表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
30/49

第29話 劇『桃香ちゃん』前編

二部作です。

次も劇ですので、応援よろしくお願いします。

文化祭当日。

体育館には沢山の保護者や小さい子供達が所狭しと集まり、これからやる小学生の出し物に興味津々のご様子。ちなみに俺の母親も参加しているのだ。

まずは教頭先生の開会のあいさつをすばやく済ませ、早速文化祭が始まったのだ。


そして時は流れ、俺達の出番が回ってきた。俺の衣装はピンク色の法被に覆われ、いかにも主役だという事が一目瞭然だ。九重有や一文字ことみ、そして宮川綾は頭にお面をつけるだけという簡単な衣装なのだが・・・それはそれとしていいものだろうか?今はそっとしておく事にした。

「よし、円陣だ!」

俺達は円陣を組み、気合を高る事にした。

「よし、がんばるぞー!」

『おおー!!』

俺の合図と共に、俺のクラスメイト達は気合を高める事に成功。後は、劇を成功させるだけだ。


そして、俺のクラスによる、桃香ちゃんのはじまり、はじまり・・・

ーーーーーーーーー

昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんの夫婦だけがいました。

他の村人達は鬼ヶ島にいるという鬼達に連れ去られてしまって、おじいさんとおばあさんはその鬼達の存在に恐怖し、密かに森の中で暮らしていました。

そんなある日、おじいさんは山へ山菜取りに、おばあさんは川へ衣類を洗濯しに足を運びました。

おばあさんが川で洗濯していくと、川上からどんぶらこっこ。どんぶらこっこと大きな大きな桃が流れてきました。

「で、でかっ!!」

おばあさんは目を丸くして驚くばかり。それもそうでしょう、見た事がない大きさの桃に驚かない人なんていないでしょう。

「で、でも、これをお土産に持っていったらじいさん喜ぶね~」

おばあさんは、大きな桃を持ち上げ、我が家へと帰っていきました。


しばらくすると、おじいさんが帰ってきて、家にある大きな桃を見つけて驚きました。

「な、なんだコレ!!」

おじいさんは大きな桃に興味津々の表情で大きな桃を眺め、台所にある出刃包丁を片手に持ち、大きな桃を切りました。すると・・・

「おぎゃー!おぎゃー!」

桃から赤ん坊が出てきました。それも、女の子で、おじいさんとおばあさんはその赤ん坊を『桃香』と名付けました。


おじいさんとおばあさんは桃香を数年に渡って育て、桃香はみるみる大きくなって、可愛らしくて美人な女の子になりました。

「ここまで育ててくれてありがとう。お礼に鬼ヶ島にいるという鬼を退治するよ」

「え?あ、危ないぞっ。しかも、女の子だからケガするよ!」

「じ、じいさんの言うとおりだよっ。」

おじいさんとおばあさんは桃香をとめます。それもそうでしょう、まだ幼くて小さくて可愛い女の子なのに、鬼を退治なんて不可能です。でも

「・・・腹に括った一本の槍は折れないよ・・・だから、行かせて」

桃香は決心しているようです。その揺るがない気持ちをおじいさんは


「分かったよ・・・でも、修行していきなさい。ワシはこう見えて、武術を習っておる。それを習え」

「は、はいっ!おじいさん!」

おじいさんは桃香に自分が習っていた武術を教えるそうです。

「いくら女の子とて、容赦はせん。覚悟は良いか?」

「うんっ!」

こうして数年の間、血の滲むような特訓をおじいさんとやりました。


そして、出発の時。

「本当に行くのかい?桃香」

「はい、おばあちゃん」

桃香の出発を見送るおばあさん。そして、横には微笑むおじいさん。

「桃香・・・お前にはもう教える事はない。一人前の武術家だ・・・この先分からない事があるかも知れないけど、それは自分で答えを見つけなさい」

「師匠・・・いいえ、おじいちゃんっ。分かりましたっ」

桃香はおじいさんに微笑み、これからも大丈夫だからと安心させます。


「あ、行くなら、きび団子持っていきなさい。お腹がすいたら力が出ないでしょ?」

おばあさんはありったけの手作りのきび団子を袋に詰めて桃香に与え、それを慎重に受け取り、桃香は鬼が島へと直行していきました。

「だ、大丈夫かな?あの子、小さいのに大きな鬼とどうやって戦うつもりなのかしら?」

「大丈夫。あの子は強い」

おじいさんとおばあさんは桃香の姿が消えるまで見送ったそうな。


桃香が鬼が島に行く道中

