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「初めまして。朝倉鈴19才、亮夜とは幼馴染で恋人なの。輪鳥光くんよろしくね」
「よ、よろしくお願いします」
鈴は亮夜の左腕にくっついたまま、笑顔で光に自己紹介をする。
この時の鈴の服装は半袖のTシャツに、他の隊員と違って長いズボンではなく、迷彩柄のショートパンツという軽装。
服から伸びている手足はスラリと長く体全体が細く……胸が、巨乳だ。
光から見ると、最高級の夕張メロンが2つTシャツの中に隠れているんじゃないかと思うくらい。
その大きな胸が先ほどから亮夜の左肘の辺りでゆらゆらと揺れている。
『いいなあ、神堂さん。こんなはちきれんばかりの胸がある恋人がいて』
光の目線は鈴の胸に集中していた。
「お前、なんか変なこと想像していないか?」
「い、いえ、神堂さん、僕、何にも考えていません」
光の目線に気づいた亮夜が低い声で話しかけると、我に帰った光は左右に手を振り、慌てた声を上げた。
「光くん、私達のことは『亮夜』『鈴』って呼んでいいのよ」
「あ、じゃあ『亮夜さん』『巨……鈴さん』って呼ばせていただきます」
鈴は光に笑顔を向けて優しい声を掛ける。
この言葉に光は少し安心した声を上げて、亮夜と鈴に軽く頭を下げた。
「そろそろ部屋に戻る時間だ。鈴、いい加減腕を離せ」
「冷たいな亮夜は。じゃあメールするからちゃんと読んでね」
「鈴さん、お休みなさい」
「光くん、明日から訓練頑張ってね。亮夜、お休み~」
亮夜が鈴に声を掛けると、少し口を尖らせながらもゆっくりと掴んでいた腕を離す。
その後、移動しながら水色のエレベータの扉の前で鈴と挨拶を交わした亮夜と光は、エレベータに乗る。
他に乗る人も居らず、亮夜と光の2人きりになった。
すると光は顔をニヤニヤさせて亮夜に質問をした。
「亮夜さん、いつから付き合っているんですか?」
「高校に入ってからだ」
「やっぱり胸が決めてですか?」
「そんな訳無いだろ……着いた。降りるぞ」
「わわ、待ってください」
光の質問に亮夜はそっけなく答えながらエレベータを降りて、自分達の部屋に戻る。
部屋に戻った後、光は各階にあるランドリーコーナーと、キッチンコーナーに案内され、使い方の説明などを亮夜から教わった。
「そういえば、鈴さんが派遣先に行っていたって何のことですか?」
「女性隊員の実演訓練に行っていたんだ」
先ほどの鈴との会話を思い出しながら亮夜に質問をすると、素っ気無い返事が返ってきた。
「大変ですね。結構しごかれるんですか?」
「いや、鈴がしごくほうだ」
「えっ、鈴さんってそんなに強いんですか?」
まだ経験していない訓練を想像しながら眉をしかめて亮夜に質問を重ねると、意外な答えが返ってきて、光は驚いた声を上げた。
「ああ見えても女性隊員の中ではトップクラスだ」
「それは、胸の大きさがですか?」
「お前、俺にぶん殴られたいか?」
「冗談です。ごめんなさい」
真顔で馬鹿な質問を繰り返す光に呆れたのか、亮夜は少しドスの聞いた低い声を出す。
亮夜の怒りオーラを感じた光は顔を青くして謝罪した。
「全く。お前は鈴の胸より大事なことがあるだろ? 明日から訓練、辛くても頑張れよ」
「そうでした。頑張ります」
「分かったら、もう部屋に入って寝るぞ。明日からは朝6時に起きて訓練だからな」
部屋に戻ってから後も、亮夜から軽い説教を受けた光は、パジャマに着替え、自分のベッドの中に潜り込んだ。
こうして光の討伐隊訓練生活が始まったのだった。
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