門番
「ハルカ、この山を越えれば街が見えるぞ。もうひと踏ん張りだ」
「も、もってくれよー私の機体~」
ハルカの機体を後ろから支えながら、吹雪の山道を進む。
俺たちは巨大な陽だまりの塔を囲む山脈、マリヤナ山脈に足を踏み入れていた。
山脈を避けるルートも考えたが、迂回路はさらに3日はかかるとされ、ハルカの食糧が底をついてしまうこともあり、意を決して登山の道を選んだ。
宇宙開発時代にあった針葉樹の木々はすべて枯れており、今では氷と岩だけの険しい山になり果てていた。
標高は高くないものの、急こう配が続き、地面から飛び出た鋭利な岩がそこら中で顔をのぞかせているため、ブーストによる牽引は不可能と判断し、歩行による登山に切り替えた。
「岩が落っこちてくるとかないよね~」
「そのためにライフルを持たせているんだろ?しっかり狙ってくれよ」
「うえ~ん・・・」
山の吹雪は平地でのそれがそよ風に思えるほど厳しいものだった。
ハルカも最初は任せてよ! と自信ありげにズンズンと進み始めたが、中腹あたりで突風に態勢を大きく崩されてからは、今のような泣き言が増えた。
それ以降、俺がハルカを後ろから支え、歩幅を合わせて一緒に進むことになった。
左腕を前に出し、吹雪からハルカの機体を守り、右腕で機体を押す。
シールドで防げない岩が降ってきたらすぐに撃つようにとハルカにライフルを預けたが、正直心配だ。
レーダーの設定を熱源感知から動体感知に切り替え、落石の情報をハルカに伝えるようにしているが、銃を撃ったことがないハルカには荷が重かったか。
左腕にも人型マニピュレーターであればよかったが、この状況ではこうせざるを得ない。
ハルカには悪いが、もう少し頑張ってもらおう。
うう~
山登りってこんなに大変なのか
コロニーの周りの残骸の山を登るのとはわけが違う。
これまで味わったことがない吹雪に機体をあおられ、おじさんの機体が風よけになっていなければ、瞬きする間もなく山の麓まで転げ落ちていただろう。
落石対策でおじさんからライフルを託されたが、どうしたものか、ちゃんと反応できる気が全くしない。
おじさんの機体から動体感知の情報がこちらに来てはいるが、銃を撃つのは初めてだ。弾丸は十分に入っているから、画面のマーカーに合わせてトリガーを引くだけだ、と言われたが、あまりにも無茶だ。
親方の仕事の手伝いを初めてしたときにも、身の丈ほどの工具を持たされたが、あの時と似たような気分だ。しかし今回は失敗すれば転がる岩と運命を共にしてしまう。
「なにかあったら、おじさんの枕元に化けてでてやる~」
私にできるのは、ただ何も起こらないことを祈ることと、彼への愚痴をこぼすことぐらいだった。
だいぶ上まで来たな。あと1時間ぐらいかかるが、ハルカのことが心配だ
一旦どこかで休憩をはさみたいが、この猛烈な吹雪の中では腰を据えられない。
なにか大きな風よけになる場所があればと思っていた時、スキャナーに妙なものが映った。
反応した箇所は真っ黒でノイズの反応が強い。風がその箇所で渦巻いているようだ。
この辺はトンネルも何もないはずだが。
疑問は残るが今は岩陰だけでもありがたい。
「ハルカ、今から送る座標で休憩しよう。風よけがあるかもしれない」
「はあ~い・・・」
声からすると、かなり体力を消耗している。幸い目的の場所はかなり近い。
ハルカの機体を支えている右手を押し付け、先を急がせた。
「た、助かった~」
おじさんが向かおうと言った座標についたが、そこにはおじさんがギリギリ通るぐらいの穴が開いていた。
