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グリズリーとクマ祭り
「ここですか、クマ祭りの会場は……?」
グリズリーが、やけに丁寧な口調で尋ねた。
「え? 祭り? ああ~、それならもう終わったぞ~!」
屋台を片付けていたオジちゃんが、のんきに答える。
「えっ?」
「兄ちゃんも寒いから、早く帰んな! 風邪ひくぞ~! クマでも風邪ひくからな~!」
ヒュルルルゥゥゥ―――
冷たい冬の風が、無情にも枯れ葉と希望を舞い上げた。
「な、なんで……なんでなんだよォォォ!! なんでグリ(グリズリーのこと)の繁忙期に、クマ祭りを開催するんだよォォォ!!」
地面に膝をつき、心の底から叫ぶグリズリー。
そして――
「……はっ!」
雷に打たれたように顔を上げる。
「そうだ……!!」
一拍置いて、満面の笑み。
「後夜祭を開催しよう!!」
「いや、もう帰れって言ったよね!?」
オジちゃんのツッコミが、冬空に虚しく響いた。
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