ではお前にウォームを預ける。信頼しているぞ、必ず奴らの首を取って来い」

「かしこまりました、では行って参ります」


 膝と頭を上げたクリュエルは立ち上がると、メビウスに深く頭を下げ、大広間から立ち去る。

 するとメビウスは横にいたプランスに視線を移すと、考えたような顔をしてプランスに声を掛けた。


「プランス……ゲート開き、クリュエルとムーシュを地球へ送れ」

「御意に。デファンス、ムーシュを異次元ゲート前に連れてこい」

「かしこまりました」


 メビウスの提案を了承したプランスは、デファンスに命令を出すと、素早く大広間から出て行く。


 デファンスはメビウスに頭を下げると、床に落ちていた金の入れ物を拾い、テーブルの隅に置いてから、ゆっくりと大広間から出て行った。


 大広間から次々と人が出て行き、メビウスだけが椅子に座っていた。

 一人きりになったメビウスは大広間の一角に飾られてある絵画に目を向けた。

 その絵に目を向けたメビウスの顔に、一瞬だけ哀しみが宿るが、すぐに怒りの表情に戻った。


「地球は我々のものだ!」


 メビウスは光に銃撃され、塵になっていくウォームの映像を思い浮かべながら、自身の下唇を血が滲み出るほど噛締めていた。


ご閲覧ありがとうございましたm(__)m

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