✒ 観光してみる
──*──*──*── 観光中
《 商業ギルド 》で繰り広げられたキノコンとギルド員との白熱した交渉対決はキノコンの勝利で幕を閉じた。
ギルド員も粘り強かったけど、キノコンの方が上手だった。
キノコンが頑張ってくれた甲斐あって、怪物の素材は相場よりも高値で買い取ってもらえる事になったんだ。
要は根負けしたギルド員が少しだけ “ 色を付けてくれた ” って事だ。
今回、オレが倒した銀砂漠に出現する怪物の解体や下処理等の作業は全て、キノコン達が慎重且つ丁寧し気合を入れてしてくれた。
通常の状態よりも状態が良くて、質も良いって事で、高値を付けてもらえたんだ。
ギルド員から渡された銭袋には金貨がドッサリと入っていて重たい。
キノコンのお手柄だ!
そんな訳で、今はセロとキノコンと一緒に≪ 町 ≫の観光を楽しんでいる。
通り過ぎる通行人は誰も彼もがキノコンに釘付けだ。
可愛いくて愛らしい容姿の怪物が人間と歩いていたら、ついつい見ちゃうのは仕方無いよな。
確かめた訳じゃないけど、キノコンの事をセロかオレがテイムしたテムモンだと思われているのかも知れない。
マオ
「 ふぅ──。
喉が渇いちゃったな…… 」
キノコン:本体
「 マオ様、あの《 屋台 》で飲み物が買えますエリ 」
マオ
「 本当か?
屋根も付いてるな。
セロぉ~~、一休みしてかないか? 」
セロフィート
「 マオ、疑問系で聞かないでください。
マオが寄りたければ立ち寄れば良いです。
ワタシに遠慮しないでください 」
マオ
「 セロぉ~~(////)
じゃあ、彼処の《 屋台 》で一休みするぞ! 」
セロフィート
「 はいはい。
日蔭で一休みするとしましょう 」
──*──*──*── 屋根付き屋台
マオ
「 ふぅ~~~~。
涼しい風が来るぅ~~♥️
魔法が使えないのに何でだ? 」
セロフィート
「 扇風機に似た家電製品が有りますね 」
マオ
「 扇風機って──。
≪ 日本国 ≫じゃないんだぞ。
近代的な扇風機が有る訳ないだろ~~ 」
キノコン:本体
「 マオ様、有りますエリ。
然も、小型化してますエリ 」
マオ
「 何言って──うぇぇぇぇえっ!?
本当だ!
扇風機──みたいなのが風を生み出してるぅ~~ 」
キノコン:本体
「 木製ラジオに似た家電製品も有りますエリ 」
マオ
「 うへぇ~~~~。
驚いたぁ!
魔法が使えないから科学技術が進歩してるって事かな? 」
セロフィート
「 未々発展途上ですね 」
店主
「 いらっしゃい。
何にするんだい 」
マオ
「 冷たい水って有る? 」
店主
「 酒じゃねぇのか?
此処は《 酒場 》だぜ 」
マオ
「 えっ?
そうなの??
オレ、酒は飲めないんだよな…… 」
セロフィート
「 店主さん、その赤いラベルのお酒をワタシに一杯ください。
マオには冷水を──。
残りは皆さんで飲んでください 」
店主
「 何だって!?
アンタ、気前が良過ぎないかい?
赤いラベルは高い酒なんだが…… 」
セロフィート
「 構いません。
冷水をお願い出来ますか 」
店主
「 あぁ……好きなだけ飲んでくれて構わないぜ 」
セロフィート
「 有り難う御座います。
良かったですね、マオ 」
マオ
「 セロ……。
オレの為に有り難な(////)」
セロフィート
「 マオにお酒を飲ませる訳にはいきません 」
店主
「 ──ほらよ。
酒と冷水だ。
ツマミはサービスだ 」
マオ
「 有り難う、店主さん!
ふぅ~~(////)
冷水、最高ぉ~~♥️
それにしても≪ 町 ≫って暑いよな。
他の≪ 町 ≫も暑いのかな? 」
店主
「 ≪ 町 ≫は15時 ~ 17時の2時間が1番陽射しが強くて暑いんだ。
こんがりと日焼けしたいなら、お薦めの時間帯だな。
≪ 町 ≫に依って暑い時間は違うんだぜ。
長さも違うな。
30分だけ暑い≪ 町 ≫も在れば、半日以上も暑い≪ 町 ≫も在るんだ 」
マオ
「 そうなんだ?
