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最終話 世界最強の美仁香ちゃん

時は流れ、俺は高校生となり、夏休みへと突入。

中学時代でも修行を怠っていないので、心配ご無用。


本日は、世界格闘技大会の日なので、爺さんと一緒に主催者が用意してくれたバスに乗り、あの東京ドームの数倍の広さをもっている会場へと着いた。

ちなみに、爺さんはこの大会には出場しないらしい。審判としてこの大会を仕切るそうだ。

では、何故俺は世界格闘技大会に出場するのか?それは、強いヤツと戦いたい為。それだけだ。


受付も済ませて、控え室へと移動。

俺と戦った黒人のボクサーやロシア人、そしてテンションが高いブラジル人も居た。


「オウ!美仁香さんっ!お久しぶりです」

「ジェーヴァチカ(お嬢ちゃん)!」

「ヘイっ!アミーガ(女友達)!」


俺の周りにぞろぞろと集まる選手達。三年ぶりの強敵との再会だったので、俺は無邪気な笑顔を浮かべてしまい


「やっほぉ~♪皆っ♪にひひっ♪」

背の高い外国人達に挨拶。


「ほっほっほ。ほれ、予選がそろそろ始まるらしいから行こうか」


ーーーーーーーーーーーー

「『さぁ!始まりました!第二回世界格闘技大会ぃぃ!これより、バトルロイヤルの開始するぞぉぉぉ!』」


司会者である金髪のオールバックでサングラスをかけたオッサンがマイクを持ち、実況している。


「『その前にっ!前回優勝者の西園寺美仁香さんがお越しいただいたので、何か一言お願いします!』」


司会者の発言により、女性スタッフがマイクを俺のもとへ送り届ける。


「『皆さんこんにちはぁ~。西園寺美仁香です』」


俺はのほほんとした声で挨拶。すると、観客達は『おおおおおっ』という歓声をあげて盛り上がる。俺はテレビ出演やコマーシャルに出たことによって大人気になったので、俺のファンもこの大会に来ているようだ。


「『また強い人と戦える日が来るなんて、嬉しいよっ!皆もそうだよねっ』」


俺は選手達に語る。すると選手達もにっこりと笑い頷く。


「『にひひっ♪さぁ!戦おう!皆ぁ!』」


俺の気合いの一言で選手達は。


『おう!』


それぞれのリングへと立ち、八個のリングで二十五人ずつ別れ、戦っていくのである。


俺の相手は、俺が戦った黒人のボクサーとロシア人、それにカポエイラの使い手であるブラジル人もいて、その他多数の選手もいた。


「悪いけど、本気でいくねっ」

「ワタシがジェーヴァチカ(お嬢ちゃん)と戦うんだ!」

「ノウ!アミーガ(女友達)とはワタシと戦うね!」


黒人のボクサーやロシア人、そしてブラジル人は俺と戦いたいと俺の目の前に立ちファイティングポーズをとる。

やれやれ、人気者はつらいね。


「よっしゃっ♪かかってこいっ!」

俺は無邪気な笑みを浮かべて三人と戦いを申し込む。


「よしっ!まだ小さいから一対一の対決だっ!」

「うんっ!それがいいさっ」

「オウ!ワタシも賛成で~す」


三人のルール改善は俺が立っているリング内のみ適用された。他の出場選手は空気を呼んで適当な相手を倒していたので安心。


安心していた時に、三人は俺と戦う順番を決めたらしい。ボクサー、ロシア人、ブラジル人の順番らしい。


「にひひひっ♪よしっ!いくぞっ!」


『おう!』


俺はファイティングポーズをとり、拳をふるう。強いヤツを求めてーーーな。



ーーーーーーーーーーーー


世界格闘技大会終了。

予選は何とか勝った。優勝者はというと・・・


激戦に次ぐ激戦が、繰り広げて、まさかまさかの・・・


「『な、な、な、な、な、なんとぉぉぉー!第二回世界格闘技大会優勝者はっ!さ、西園寺美仁香ぁぁぁぁ!!二連覇達成ー!!!つ、強すぎるぞぉぉぉぉ!西園寺美仁香ぁぁぁぁ!!』」