穴の中は暗いが壁面には柱が埋め込まれており、ずっと奥まで続いている。
自然にできたものではないみたいだ。もし昔使われていた山越えのトンネルなら最高だ。
正直ここで休憩しても、これ以上あの吹雪の中を進みたくなかった。
「これ、どこまで続いてるのかな」
「俺のマップデータにこんなトンネルはないが、空気の流れは続いている。山の反対側まで行けそうだ」
「ああーよかったー。じゃあ早く行こ、おじさん」
「ん? 休憩はいいのか」
「ここで休んだらそのまま寝ちゃいそう。一気に街まで行こうよ」
「そうか、じゃあ進むか」
トンネルの内部は狭く、少しでも機体を揺らそうものなら壁にぶつかってしまいそうだった。
ハルカは先に行ってしまったが、慎重に進まなければ。
しかしマップデータに無いトンネルがあるとは思わなかった。
マップデータは冷凍時代に入ってもしばらく更新されおり、しかもこの機体は軍用のため、マップには軍の秘密通路や基地の場所が記載されている。とするとこのトンネルは、民間でも防衛軍でもない、非公式に作られたものだと考えられる。
となるとこれを作ったのは・・・
その答えはハルカが教えてくれた。
「おじさーん、武器がいっぱい捨ててあるけど、持ってっていいかな?」
やはりレジスタンスだったか。
塔の近くに作っていたとなると、何かしらの拠点だった可能性が高い。
しかしこんなところに拠点を作られるとは、防衛軍はあんななりで目は節穴だったか。
「ハルカにも使えるものがあるかもしれない。すぐに向かうから待っていてくれ。くれぐれも触るんじゃないぞ」
「へ? は、はーい」
うーん手遅れだったか。好奇心があるのはいいことだが、いかんせん危機感知能力が低いな。後で叱らねば。
えへへ~
ハルカは新しい武器を手に入れた!
機体の右腕には小さいが、強化外装用のマシンガンが取り付けられていた。肩には弾倉が取り付けられ、給弾用のレールが腕まで伸びていた。おじさんが持っているライフルと比べると見劣りするが、立派な武器だ。
「これで私もおじさんのお手伝いができるぞ」
そう意気込んだが、おじさんは装甲が薄いから敵の前には絶対に出さない、後ろにいなさい、と叱られてしまった。ついでに落ちている武器には勝手に触らないこと、暴発でもしたらどうするんだ、とも言われた。
分かってはいるがついつい手に持ってみたくなってしまうのだ。
これは私の性なんだよ、と開き直った。
おじさんには言ってないけど
「もう少しで山の向こう側出るぞ」
「そうなの? じゃあ先行ってるね~」
「あ、こらっ、ハルカ」
私はおじさんの静止を振り切り、1人トンネルの奥に向かった。
1人先に進んでしまったハルカが出口がないと喚いていたが、塞いでいたのは大きな砲身の根本だった。
無骨な見た目をしているがレールガンのようであり、弾頭もセットされたままのようだ。
砲身が生えいている岩のような見た目の壁を押していくと、ズズズッと動き始め、外からの鈍い光が隙間から差し込んだ。
正面には巨大な陽だまりの塔がそびえ立ち、そこから発せられている光が、まるで祝福しているかのように2つの機体を照らした。
無事に出ることができたか。吹雪もこの山は越えていなさそうだ。
外に出ると、今押した壁が山肌からせり出した砲台であったことが確認できた。
やはりレジスタンスはあの塔を狙っていたようだ。
しかしレジスタンスの目標は太陽の街の生活を享受することであり、塔の破壊ではないはずだ。ならこれは何のために作られたんだ?
