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⭕ 銀砂漠の町


──*──*──*── タレトテの町


キノコン:本体

「 到着しましたエリ。

  ≪ 町(タレトテ) ≫ですエリ 」


マオ

「 此(こ)処(こ)が銀砂漠の中に在る≪ 町(ちょう) ≫なんだな──。

  石(いし)造(づく)りの建物なんだな 」


セロフィート

「 先(ま)ずは《 教会 》へ向かいます 」


マオ

「 《 教会 》へ行くのか?

  何(なん)でだ? 」


セロフィート

「 信仰の依(え)処(しょ)とされている〈 大陸神(テレペンダット) 〉への挨拶をします 」


マオ

「 〈 大陸神(しん)テレペンダット 〉を崇(あが)め奉(たてまつ)って大事にしてるんだな 」


セロフィート

「 マオは御得意様(カモ様)になれますね 」


マオ

「 どういう意味だよぉ! 」


セロフィート

「 〈 大陸神(テレペンダット) 〉への挨拶は、あくまでも建前です。

  《 教会 》の本来の目的は、余所者から財産を搾(さく)取(しゅ)する事です。

  “ 寄附 ” と称して奉(ほう)納(のう)させる形で財産を《 教会 》へ貢(みつ)がせます 」


マオ

「 えぇ…… 」


キノコン:本体

「 滞在中(ちゅう)は必(かなら)ず1回は《 教会 》を訪れ、寄附する事が義務付けられますエリ 」


マオ

「 そうなのか!? 」


キノコン:本体

「 はいですエリ。

  《 教会 》に所属する神官には、治安維持部兵,秩序維持部兵が存在しますエリ。

  治安維持部兵の神官は≪ 町(タレトテ) ≫の治安を守り、秩序維持部兵の神官は≪ 町(タレトテ) ≫の秩序を守りますエリ。

  町民が≪ 町(タレトテ) ≫の安心,安全な生活を送れる様(よう)に動いてくれている彼(かれ)等(ら)が所属している《 教会 》に対して、感謝の気持ちを表す為に《 教会 》では寄附制度が設けられてますエリ。

  寄附を促(うなが)す行為は別に悪い事では無いですエリ。

  問題は寄附で集まった寄附金の使い道ですエリ。

  寄附金の使い道の詳細は、寄附した側に一(いっ)切(さい)知らせられないですエリ。

  これは宜しくないですエリ 」


マオ

「 上層部が隠れて寄附金を着服したり横領してる可能性が有るって事か? 」


キノコン:本体

「 はいですエリ。

  ガッツリと〈 大陸神(テレペンダット) 〉の信頼を裏(うら)切(ぎ)ってますエリ。

  神(しん)職者,聖職者の上層部が腐敗してるのは何(ど)処(こ)の≪ 大陸 ≫も同じですエリ。

  下層部や信者は知らぬが佛(ほとけ)状態ですエリ 」


マオ

「 ………………それを聞いちゃったら寄附するの嫌(いや)になるよな 」


セロフィート

「 寄附金には《 教会 》の維持費も含まれます。

  腐っても〈 大陸神(テレペンダット) 〉を崇(あが)め奉(たてまつ)る《 教会 》です。

  《 教会 》の維持に協力する為に寄附する事は何(なに)も悪い事ではないですよ。

  《 教会 》を維持させる為に自分達に出来る方法で協力させて頂く真(ま)心(ごころ)と姿勢に〈 大陸神(テレペンダット) 〉は喜ばれます。

  大(おお)いに協力をすれば良(よ)いです。

  常(つね)に問題を起こすのは、善意と厚意の寄附金を受け取った《 教会 》側です。

  寄附金は〈 大陸神(テレペンダット) 〉へ奉(ほう)納(のう)された〈 大陸神(テレペンダット) 〉への捧げ物です。

  謂(い)わば、〈 大陸神(テレペンダット) 〉の財産となります。

  〈 大陸神(テレペンダット) 〉の財産である寄附金を使えるのは、教会関係者──神(しん)職者,聖職者です。

  その中でも上層部の立場の者です。

  〈 大陸神(テレペンダット) 〉の財産を使わせて頂くには、相応の責任が生(しょう)じます 」


マオ

「 そ…そうだよな。

  着服や横領は許されないよな!

  でもさ、そんなの〈 大陸神(テレペンダット) 〉と寄附金を悪用した本人達にしか分からない事じゃないか? 」


セロフィート

「 そうですね。

  神(しん)職者,聖職者の事は “ 大陸の意志 ” に任せれば良(よ)いです 」


キノコン:本体

「 《 教会 》が見えて来(き)ましたエリ 」


マオ

「 きょ…………立派過ぎないか?