俺だ。


「ほっほっほ。がんばったねっ!美仁香ちゃんっ」


審判である爺さんが褒めてくれる。が、これまでの戦いでボロボロになったのだ。左腕は軽い骨折、足は軽い捻挫。あらゆる所に打撲。口元には血。どうやら口を切ったらしい。

服装も切れていて、下着は見えていないが、恥ずかしい格好になっている。所謂、見えそうで見えないのだ。下着がな。

そして、三つ編みは解けてしまい、肩甲骨を覆う程の長くて綺麗な黒髪をなびかせてしまう。


「ぜぇっ、ぜぇっ、はぁぁっ」


俺は疲れと痛みで大の字にリングに寝て・・・


「すぅ・・・すぅ・・・」


普通に眠ってしまったのだ。


「『あぁっと?!西園寺美仁香、リングに沈んだぁぁ!おそらく、優勝者したという安心感により眠ってしまったのでしょう!』」


ボロボロな状態の女の子は静かにリングにて寝息を立てている。そんな女の子のお爺さんである西園寺豪三はその女の子をオンブして、女性スタッフからマイクを貰い、何か一言伝えるようだ。


「『ほっほっほ。またこの子が勝ったねぇ~。間違いなく、世界最強だ!そうでしょ!皆さん!』」


西園寺豪三は観客達に孫娘である西園寺美仁香に本当の世界最強の座を認めさせるかを聞く。もちろん、観客達の答えは


『ワァァァ!!!!!!!』


大賛成の意を表すように拍手喝采。その拍手は会場を大きく揺るがすような音。全世界中の人々達は西園寺美仁香の強さを認めた。


「『第二回世界格闘技大会終了ぉぉぉ!西園寺美仁香さんには優勝賞品の七百万円以上の価値がある黄金のトロフィーと賞金六百万円を贈呈しますので、その表彰式の日程はテレビ等にて伝えます!それではっ!』」


これにて、第二回世界格闘技大会は幕を閉じたのであったー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺の人生は大きく変わった。二回連続世界格闘技大会に優勝したので、街中を歩いていたらあらゆる人に指差され


「あっ!世界最強だっ!」

「さ、サインとかもらえるのかな?」


あらゆる人から俺をヒーロー扱いし、今や日本中に西園寺美仁香という名を知らない人なんて居ないという人気になってしまったらしい。


テレビ出演やコマーシャル出演もどんどんオファーが来て、学校でも許可。いや、むしろいってくれと言われたので、断れないし、出演した。


更に更に、街を歩いていると空手家らしき若い青年やらオッサンが俺に一勝負してくれと頼んでくるのもしばしば。それは戦う場所も無いし、審判も爺さんのような強い人ではないと大ケガしてしまう恐れもあるので、断ってしまう。


そんな俺は高校二年生となり、一文字ことみや一ノ瀬歩美や宮川綾、それに九重有と同じクラスとなり、そんな俺達は二年二組の教室へと移動する。


「勝負っ!こちょこちょこちょーっ!」

いきなり勝負を挑んでくるヤツもいるが、こればかりはどうにもできない。


「ちょっ!こ、ことみっ!にひひひっ♪」

一文字ことみからいつもちょっかいを・・・まぁ、友達のスキンシップは受けておかないと、友達が減ってしまうので、仕方なく一文字ことみのくすぐりを受けてしまう。


あ、ちなみに、俺の身長はまだ145センチ程しかない為、子供扱いはまだまだ続くらしい。


「もう怒ったぞっ!コノヤロウ!」

俺は一文字ことみの横腹をくすぐってみたのだが・・・


「効かないっ!そして、お仕置きだっ!」

全く効き目がない。そんな無敵な一文字ことみは俺に抱きついて俺の耳に息を吹きかけた。


「にゃあああ?!」

背筋がゾクゾクとしてしまう俺。俺と一文字ことみのやりとりを見ていた一ノ瀬歩美や宮川綾も俺をいじるのに参戦。ひょっとして、これはイジメなのか?いや、ただのスキンシップに過ぎない。


「三つ編みも解いてしまえーっ!」

「おーっ!」


俺の三つ編みを解く一ノ瀬歩美と宮川綾。いや、何故三つ編みを解こうとするんだ?意味が分からん!


