⭕ 奇蹟の大盤振る舞い
──*──*──*── 翌日
──*──*──*── タレトテ教会
[ 宿泊室 ]で起床して、身支度を整えた後、[ 食堂 ]で朝食を済ませた。
朝食を終えたセロとオレは、虹色に輝く妖精の翅を装着したキノコンと一緒に裏口から《 教会 》を出て、観光へ向かった。
──*──*──*── 観光中
観光を楽しみながら、セロは古代魔法を使い、困っている町民達を対象にして、奇蹟の大盤振る舞いをする。
キノコンの可愛さと魔法のステッキから出る虹色の光が町民達の視線を奪う。
キラキラ光る粉は酸素と一緒に町民達の口から体内へ入って行く。
頭を “ ぽやん ” とさせた町民達が〈 大陸神の御遣い 〉を演じているキノコンに誘導されてセロの周囲に集まって来る。
神秘的な装いをしている吟遊詩人のセロの前に集まった町民達は、困り事を遠慮無くセロに伝えて来る。
セロは笑顔を絶やさず、古代魔法を使い、町民達の困り事を次々に解決して行く。
セロが “ 奇蹟を使える ” のは、傍に居る〈 大陸神の御遣い 〉から受けた “ 祝福のお蔭 ” って事を宣伝する事も忘れない。
〈 大陸神の御遣い 〉から直々に “ 祝福を受けている ” 事で奇蹟を起こせるセロの存在が、“ 賢者の石 ” に頼らないと奇跡を起こせない大司教よりも凄いんだって事が人伝い,口コミで広がって行く。
元素魔法を使えなくて、古代魔法を知らない人間には、“ 奇蹟 ” って嘘を吐いても全然バレないんだよな。
オレ達がしている事も完全に詐欺だ。
“ 賢者の石 ” に頼らないと起こせない似非奇跡と、〈 大陸神の御遣い 〉から祝福を受けて起こす奇蹟──、どっちが凄いかなんてオツムの足りない馬鹿じゃない限り解るだろう。
そんな訳で、セロは一切の出し惜しみなく奇蹟を起こしまくった。
セロの周囲に奇蹟を求めるシラフの町民達もワラワラと集まって来る。
これは作戦大成功かも知れないな。
〈 大陸神の御遣い 〉になりきって演じているキノコンは子供達に囲まれて揉みくちゃにされている。
相変わらずキノコンの人気は凄いもんだ。
セロの人間離れした神秘的な容姿と美声で、女性達もメロメロのクラクラだ。
瞳が♥️に変わっているし、恐いくらい沢山の♥️が飛び交っている。
昼食を済ませた後もセロは町民達を相手に奇蹟を大盤振る舞いした。
転移魔法が使えるから、≪ 町 ≫の隅から隅まで立ち寄って、セロは奇蹟を見せて町民達を騙しまくった。
日が暮れ始めたから、奇蹟の大盤振る舞いを中断して、《 教会 》へ戻る事になった。
──*──*──*── タレトテ教会
──*──*──*── 宿泊室
[ 食堂 ]で夕食を済ませたセロとオレは、キノコンが待機している[ 宿泊室 ]へ戻った。
マオ
「 セロ、こんなに古代魔法を使っちゃって大丈夫なのか?
怪我は良いとして、病気まで治しちゃってさ。
本来、病気は完治させたら駄目なんだろ 」
セロフィート
「 問題ないです。
その分寿命を縮めました♪ 」
マオ
「 へ?
寿命を縮めました??
何で寿命を縮めるなんて事したんだ? 」
セロフィート
「 病を完治させる対価として寿命を縮めただけです。
1ヵ月後には亡くなる様に寿命を調整しました♪ 」
マオ
「 寿命って調整とか出来るもんなの? 」
セロフィート
「 古代魔法を使えば出来ます。
教えてませんでした? 」
マオ
「 初耳だよ! 」
セロフィート
「 1ヵ月後ならマオとワタシは別の≪ 町 ≫に居ます。
町民達が亡くなっても別の≪ 町 ≫で観光を楽しんでいるマオとワタシは無関係です。
疑われる事もないです 」
マオ
「 ………………因みにさ死因は何になるんだ?
病が完治したのに病気で死ぬって怪しまれないか?