「おう、そこの若いの。なにやら、食い物持っているじゃないか」

犬が登場しました。

「うん、きび団子だよ。あ、いるなら鬼を退治するのに協力して欲しいんだ」

「ほぉ~。鬼を倒す気でいるのか?ムリだね。勝てる訳ないだろ?そもそも、ボクは犬なのにどうやって鬼を倒す?言ってみろよ」

桃香と犬は交渉決裂。犬はどうやら自分の力に自信がないらしいのです。でも、桃香は

「・・・犬さん。キバが無くなったんだ」

犬を説得します。

「何?ここにあるよ。ほら」

犬は大きな口を開き、キバがある事を証明します。でも、桃香はそんな意味じゃないと首を振り、可愛らしい口を開きます。


「そのキバじゃなくて、心のキバだよ」

「心の?」

「犬さん・・・何時いつから自分を捨てたの?」

「!!?どういうことだ?」

「分からないなら分からなくてもいいよ・・・答えが知りたいなら鬼を退治するのを協力して。知りたくなかったら・・・別に来なくてもいいよ?」

桃香は犬を放っておき、先へ先へと進む。放っておかれた犬は

「ち、チクショウ!行けばいいだろ!行けば!」

地面を蹴って、桃香の鬼退治を協力するという決意を抱き、桃香の横に並び、先へ先へと進みました。


しばらくすると、サルとキジが現れました。

「あっ、犬っ。久しぶり~」

「ホントだっ。久しぶりに遊ぼうよっ」

サルとキジは犬と友達のようで、その顔は無邪気な笑顔を浮かべていました。

「ね、その人だれ?ニンゲンだけど・・・」

「その人もトモダチ?紹介してー」

サルとキジは犬に近寄り、友達との再会を喜び、犬の横にいる桃香が気になるようです。


「わ、私、桃香っ。あ、そうだ、きび団子あげるから鬼退治を協力して欲しいんだ」

桃香はサルとキジに鬼退治をする為に、協力を願いますが、サルとキジは

「えー。鬼こわーい」

「ヤダよ~。ケガしちゃう」

反対です。そんなサルとキジの姿を見た犬は


「甘ったれるなぁ!」

「「ひっ!」」

説教します。犬は桃香に何らかの影響を受けたようで、鬼退治を本気でがんばるという気持ちがいっぱいいっぱいのようです。

「鬼を倒せるんだぜ?そしたら、ヒーローになれるんだぞ?カッコいいだろ」

「ひ、ヒーロー?!!カッコいい!」

「さ、サインとか考えないとっ!」

犬はサルとキジを説教する事に成功したようです。

「は、早く鬼ヶ島に行こうよ!」

「テレビの取材とか来ちゃったらどうしよー?キャー♪」

こうして桃香は犬、サル、キジをお供に鬼ヶ島へと行きました。


「こ、ここが鬼ヶ島か・・・」

桃香達は鬼ヶ島へと到着し、桃香達は目の前にあるでかでかとした鉄製の扉に驚くばかりです。

「くぅ~ん。や、やっぱり怖いなぁ~」

「ウキキ・・・そうだね。犬さん」

「・・・キジって鳴き声はどんなんだっけ?とりあえず、コケコッコー?」

「それはニワトリですよ?キジさん」

でも、桃香とキジはのほほんとしていて緊張感なんてありません。

「よし、正面突破だぁ!」

『おおっ!』

桃香の喝により、お供は気合いが高まります。

「すみませーん、開けてくださーい」

『へこーっ!』

桃香は鉄製の扉に前に立ち、のほほんとした声で言いました。そんな桃香の言葉を聞いたお供はずっこけます。


「お、お前っ!これから鬼退治するっていうのに、そんな挨拶いるのか?!」

「あっ!!ご、ごめんなさいっ!おじいさんとの修行でクセがでちゃって・・・えへへ~」

犬の忠告を苦笑いで桃香は頭をポリポリと恥ずかしそうに掻いています。

「よし、それじゃあ・・・」

「なんだ?お前ら。オレ達の島に何かようか?」

桃香が再びお供に喝を入れようとしましたが、全身真っ赤で大きな大きな鬼がその鉄製の扉から出て片手に金棒を持って現れました。

「あ、ちょうどよかったです。とりあえず、鬼を全員倒しますので、鬼を全員呼んでくださいな」

自分よりも大きな鬼を見ても驚かない桃香は鬼を挑発します。


「ほぅ、そんなに大ケガしたいのか?ならば、くらえっ!」

鬼は手に持った金棒で真上に高らかにあげ、振り下ろすという攻撃を桃香にやります。

すると、桃香はその攻撃をさっと横移動し、避けてしまいます。

向捶(こうすい)!」

向捶こうすい。敵の攻撃が外れた際に、相手の伸びた腕の内側に自分の腕を添え、そのまま踏み込み、添えた腕を曲げて顔を守りつつ、もう一方の腕で腹部を打つ突き技。この攻撃は、「外れた攻撃」に対する反撃技である!