「おいおい。あんまりソイツをイジメんなよ。なぁ?美仁香」


九重有は俺を助けてくれる。あ、そうそう九重有は高校生になったし、俺の事をちゃんづけで呼ばなくなったが、普通に下の名前で呼んでいる。


「えーっ。じゃれあっているだけだよー。有」

「そうだそうだーっ」

「あ、もしかして、九重クンも美仁香ちゃんをいじりたい?はい、あげる」


宮川綾の発言で長いストレートヘアーの俺を九重有の前に差し出す三人。ってか、あげるって言うなっ!俺は物かっ!


「なっ?!」

九重有は顔を真っ赤にして視線をあちらこちらへと移すのだが・・・何故そんなに挙動不審なのだ?意味が分からん。


「さ、西園寺さんが・・・」

「お、おうっ・・・」

「・・・(かわいい)ボソボソ」


あとは男子の目線が気になる。多分、俺が可愛いだのアイドルみたいだのと理由をつけているからであろう。


「あっ!西園寺せんぱ~い♪」

「か、かわいいっ♪」

「持ち帰ってもいいですか~?」


後輩達にも愛されている。女子限定でな。ってか、持ち帰るとか言うな。


「美仁香ちゃんっ!」

「西園寺っ!」

「西園寺先輩♪」


俺の周りにはいつも人ばかり。技をやれだ三つ編みを解けだと、あーだこーだというヤツらが異常に多い。


でも、嬉しくない訳ではない。だって、こんなに皆から慕われているから、悪い気はしない。


そんな皆とこの世界にありがとうという感謝の意を込めて、俺は一言伝えよう。


「やれやれ」


ーーーーーーーーーーーーーー


そして、西園寺道場へと足を運び、いつもの爺さんとの組み手。

今回の組み手で、爺さんは本気を出して、俺を倒しにくるらしい事を俺にほのめかしたのだ。


「ほっほっほ。最近、美仁香ちゃんは、ものスゴく強くなったね。ワシの実力を超える程にね。では、今回は、本気でいくから覚悟していてね?」


俺を一人の格闘家として認めてくれる爺さん。本気でくる爺さんの実力・・・すげぇ、面白そうだ!


「にひひっ♪うんっ♪爺ちゃん♪」


俺は無邪気な笑顔を浮かべながら、爺さんに向けてファイティングポーズ。爺さんはそんな俺を見て


「ほっほっほ。相変わらず、戦いが大好きだねぇ~。美仁香ちゃんはっ!ほっほっほ~」


いつもは真剣な眼差しで俺との組み手をしていたけど、俺の戦いが大好きという感覚が爺さんにも感化されたのか、爺さんは無邪気な笑顔。


「にひひっ♪いくぞっ♪爺ちゃん♪」


「ほっほっほ。来なさい!美仁香ちゃんっ!」


俺達は戦う。強いヤツと戦いたい為に。その想いは、いつまでも消えない事をここに誓うとしよう。


ーーーーーー『理想的な転生物語。』ー完ー



最終回となりました。皆さん、ご愛読ありがとうございました!短い間でしたけど、楽しめましたか?


さて、次回作は、2012年11月14日の水曜日に投稿したいと思っております。


次回作の名前は『私の亜人種転生記』にしたいと思っておりますが、題名が変わる可能性もあるので、詳しくは私の活動報告にて報告したいと思っています。


それでは、また来週。

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