第24話 林間学校に行こう
いつもの日常を日々過ごし、数年の年月が経ち俺は・・・小学五年生になったのだ!
いやいや長かったな~・・・てか、まだ小学生かよ!と自らツッコミをいれる。
ちなみに透は高校二年生なのだが、どこの高校かというと少しばかり我が家から遠いのだ。でも、通えないという訳でもないのだ。
透はバスを利用して高校へ通学しているという少しばかり大変な通学だ。
でも、透はそれでも家から近い高校を選んだと言うのだ。うーむ、大変だな~・・・高校生。
で、麗香は中学三年生だ。麗香は透と同じ中学にした。というか、そこでもいいだろという母親の助言で麗香を納得させたのだ。
そもそも、その中学校とは俺が通っている小学校の近場にあるのだ。その小学校と中学校の距離は徒歩でわずか十分程で着くのだ。
「美仁香ちゃ~ん。そろそろ、出ないとー」
「はーい」
そんなこんなで、普通の日常を謳歌しつつ、俺は洗面所の前に立つ。しかも、台を使わずにだ・・・この意味、分かるか?
「・・・成長しとるっ」
そう、身長やら体重やら顔のパーツやら色々と変化しているのだ。
身長は低めだが、135センチ程。体重は乙女の秘密ということで。でもスリムな体型だ。
それで、顔はクリクリしてパッチリとした二重まぶた。すっとした鼻筋。チェリー色のぷるぷるとした薄い唇。シャープな顔の輪郭。ほっぺには薄い桜色が浮かんでいる。
そして、髪はなんとっ!肩甲骨を覆う程に長くて黒くてサラサラとしていてツヤツヤしているストレートヘアー。前髪はパッツン。
そしてそして、若干だが胸が育っていることは気のせいだという事にしておこう。
それと嬉しい事があるのだ。一人で風呂に入れる事が出来るのだ!これまで母親と一緒に入浴していたが、ようやく恥ずかしさからの呪縛から逃れたのだ!でも・・・寝る時は両親と一緒に寝ているのだ・・・はぁ。
閑話休題。
顔は何とも出来ないが、髪長すぎだろうが・・・そもそも、前の姫カットはどうしたんだよ?と疑問する人に簡単に一言説明しよう。
母親曰く髪は女の命だから。だそうだ。
ならば、麗香の髪型や母親の髪型はそのように長いのか?という疑問を浮かべ人もいるだろう。しかし、奴らは髪が肩につくくらいの長さしかないのだ。
なんという事だろう、母親がその髪は女の命みたいな事の発言者なのに、自分はしないという非情さ、冷酷さなのだ。しかも、麗香には一言も髪が女の命とは言わないのだ。
うーむ、皆は俺をいじめているんだろうか?もし、そうならば爺さんに慰めてもらおう。
そうそう、まだ爺さんと戦いを挑み続けたが、もちろん全戦全敗なのだ。罰ゲーム?として女子達に撫でられたり抱きつかれたりとしてしまうのだが、少し慣れたかもしれない・・・いや、慣れてはいないっ!諦めたんだ。その女子達の抱擁から逃げる事をな。
「ほら、林間学校でしょ~?行かないとー」
母親はさっきから俺を呼んでいるらしいから急いで髪を三つ編みと変貌させ、荷物を持ち、我が家を出て、一文字ことみと九重有他数名の姿を発見し、一緒に学校へと向かっていったのだーーー。
ーーーーーーーー
「は~い、皆バスに乗りましたか~?」
『はーい!』
「ふふっ。しゅっぱ~つ」
只今、俺達小学五年生の生徒達と複数の教師はバスに乗り、とある場所へと移動していたのだ。
バスガイドは俺達の担任の麗しの女教師で以前、俺達に算数を教えた教師だ。
「あははっ。楽しむだね♪美仁香ちゃん」
「うん、そだね」
俺の隣の席に座っている一文字ことみと雑談。九重有はクラスメイトの男子と楽しそうに雑談を交わしているのだが、あの九重有はとてもラッキーな男ではないのか?