「ぬぅわ?!!」

鬼は金棒を手放して、両手で腹をかかえます。その大きな隙を見逃さない桃香は追撃をします。

冲捶ちゅうすい!」

拳を作って腰を落とし、中腰のような姿勢でドンと叩きつけるようにして地面を蹴りだし、胸を開き体を急激に1/4回転し、鬼の腹に直撃して吹っ飛びます。


「ぬぅわあ!!」

鉄製の扉をぶち壊す程、鬼は吹っ飛びました。

「何奴だ!!我が同胞をぶっ飛ばした奴は!!」

鬼が吹っ飛んだ事により、大勢の鬼がみるみる集まります。

「わわわっ、あんなに鬼がいる!」

「か、数え切れないよ~」

「全員大きいよ~」

お供は鬼の多さに涙目になります。でも、桃香はそんなお供に気合いを入れます。

「大丈夫だよ!皆が居ればあれぐらい倒せるよ!こんな時のきび団子だよ!はい、これ」

桃香はお供にきび団子を一つずつあげ、お供は

「「「うまいっ!力がでる!」」」

ドーピング作用は入ってませんが、お供は力が溢れているようです。


「貴様らか!我が同胞をよくも!」

鬼は桃香やお供の姿を見つけ出したようです。発見した鬼は沢山の仲間を集め、大人数で桃香達を囲みます。

「燃えてきたぜ!こいつらを退治したら、ヒーローだぜ!」

「私もがんばるよ!」

「サルさんには負けないからね!」

鬼達に囲まれているのに、お供は屈しません。


「まずはボクからだよ。いつの日か失ったキバを取り戻す為にね」

犬は前に出て、鬼に勝負を挑むようです。

「犬のくせにナマイキなっ!オレ一人で倒せるわっ!」

鬼は刀を二本持ち、犬と勝負するようです。

「ぬぅわ「遅いよ。刀貰うね?」何?!」

犬は持ち前のスピードで鬼が持っていた一本の刀を口にくわえて、鬼から刀を鞘ごと奪いました。


「やった!その刀を私にちょうだい!犬さん」

犬はサルに刀を与え、サルはその刀を眺めてふっと微笑みます。

「おのれ!返せ!」

「犬のくせにナマイキなっ!」

「サルに刀なんぞ使えるか!オレ達で倒そう!」

鬼達はサルに金棒で攻撃するようです。

「えーと、1、2、3・・・10人だね?なら、いけるね~」

サルは鬼を数えて、刀を鞘に収めます。


「ぬぅぅ?!諦めたか!ならば、くらえっ」

鬼達はサルが戦意喪失したと勘違いしたのか、サルに攻撃するようです。

「諦めてないよ?いくよ、 林崎神明夢想流居合術奥義! 横雲よこぐもぉ!」

横雲よこぐも。刃を外側に寝かせて半分抜き、その侭相手の脇をすり抜けながら腹を薙ぎ、攻撃が当たったら、すかさずそこで初めて抜刀術を仕掛け、相手の腹を真っ二つに横切る居合い剣術である!


サルは次々と鬼を斬っていき、鬼10人は倒れました。

「く、くそぉ!なら、あそこのキジが弱そうだ!やっつけろ!」

『おぉ!!』

今度は鬼達がキジを襲います。鬼の数はなんと15人もいます。


「むっ、弱いとは失礼なっ!私もいくよっ!」

キジは空高く舞い上がり、その姿を空に消しました。

「けけけっ!逃げ出したか!ならば、こいつらをっ」

鬼達はキジが逃げ出したと勘違いして桃香達を襲います。しかし、空から何かの姿が見えます。

「いくよっ!えいやー!」

キジです。キジは自らの身体を螺旋状に回転させ、急降下しながら鬼に立ち向かいます。

「ぐぉぉ!」

キジの攻撃は鬼の肉体に風穴を開けるほどの威力となり、次々と鬼達は倒れます。


「よしっ!これで全員倒せたよっ!」

『わーい!やったー!』

桃香達は全ての鬼達を倒せる事が出来て嬉しいようです。しかし、

「ゲッゲッゲッ。まだ一人残っているのに勝利宣言か?新しい!」

鬼のボスである青い鬼が現れました。これまで倒してきた赤い鬼よりも大きい青い鬼です。


「お、お前がボスか!」

「いかにも!よくもオレの仲間に傷を付けてくれたな!この青鬼、憤怒の極みっ!」

青鬼は自分の背丈よりも大きい金棒を持ち、桃香達を襲います。

「うわあ!」

『きゃあ!』

なんとか逃げれた桃香達。青鬼が金棒を振り回した風圧で、数キロ先まで砂埃があがります。どうやら、青鬼はとても力持ちのようです。

「しゃ、シャレにならないっ」

「あ、アレくらったら大ケガしちゃうっ」

「あわわわっ」

お供は青鬼の力に驚きを隠せません。さてはて、桃香達は青鬼に勝てるのか?後半へ続く!



サルが使っていた林崎神明夢想流居合術とは、戦国時代後期に出羽国盾岡林崎村の林崎甚助が編み出した居合術の流派。林崎は居合術中興の祖と呼ばれ、各地を旅して多くの門弟を採り、江戸時代に伝わるほとんどの居合術の開祖となったらしいです。


ちなみに、桃太郎の話が戦国時代や江戸時代から伝わった話かどうか知らないですけど、設定として、江戸時代という設定にしたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