夏でもないのに、この暑さは異常だよね…… 」
客:A
「 未だ一面が大地だった頃には、四季ってのが在ったらしいぜ。
ジィさんの親がガキだった頃、銀砂漠に変わっちまって、四季が無くなっちまったんだとよ。
今じゃあ、年中が真夏なんだと── 」
客:B
「 俺等はガキの頃から、この暑さの中で育って来たからよ、慣れちまってるけどな 」
客:C
「 だが──、ジィさん共は俺等より丈夫だぜ!
何せ、ジョギング大会でトロフィー抱えて豪快に笑ってるぐらいだからな 」
客:A
「 違いねぇ。
若い世代は暑い中、ジョギング大会に参加しねぇからな。
ジィさん等は俺等とは鍛え方が違うんだよな~~ 」
マオ
「 暑いのに慣れてるんだね 」
店主と気さくなお客達と他愛のない会話が弾む。
客:B
「 さてと──、そろそろ帰らねぇと母ちゃんに怒られちまうな! 」
店主
「 お前は何年経っても奥さんに頭が上がらねぇよな 」
客:C
「 はははっ!
愛妻家って言ってやれよ 」
男性客(B)が立ち上がる。
酔いが回っているのか、男性客(B)の腕が木製ラジオに当たる。
木製ラジオはカウンターから落ちると、地面に激突して壊れてしまった。
店主
「 おい!
何してくれてんだ!
それ高かったんだぞ 」
男性客(B)
「 やっちまったぁ~~~~!
いや、マジで悪ぃ…… 」
客:A
「 何してんだよ。
こりゃヘソクリが飛ぶなぁ! 」
客:C
「 修理に出しても直らねぇよなぁ…… 」
男性客(B)
「 酒の肴にしてんじゃねぇよ! 」
マオ
「 セロ、何とか出来ないのか? 」
セロフィート
「 形ある物は何時かは壊れますけど? 」
マオ
「 セロぉ~~ 」
セロフィート
「 はいはい 」
セロは壊れた木製ラジオの上に右手を翳す。
すると壊れた筈の木製ラジオが光ると徐々に元の状態へ戻って行く。
古代魔法の力だ。
セロフィート
「 直りましたよ、店主さん 」
店主
「 お…おぅ……。
アンタ、すげぇな…… 」
客:C
「 アンタも “ 神の御業 ” を使えるのかい?! 」
セロフィート
「 はい? 」
マオ
「 “ 神の御業 ” って何?? 」
魔法を知らない人からしたら、不思議な現象だから “ 神の御業 ” ってのと思われちゃったのかな?
店主
「 “ 神の御業 ” ってのは、《 タレトテ教会 》の大司教様が使われる “ 奇跡 ” の事さ 」
マオ
「 《 タレトテ教会 》の大司教様が “ 奇跡 ” を使える??
{ ≪ テレペンダット大陸 ≫の陸民は魔法が使えないんだよな?
魔法を使えない,魔法の存在を知らない陸民が “ 奇跡 ” を使えるなんて──どゆことだよ? }」
セロフィート
「 “ 奇跡 ” とやらを見てませんし、何とも言えません 」
店主
「 アンタが使ったのは “ 神の御業 ” とは違うのかい? 」
セロフィート
「 ワタシは《 教会 》《 神殿 》とは無関係の吟遊大詩人です 」
店主
「 吟遊詩人だって?? 」
客:A
「 吟遊詩人って言やぁ、お伽噺話の中の人物だぜ 」
客:C
「 吟遊詩人なんてして儲かるのかよ? 」
セロフィート
「 お蔭様で♪
マオとキノコンが怪物を倒してくれますから、路銀には困りません 」
マオ
「 ははは…… 」
セロフィート
「 マオ、喉は潤いました? 」
マオ
「 お蔭様でな 」
セロフィート
「 そろそろ行きましょうか 」
マオ
「 うん。
店主さん、御馳走様! 」
店主
「 おう。
また飲みに来いや。
冷水で良いなら幾らでも飲ませてやるからよ 」
マオ
「 うん、有り難う 」
椅子から腰を浮かせて立ち上がったオレは、セロ,キノコンと《 屋台 》を後にした。