幼馴染である女の子が二人もいるのだ。しかもその女の子達は可愛いと分類されるのだ。日本中の男子が嫉妬するだろうな・・・
「えへへ~。こんなの初めてだから楽しみ~」
俺の心配を分からないでいる一文字ことみは楽しそうに無邪気に笑っている。
「うん、そうだね。ことみ」
そして、一文字ことみを呼び捨てに出来る程成長していたのだ。九重有は普通に九重だ。その他多数の人間は苗字で呼んでいる訳だ。
「もぉー、ことみちゃんって言ってよー」
だが、一文字ことみはちゃんづけして欲しいと言ってくるのだが、いかんせん俺は思春期の純粋な男の子なので女の子にちゃん付けで言えないのだ。そして、何故ちゃん付けしないといけないのか?そんな疑問を一文字ことみにぶつけると・・・
「だって、美仁香ちゃんってさ~。クラスで一番小さいし、なんだか妹っぽいから」
訳の分からない理由なのだが、この一文字ことみの俺はクラスで一番小さいという発言は正しいのだ。
クラスの平均身長は140センチ程で僅かに俺より身長が高い人間ばかりなのだ。
「で、でもさ、妹っぽいからって言わないといけないっていう決まりは無いからね」
「えー・・・ヤダ。言ってよー。えへへ~」
一文字ことみは無邪気な笑顔を浮かべ俺に抱きついてくる。そして、頬擦りまでもしてきたのだ。
「にゅあ?!」
驚きのあまり変な声をバスに乗っている人間全員に届け、その恥ずかしさに顔を赤らめてしまう俺。
はぁ、恥ずかしい。
しばらく、バスの中で景色を眺めていると・・・
「『はい!それでは、現地まで行くのに時間がかかってしまいますので、カラオケ大会したいと思いまーす!』」
『ええ?!』
突然、麗しの女教師がマイクを片手に持ち、これからカラオケ大会をするという俺達は聞いてもいないイベントだったので、俺達は驚きの声をあげてしまう。
「『えーと、まずは誰が歌うのかなー?歌う人は挙手してー』」
女教師はニコニコとした笑顔を浮かべ、誰が歌うのかと期待を込めた目で俺達を見渡すが、誰も挙手しないのだ。それもその筈、曲が乗っているパンフレット的な物も無いし、一体どんな曲を歌えばいいのかと疑問が疑問を呼び、今至るという訳だな。
「『あ、そっか・・・歌う曲の一覧表は、座席の上にありますので、それを見て歌う曲が決まったら手を挙げて?』」
女教師の言う通り、俺達は座席の上にあった曲一覧表のカードがあり、J-POPとか演歌とかがあるのだ。だが、しばらくしても誰も手を挙げない。多分恥ずかしいから手を挙げないでいるだろうな。
「『え、えっと・・・誰もいないのぉ~?こ、困ったなぁ~・・・。それでは、クラスを代表してクラス委員の西園寺美仁香ちゃんっ!』」
「えっ?!」
女教師は俺を指名する。ちなみにクラス委員の座はクラスの多数決法で俺の票が大多数だったので、俺はクラス委員となったのだが、別に困らないので承諾した。
だが、今は猛烈に困っている。前からマイクが届き、それからリモコンも届いてどうやらこれで今から歌う曲を発信させ、スピーカーから曲を流すという仕組みになっているらしい。
いやいや、ちょっと待てよ。何故俺が歌うと決まって皆は目が輝いているんだ?訳分からないぞ。
「がんばれ~。美仁香ちゃん♪」
一文字ことみは楽しそうに俺を応援しているのだが、その表情にはニタニタとイヤな笑顔を浮かべていたのだが、とりあえず歌う曲が決まったのでリモコンのボタンを押し、曲が流れていく。
~~♪♪
激しいリードギター。力強いドラム。それらを引き立てるような激しいベースの演奏がバス中に響くのだ。
「『このヨルがぁ~、明けるころぉ~。オレたちは風になるぅ~』」
俺が歌うのはTHE BACK HORNのコバルトブルーだ。この歌を歌ったらすごいテンションが上がるのでいい選曲だろ?
「『勿忘のぉ~花びぃらをぉ~舞い上げて吹き抜けるぅ』」
「す、すごい上手っ!アイドルみたい!」
一文字ことみは俺をアイドルみたいと俺を称えているのだが、俺は歌に集中する。
「『ヤミの沈黙にっ、十六夜の月ぃ。キセツが黒くぅ血をなーがしてるぅ
潮騒の音っ 抜け殻だけをっ残してぇぇ!
かわらぁないー このセぇカイー くだらねえこのセカイ。そんな事ぉー誰だってぇーガキだって知ってるさ』」
生徒達は手拍子してリズムをとるのだが、やめておいて欲しい・・・いや、今はそんな事よりも歌だな。
「『だけどオレたちっ、泣くためだけにっ、産まれた訳じゃなかぁった筈さ。ただひたすらにっ生きた証をっ。きざむよぉぉぉ いぃまぁぁぁぁぁぁ
オレたちはぁ!風の中でっ!くだけちりぃ!一つになるぅー
辿り着くっ場所も知らぬまぁまぁぁぁー、燃え尽きるっ』」
「わ、すごっ。プロみたい」
今度は九重有の感想が聞こえたのだが、プロは言い過ぎだろうが・・・でも、それは嬉しいので歌い続ける事にしたのだ。
「『メンドくせぇなぁ 逃げちまぁおうか?
今さら誰も口にはせずに あどけないまま眠る横顔ぉ 震えるぅぅぅ胸ぇぇぇ
愛しさも淡い夢もこの空に溶ければいい だれもみんなコバルトブぅぅルーのぉぉぉ風の中っ
さぁあぁぁぁ! 笑えぇぇ! 嗤えぇー!
ほーら ヨルがー明けるぅぅ いぃまぁぁぁぁ」
ワァァァと生徒達は大興奮。この曲のおかげなのか全員盛り上がって立ち上がる。
「『オレたちはっ、風の中でっ、くだけちりぃぃぃぃ、一つになるぅー
大げさにっ悲しまずに!もう一度っ!始まってくぅー
オレたちはっ、おぉーぉーぉーおー・・・オレたちはっ、おぉーぉーぉーおー・・・風の中っ』」
俺は歌い終わり・・・バスにいる生徒達や女教師は・・・
「すごーい!!アンコールアンコール!」
「『み、美仁香ちゃんって、すごいね~。力強く歌っていたわね~。私からもお願いできるかしら?』」
俺にもう一度コバルトブルーを歌えと言ってきて、しかも誰かがリモコンの操作によりコバルトブルーの曲が流れてきたのだ。
~~♪♪
「『えっ?!また?!もう、しょうがないなー』」
仕方なく歌う事にして、バスの運転手は大興奮している俺達を林間学校の開催地へとバスを走らせていたのであったーーー。
歌詞をそのまま表記したら著作権がなんたらかんたらになっちゃいますので、歌っぽく書きました。
うーん、これはいいんだろうかね?