「おじさん、あれ何かな?」
間近で見る太陽の樹は、まさに壮大だった。
金色に輝く壁面が空高く続き、雲の上からは無数の光が差し込んでいる。
コロニーの陽だまりの塔とは全く違う、まるで神様に出会ったかのような存在感だ。この陽だまりの塔が太陽の樹と呼ばれていることにも納得がいく。
しばらくぼーっとしていたが、自分の目的を思い出し、我に返る。
そうだ、街はあの塔の麓にあるんだった。
目線を塔の麓に変えると、不自然な鋼色のドームが見えた。
多分、あの中が太陽の街なんだ。雪が積もってないってことは、やっぱり中はあったかいんだ! はやく行きたいな・・・? あれ、何だろう。
ドームのから少し離れたところに、この白の世界では異質な黒い建造物がある。
吹雪が止んでいるとはいえこの距離では何なのかの特定できない。
おじさんにお願いすることにしよう。
「あれは・・・おそらく番犬だろう。重武装の自律型強化外装だ」
センサーカメラの倍率を最大まで上げ、はっきり視認した。
番犬
まだ街に居たころ、大々的なニュースとして取り上げられた、都市防衛用自律型強化外装。
名をケルベロスといい、大型機体をゆうに超える体躯に両腕の大型ガトリング砲、背部から伸びる大型の高出力レールガンを搭載している、まさに番犬としてふさわしい機体だ。
当時レジスタンスは鹵獲した強化外装のみならず、他国から提供された兵器で防衛軍の基地を襲撃していた。
太陽の街の警備を任されていた軍は中央研究所の兵器開発を依頼。
激化するレジスタンスの行動を牽制し、正面から撃破できることをコンセプトに開発された。
正面装甲には永久鋼が使用され、弱点である背部も複合装甲でカバーする鉄壁の防御力。並みの強化外装なら10秒も経たずに消し炭になるガトリング砲と正面装甲を貫くレールガンによる圧倒的な攻撃力。大量の弾薬と高速無限軌道の足回り、大容量ジェネレーターによる継戦能力。
その性能はどれも一級品だが、これが配備されて以降、レジスタンスの大々的な攻撃は無く、結局1発も撃つことは無かったそうだ。
コストの面であの1機しか製造されなかったのは幸か不幸か。
この斜面に作られた大型レールガンは、あいつを撃破するために作られたのだろうが、冷凍時代に入りそれも困難になり、放棄されたというのが考えるのが自然か。
発電用のジェネレーターが見当たらないのがそれを裏付ける。
しかしこれは使えそうだ。
なにしろ街に入る手段はあるが、正面からではないと難しい。
奴との交戦時の決め手に欠けていたところだったが、今持っている武装よりも火力のある長射程武器があるとなれば話は変わる。
今回の戦闘は、ハルカの狙撃の腕に懸かっている。
「ええ~?! これ私が撃つの!?」
おじさんはお前にしか頼めないことだと、頭を縦に振る。
作戦はおじさんが番犬をこの大型砲台の射程まで引き付け、後ろを向いた瞬間を狙撃するというシンプルなものだった。
しかしながら私は狙撃はおろか、まだ銃すら撃ったことがない。おじさんが番犬の後ろを取って、拝借したレールガンを撃った方が早いんじゃないかと反論した。
おじさん曰く、番犬の弾幕は苛烈であり、シールドでは完璧に防げない。しかもレールガンは基本的に静止した状態で撃つものであり、移動しながら当てるのは至難の技だそうだ。
だったら弾切れを狙ってみたら?とも返したが、番犬の戦闘システムはかなり優秀らしく、射程圏内でも確実に撃破可能な距離でなければ攻撃をしてこないと、打つ手がないようだった。
にしたって私には無理だと突っぱねたくなるが、私以外できる人は今ここにはいない。
塔の街に入るには、あいつをやっつける他ないのだ。
これが最後の関門だ。
がんばれハルカ。私の夢は、もうすぐだ。
「おじさん、これ、どう使えばいいの?」
砲台はジェネレータさえあれば使える状態であったため、自身の予備ジェネレーターを取り外し、砲台の電源に充てた。かなり燃費が悪いらしく、予備ジェネレーターがしばらく使い物にならなくなるぐらい給電しておいて、やっと一発分の充電ができた。
砲台の操作室には資料が残されており、砲台の運用や整備方法のみならず、番犬のものと思しきデータまで放棄されていた。
警備システムや武装のカタログスペックなど軍の機密情報が大量に残されており、防衛軍内部にスパイが紛れていたことは明らかだった。
自身もこの機体と上級士官のライセンスを手に入れるのに協力者を使ったのだから、防衛軍の混乱と大軍縮は時間の問題だったのだろう。
軍内部のいざこざはさておき、まずは奴を引き付けるところからだ。
広域レーダーを搭載しているものの、番犬はその名のとおり、警戒範囲は街の入口周辺に限られている。
唯一警戒範囲から出るのは、強力な武装を警備システムが認識したときのみだ。
レールガンの有効射程に入り、機体を静止させる。
奴の警戒範囲外から警備システムを認識させる手段として、レールガンは最適だった。
充電完了
対象 ロックオン
番犬の左腕を照準の中心に入れる。
この距離なら、外しはしない
ギャ゛リ゛ン!!!