奇蹟は嘘だったのか──ってさ 」
セロフィート
「 元から奇蹟なんて使ってませんし。
死因は事故死にしましょう。
事故は誰でも遭う可能性が有ります」
マオ
「 事故死かぁ……。
1ヵ月後には事故死が多発する現象が起こるって事か 」
セロフィート
「 怪物に≪ 町 ≫を襲わせても良いですね 」
マオ
「 それは幾ら何でも駄目だろ! 」
キノコン:本体
「 セロフィート様、自然災害を起こすのは如何ですかエリ 」
セロフィート
「 自然災害も良いですね。
砂嵐でも発生させましょうか 」
マオ
「 対象だけ砂嵐で拐って死亡させる──とか? 」
キノコン:本体
「 マオ様、冴えてますエリ! 」
マオ
「 そ…そうかな? 」
セロフィート
「 砂嵐を発生させ、怪物に≪ 町 ≫を襲わせましょう。
砂嵐の吹き荒れる中、≪ 町 ≫で怪物が暴れれば仮に死人が出でも自然災害と不幸な事故として処理されます 」
マオ
「 怪物に襲われる = 事故か。
対象意外の死人は出さないでくれよな 」
セロフィート
「 はいはい。
寿命が尽きる町民だけにします 」
マオ
「 絶対だからな! 」
セロフィート
「 はいはい 」
セロは笑顔で返事をしてくれるけど、全く以て信用が出来ない!!
対象だけで済みそうにないかも知れない。
マオ
「 今日の事、大司教の耳に入ってるかな? 」
セロフィート
「 さて、どうでしょう。
明日はキノコンに〈 大陸神の御遣い 〉として、町民達の前で演説をしてもらいます 」
マオ
「 演説? 」
セロフィート
「 はい♪
大司教が聖職者となってから、今迄行って来た悪行の数々を公表します 」
マオ
「 酷い事するぅ~~ 」
セロフィート
「 マオ、本当に酷いのは、身も心も人生すらも〈 大陸神 〉へ捧げ、〈 大陸神 〉に遣える聖職者となったにも関わらず、〈 大陸神 〉の信頼を裏切り続け、悪行に溺れている大司教の方です。
町民達は大司教に騙されています。
町民達の目を覚まさせてあげるのは善意の親切です。
〈 大陸神 〉の信頼を裏切り続ける大司教を信じて疑わない町民達が不憫だと思いません? 」
マオ
「 真顔なのにウキウキが隠しきれてないんだけどぉ! 」
キノコン:本体
「 マオ様、此方をお読みくださいませエリ 」
マオ
「 これは? 」
キノコン:本体
「 キノコンが洗い浚い調査して判明した大司教が隠れて長年行った悪事の数々を纏めた資料ですエリ 」
マオ
「 マジかよ……。
ってか、こんなに有るのかよ? 」
キノコン:本体
「 立派な犯罪者ですエリ★
因みに≪ 王都 ≫に在る《 イシュラバタ大神殿 》の教皇へ、資料と共に聖職者剥奪の申請案を届けて有りますエリ 」
マオ
「 行動が早いな 」
キノコン:本体
「 申請を受理しないと “ 教皇の悪事を暴露する ” と付け加えときましたエリ。
仮に教皇が資料を処分し、揉み消しに掛かった場合、大々的に教皇の悪事を暴露させ、〈 大陸神の御遣い 〉の名の元に公開処刑する手筈も整えて有りますエリ。
教皇が犯罪奴隷へ落ちれば、目の上のタンコブが無くなり、国王も安心して眠れる様になりますエリ 」
マオ
「 へぇ……。
国王と教皇って仲が悪いんだ? 」
キノコン:本体
「 教皇が権力と財力を持ち過ぎると調子に乗って暴走するのは何処も同じですエリ 」
マオ
「 教皇はさ、大司教の聖職者剥奪申請案を承認してくれるのかな? 」
キノコン:本体
「 保身に走る事を祈るしかないですエリ。
馬を水場へ連れて行く事は出来ても、水を飲むのは馬次第ですエリ。
無理矢理に水を飲ませる事は出来ませんエリ 」
マオ
「 そっか……。
偉い立場の教皇を馬に例えるなんて、キノコンらしいな 」
セロフィート
「 明日が楽しみですね、マオ 」
マオ
「 楽しんでるのはセロとキノコンだけだろぉ~~ 」
明日は≪ 町 ≫に滞在する最後の日だ。
滞在期間は3日の予定だから、3泊4日になるんだよな。
明日も《 教会 》で夕食を用意してもらって、最後の宿泊もさせてもらうってのに、大司教の犯した罪の数々をバラして大恥を掻かせるんだよな。
………………《 教会 》に対して、恩を仇で返そうとしてるんだよなぁ……。
4日目も朝食を用意してもらう訳だし……。
オレ達の存在って、教会側からしたら完全に敵じゃんかな?
…………………………でも、資料を読んでみると、このまま大司教を野放しにしとくのは “ 良くない ” って思うんだよなぁ……。
まぁ、良いか。
実際に動くのはセロとキノコンだもんな。
楽しみにしてる2人に任せるとしよう。
どうせオレには止めれないしな!
◎ 訂正しました。
開処刑する手筈 ─→ 公開処刑する手筈




