~9話~人との初接触
「自由だーーーーー!!!」
とりあえず叫ぶ、うるさい魔王はいない!!
「「叡斗さん?自由と好き勝手を履き違えたらダメだよ?」」
通信機作ったのマジ失敗したかも。
俺は今ロキマの西の海の上にいる、大体の座標に転移して、風魔法で飛んでいる。
なぜかって?実は転移魔法って思った以上に不便、いちいち座標設定をしなくちゃダメで、東西南北は地図で大体はわかるんだけど。困るのが高さ!
この世界海抜何mとかって基準が無いから高さの座標設定を失敗したら、そこは地中でしたとか余裕であり得るんですよ!
なので安全策をとって、大気圏を出ない用に注意して目立たないように離れた上空に転移しました。一回でも行った事があればイメージしたら転移できるんだけどねぇ・・・
港街から1kmくらい離れた海沿いに着地!魔法の調節も上手くなった!
ここからは目立たないように歩いて行く、目的地は1km離れても見える高い塀?壁?に囲まれた街だ。
すぐに関所に到着した、ステータスの恩恵だろうか?1km走ったのに息切れ一つしてない。日本にいた頃は500mも走り続けたら酸欠で倒れる自信があったのに・・・素晴らしい!
門番の前に検問であろう列が並んでいたので最後尾に並んで自分の番を待つ
「身分証を拝見します」
「身分証がないんですが」
「なら一人、銀貨5枚だ!身分証はどこかのギルドで作っておけば次からは銀貨1枚で入れるぞ!」
お金は出発直前に「あんたが持ってたら何するかわかんねーから」っと京平が銅貨30枚、銀貨5枚、金貨1枚渡してくれたから、持っている。
ちなみに
銅貨100枚=銀貨1枚
銀貨100枚=金貨1枚
金貨10枚=大金貨1枚
他にも、額が大きすぎて国の貿易などでしか使われない、まだ上の貨幣もあるらしいが俺には関係ないよね?っと言われた・・・稼いでやる!
「どこかのギルドって、そんなにいっぱいあるんですか?」
銀貨5枚を渡しながら聞き返す。
「この街には冒険者ギルド、商業ギルド、錬金ギルドがあるぞ」
「なるほど、冒険者ギルドの場所を教えてもらっても?」
「目の前の大通りを北に真っ直ぐ10分ほど、歩くと大盾の前に剣と斧が交差している紋章がついてる建物だ」
「ありがとうございます!すぐに行ってみます!」
「おうっ!気をつけるんだぞ!裏道には入るなよ!?」
門番さんが手を振って送ってくれたた、いい人だったなー、始めての人との交流は好印象スタートで嬉しい限りである。
門を出て大通りに一歩踏み入ると港街らしく潮の香りがする中世ヨーロッパ風の木とレンガ造りの建物が立ち並ぶ活気に溢れた街だ。
言われたとおりに北へ真っ直ぐ歩くと、言われた通り紋章が入り口の上に描かれた建物を、発見したので、中に入ると、時間帯なのかな?人は誰もいないので、絡まれイベントは回避かな、と一息つく。
入って正面の食堂っぽい所でご飯も食べたいが、まずは登録だろうと、受付カウンターで、なにやら書類と格闘しているお姉さんに声をかける
「すみませーん、登録したんですけどー」
お姉さんはすぐに手を止めて、笑顔を応対してくれる
「はい!登録ですね?ではこの書類に記入をおねがいします、分かる所だけでいいですよ」
渡された書類には【名前】【誕生日】【出身地】【特技】とあったので、
【名前】エイト 苗字は平民は無いそうなので名前だけでいいだろう
【誕生日】無記入 こっちの年月日がわからないのでスルー
【出身地】無記入 日本とは書けませんよね
【特技】剣術 とりあえず剣術でいいんじゃね?
記入してお姉さんに渡す
「はい!ではこちらのステータスプレートに手を置いてください!」
そういい縦30cm、横20cmくらいのマス目が入った板を出してきたので、手を置いて、数秒待つと紙が出てきた
「勇者?さんですか?」
そう言って紙をカウンターに広げる
【年齢】30
【職業】勇者?
【レベル】40
よし、能力偽装ワッペンは問題なく作動しているようである。
「勇者ですね」
「間違っていたらすみませんが、召喚人ですか?」
「召喚人?」
「女神様に召喚された人ですか?」
「女神様ではないですけど、召喚されました」
「そうですか、では冒険者ギルドカードを発行致します。もしお時間よろしければ、召喚人でしたらギルドマスターとの面談でランクが上がるかもしれませんが如何致しますか?勿論断っていただいて構いませんよ!」
「ランクですか?」
お姉さん曰くGランクから始まりF,E,D,C,B,Aと上がっていき一番上がSランク。
召喚人は類まれなスキルや強靭な肉体を持っている事が多く、ギルドマスターに認められればGランクより高いランクからスタートする事ができるのだそうだ。
そんなの断る理由がない!って事で二つ返事で了承して、お腹が減ったので酒場で、フライドポテト(銅貨60枚だった)っぽいものをつついて待っていると、ドスドスと50代だろうか?スキンヘッドで髭もじゃ筋肉達磨なおっさんが、俺の前で立ち止まり
「シェリー?この男か?」
「はい!こちらが召喚人のエイトさんです」
「エイト!貴様はいつ女神様に召喚されたんだ?」
「1週間くらい前ですかね?あと女神様じゃない神に召喚されました」
一ヶ月って行ったら、それまでの間、何してたって言われたら面倒なので、適当に言っておく
「1週間で40レベルか・・・よし!行くぞ!」
スキンヘッドのおっさんは、ニヤッと笑ってドスドスとカウンターの横に伸びる通路へと歩いて行った・・・けどフライドポテトが残っているので食べてから行こう。
ゆっくりと喉に詰まらないように食べてからカウンター横の通路を進むとそこには、訓練場かな?100mトラックくらいの広さのグラウンドの真ん中で、頭が光り輝かせたおっさんが立っていた。
「遅いぞ!何してたんだ!」
「フライドポテト食べてました。」
「さっさとこいよ!」
「食べ物粗末にしたらいけん、と親から教わりましたので」
「フン!ワシに一撃でも当てれたらDランクからスタートでいいぞ!」
「それだけでいいんですか?」
「ワシは元Aランクじゃ!こちらからも遠慮なく攻撃するからな!頼むから死んでくれるなよ?」
そう言って俺に向かって刃を潰した訓練用の剣を投げて、構えるハゲ、その時、俺はなぜフライドポテトを食べきってから、水を飲まなかったのかと、後悔していた。口の中と喉がパサパサだ。
よし!とりあえずDランクからスタートするぞ!