静寂が広がる雪のキャンバスに、激しい閃光と衝撃が描き出される。
それとほぼ同時に番犬に火花が散る。
ゴガァ゛ン!!!
命中した。
これで倒れてくれれば安いものなんだが・・・
そんな安い願いがかなうはずもなく、黒煙を裂き、番犬はこちらめがけて急接近してきた。
流石だな
しかし思ったより速い
背を向けるのは危険だが、スラスターの後退では追いつかれる
砲身を折りたたみながら、作戦地点へと急いだ。
あ、今光った! おじさんの攻撃かな?
砲台脇の古びた望遠鏡に張り付いていた私は、すぐさま操作室に戻った。
チャンスは1回限り
人生初の射撃
喉が異様に乾く
水を一口含む
手が震える
この砲台は自動で補正して照準を合わせてくれると、おじさんの言葉を思い返すが、それでも震えは止まらない。
額から冷や汗が流れ落ちる
なぜか涙が出る
悲しくも悔しくもないのに
「ハ・・・カ! もう少し・・・さく・・・点に入る、奴のはい・・・を狙え!」
操作室のノイズだらけの通信に、心臓が跳ね上がる。
運命の時はもう、すぐそこだ。
「了解」
今まで使ったこのない言葉で通信を返した。
私は今、凄腕のスナイパーだ
ピピッ
作戦地点に向かうおじさんと、それを追う番犬に狙撃システムが反応した。
手元のダイヤルを回し、番犬に照準を合わせる。
すぅーー、ふうぅぅーーー
今までで一番大きな深呼吸をし、トリガーに手をかけた。
よし、作戦地点を通過。
機体を反転させ、向かってくる番犬と対峙する。
あとは何とかして奴と立ち位置を逆転させなければ。
作戦地点は砲台の有効射程ギリギリ。
砲弾の最大威力は出せないが、もしハルカに照準が向いたとしても番犬の射程外になる距離を選んだ。
背を向ける直前に、奴の左腕が歪んでいるのを確認した。
射撃にも少なからず影響が出るだろう。となると奴が作戦地点に到着次第、反時計回りに大きく回りこむ方がいい。ただ奴の射程圏内に入る瞬間がある。
耐えられるか・・・
予備ジェネレーターが無い今、メインジェネレーターが破壊されれば、生命維持装置は機能を停止し、いずれブラックボックスは壊れる。
一か八か・・・
対象の作戦地点到達まで3
ジェネレーター出力最大・・・・・・
2
エネルギー障壁展開・・・
1
今だ!
対象 作戦地点に到達しました
引きちぎれた腕部が宙を舞う。
スコープからはっきりと見えた。
おじさんの装甲がみるみる孔だらけになる。
おじさんが、死んでしまう
乾ききった喉が大切な人を思い、声を出そうとするが、痛みにせき込んでしまう。
おじさん、嫌、いかないで!