  《 教会 》って言うよりさ《 神殿 》並みなんじゃ…… 」


キノコン:本体

「 ≪ 町(ちょう) ≫の《 教会 》としては立派ですエリ。

  それだけ寄附金でガッポリしている証拠ですエリ 」


セロフィート

「 〈 大陸神(テレペンダット) 〉への挨拶を済ませましょう 」


マオ

「 お…おぅ…… 」


──*──*──*── 教会タレトテ


 《 教会 》に入(は)いる前(まえ)に、オレはキノ(本)コン(体)の笠(かさ)の上(うえ)から降りる。


 自動洗濯機程(ほど)の大きさだったキノ(本)コン(体)が、オレの腰程(ほど)の大きさに小さくなった。


 愛(あい)らしいキノ(本)コン(体)だけど、《 教会 》に祈りに来(き)ている町民達に受け入(い)れてもらえるんだろうか──。


 《 教会 》の中に入(はい)ると神父が女性に群がられている。


 神父は困った顔で女性達の対応をしている。


マオ

「 若い神父さんも大変だな…… 」


セロフィート

「 モテモテですね 」


キノコン:本体

「 マオ様、あの神父を助けましょうエリ。

  神父に恩を売るチャンスですエリ★ 」


マオ

「 神父に恩を売るって…… 」


セロフィート

「 神父さんは彼しか居(い)ない様(よう)ですし、此方(こちら)の対応をしてもらいましょう 」


マオ

「 分かったよ 。

  ── すみませぇ~~ん!

  神父さん、助けてくださ~~い! 」


 オレは右手を挙(あ)げると元気に左(さ)右(ゆう)に振ってみる。


 オレの声(こえ)に気(き)付(づ)いた神父さんが嬉しそうな顔をした気がした。


 群がる女性達を掻(か)き分けて、両肩で大きな息をしながら、神父さんは笑顔で出迎えてくれる。


 両目から涙が滲(にじ)んでるのが分かる。


 よっぽど声(こえ)を掛けてもらえたのが嬉しかったんだろう。


マオ

「 えぇと……取り込み中(ちゅう)だったの呼んじゃって御免なさい…… 」


 取り敢えず──いや、念の為に “ 申し訳ない事をしました ” って伝える為に謝っておく。


キノコン:本体

「 御免なさいエリ~ 」


 キノ(本)コン(体)は持ち前(まえ)の可愛さを全面に出(だ)して上(うわ)目(め)遣(づか)いで謝ってくれる。


 神父さんは「 とんでもないです! 助けて頂いたのは僕の方(ほう)です! 有(あ)り難(がと)う御座います 」と御礼を言われた。


セロフィート

「 ワタシ達は旅人です。

  先(さき)程(ほど)≪ 町(タレトテ) ≫に到着したばかりです。

  《 教会 》に奉(まつ)られている〈 大陸神(テレペンダット) 〉へ挨拶に来(き)ました 」


神父

「 そうでしたか。

  ようこそ≪ 町(タレトテ) ≫へ来(き)てくださいました。

  道(どう)中(ちゅう)大変でしたでしょう 」


マオ

「 1ヵ月(30日)も銀砂漠を歩くとは思わなかったよ…… 」


セロフィート

「 ふふふ…。

  マオはキノ(本)コン(体)の上(うえ)に座(すわ)っていただけでしょう 」


マオ

「 怪物(モンスター)を倒したのは、オレだろが! 」


神父

「 銀砂漠に出現する怪物(モンスター)を倒しながら来(こ)られたのですか!?

  怪物(モンスター)と遭遇しない安全なルートが在る筈ですが……。

  使われなかったのですか? 」


マオ

「 え?

  そんなルートが在ったの?? 」


神父

「 はい。

  安全に他(ほか)の≪ 町(ちょう) ≫への往(おう)来(らい)が出来る様(よう)にと怪物(モンスター)除(よ)けの結界石を使った道(みち)が在ります 」


マオ

「 そんなの初耳だけど…… 」


 オレはチラリとセロに目線を向けた。


 セロはオレの視線に気(き)付(づ)くと慈母神(しん)の様(よう)な笑顔で微笑んでくれる。


セロフィート

「 路銀が必要でしたから、敢(あ)えて安全ではないルートを選びました♪

  神父さん、怪物(モンスター)の素材を売りたいので、後(あと)で《 商業ギルド 》の場所を教えてください 」


マオ

「 セロ、知ってたのかよ!

  酷(ひど)くないかな! 」


セロフィート

「 適度な運動が出来たでしょうに 」


マオ

「 怪物(モンスター)退治は “ 適度な運動 ” に入(はい)らないんだよ! 」


キノコン:本体

「 マオ様、落ち着いてくださいエリ。

  今は〈 大陸神(テレペンダット) 〉へ挨拶をするのが先(さき)ですエリ 」


マオ

「 ………………分かったよ 」


 神父さんはオレ達のやり取りをに・こ・や・か・な笑顔で見ている。


神父

「 宜しければ[ 礼拝堂 ]へ御案内致します 」


セロフィート

「 お願いします 」

 

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