「ハルカ! よく狙え!! 奴の背中だ!!!」
大切な人の声に、乱れた心は背を正す。
そうだ、彼は命を懸けて戦っているんだ。
なら私にできるのは、それを無駄にしないこと。
あの日見た名前も知らない人に、報いるためにも。
不思議な感覚だった。
砕け散る装甲
番犬の腕から零れ落ちる薬莢
弾ける火花
舞い上がる雪
スコープからのぞく世界が、まるで時間を引き延ばしたかのように、ゆっくりと進んでいた。
もう、迷いはない
私の内に宿る火は静かに、しかし強く揺らめいていた。
照準が番犬の背をとらえた。
『ハルカ、しっかりしろ!』
うーんうるさいなあ
『ハルカ、目を覚ましてくれ・・・。頼む・・・』
誰かの声が聞こえる。
まるで何かを懇願しているようだ。
でも二度寝ぐらいさせてよ。大仕事したんだからさ。
「ハルカ・・・私を・・私を置いていかないでくれ・・・」
「あーもううるさいなー。おばあちゃんじゃないんだからさー」
寝てる最中に泣きつかれるとかなりイライラする。
起きるしかなくなったが、最初に間に飛び込んできたのはおじさんの顔だった。
あれ? さっき泣いてたのおじさんだったの?
「目が覚めたか。お疲れ様だったな、大手柄だぞハルカ」
おじさんはいつもの口調で私に労いの言葉をくれた。
幻聴だったのかな
ものすごい疲れてたし
混濁した記憶がまとまり始めると、彼の悲惨な姿が目に留まった。
「おじさん大丈夫?! ああっ、右腕が・・・」
あの時スコープ越しに見た光景は夢ではなかった。
登山の中、私を支えてくれた大きな右腕は、肩から失われていた。
ほかにもおじさんの体は全体的に弾痕だらけであり、戦闘用のバイザーも半分に割れ、収納ができなくなっているのか、センサーカメラの一部を覆ったままだった。
「なに、あの戦闘で腕一本だけなら上々だ。ジェネレーターにも問題はない。街に行けば直してもらえるさ」
おじさんの頭部パーツががにっこりと、目を細めて微笑んでいるかのように見えた。
そうは言ってもあまりにも痛々しい。
もう少し早く撃っていれば・・・
自責の念に駆られているのを察したのか、おじさんは優しく声をかけてくれた。
「完璧なタイミングだったぞ。就職先は、狙撃手に決まりだな。ハハ」
「あ、あはは・・・」
この人なりに励まそうとしてくれているのだろうか。
聞いたことのない賞賛に、私は愛想笑いを浮かべるしかなかった。
よかった。目覚めてくれた
砲台に戻った時ハルカは狙撃台の座席に座ったままぐったりしていた。
無線に応答しないことを不審に思っていたが、どうやら気絶してしまったようだ。
登山の疲れと実戦のストレスが重なり、狙撃の後の気のゆるみで倒れてしまったとみえる。
しかし奴がハルカの方を狙ったときは肝が冷えた。
・・・・・・ハルカの放った弾丸は確かに番犬に命中した。
だが弾は背面ではなく、番犬の右腕に直撃し、装甲とガトリング砲を吹き飛ばした。
弾幕は止まったが、番犬は健在だった。
自分の終わりを覚悟した。
だが番犬はこちらに背を向け、砲身を展開しだした。
まさか、ハルカの方を
そうはさせるか
させて、たまるか
右腕は吹き飛び、スキャナーも破損し、正確な距離は分からなかったが、奴の背をとらえた。
急停止し、レールガンを展開する。
番犬はハルカの方に前進を始めていた。
充電急げ
刻一刻と離れていく距離
ハルカに向かう番犬
対象 ロックオン
長い時間だった。
だがそれも
これで終わりだ。
右肩のレールガンは火花を散らし、発射の衝撃波は射線上に積もった雪を吹き飛ばした。
番犬の背面に大きな穴をあけた。
一瞬の衝撃の後、大爆発が大地を揺らした。
連鎖する爆発はとどまること知らず、大量にあふれ出す炎は積もる雪をみるみる溶かした。
内部導体レール 破損
右肩武装 使用不可
2発が限界だったか。だがいい仕事をした、感謝するよ。
ハルカは落ち込んでいないだろうか。
なにはともあれ門番は倒れた。これで街に入れる。
レーダーに増援の姿は無いが、早く向かうことに越したことはない。
さて、ハルカを励ましにいくか。




