~10話~ダンジョン突入!
ハゲが投げた訓練用の剣を拾い、構える。ハゲとの距離は2mくらい、申し訳ないが負ける気がしない。
「どこからでも、いいぞ!」
「え?いいんですか?」
「先手は譲ってやるから、さっさとかかってこい!」
ではお言葉に甘えて、大きく一歩踏み込んで、そのまま上段から脳天に向けて剣を振る。
適当に動いて適当に振ったが『剣術≪極≫』補正がかかった剣線は恐ろしく鋭い。
「っにゅお!」
変な声を放ち、避けるハゲ、、、やるな!
「な、中々いい腕だな・・・ではワシも本気を出そう!」
そう言うとハゲの剣が淡い光を放ち出した
「これは剣で受けようと思うなよ?剣が折れるぞ!『魔力撃』!!」
そう言われると受けてみたくなっちゃうなぁー・・・でもDランクのためだし安全に行くか!っと大人な俺は大人な判断をする。
淡い光を放った剣に、滑らせるように剣を当て、左下方向へと力を逸らしてやると、俺が避けると思っていたのだろう、ハゲが驚きの表情をしてよろけたので、首筋にそっと剣を当てて
「一発だな、おっさん」
「お見事。おっさんではないバッケだ。」
「これでDランクになれるのか?ハッゲ」
「これは剃っているのだ、初日で剥奪にしてやろうか?」
「失礼しました、ギルドマスターバッケ殿」
バッケが免許証サイズのギルドカードの半分を占める大きさでDと書かれたカードは渡してきながら
「エイトの腕前ならBくらいにしてやりたいが、Dが限界でな、残念だ。」
「Gスタートじゃなくなっただけ、ありがたいよ」
「これからどうするんだ?」
「早くSを目指したい、どうやったらいいかな?」
「エイトが強いのわかったが、Sは難しいぞ。Sランクは人外ばかりだからな」
「ならAを目指そう、どうしたら一番早いかな?」
「なら上級ダンジョンを踏破するのが早いじゃろうな、踏破した人間が低ランクじゃ、ギルドのランク制度の信用問題になるからな。」
「その上級ダンジョンはどこにある?」
「待て待て!さすがにそれはワシからは教えられん!それでお前が死んだらワシの監督責任だからな!あと敬語使え。」
「じゃあ・・・今の俺で受けられる、割のいい依頼を教えて下さい」
「素直だな、いい事だ!パーティー推奨だが南東にある中級ダンジョンでの毛皮採集だな。」
「なるほど、南東の中級ダンジョンは獣ダンジョンなんですね?」
「獣の洞窟、前回踏破時は20階層だったところだ。」
「わかりました。では明日はそこへ向かうことにします、この街の安くておいしい宿を教えて下さい」
中々人当たりのいいギルドマスターだった、俺は好きなタイプの頼れる親父系だったな。
その親父に教えてもらった宿は、一泊朝食付きで銀貨5枚だった.お風呂は無しで濡れタオルとお湯のセットが銅貨50枚。
部屋は6畳にシングルベッドと丸テーブルに荷物用か?空き籠が一つ、一人が寝るには十分な造りだ。
気付いたら日が暮れてきたので今日はもう寝ようとベッドに寝転がり考える、これで残金、銀貨94枚、銅貨70枚、なんとなく銅貨一枚10円、くらいかな?って事は、94,700円か、ダンジョンってどれくらい稼げるんだろう。
とりあえず京平にDランクになったことを報告しとこう
「「京平、今大丈夫?」」
「「え?あ・・・何か問題?」」
「「俺は多分だけど好調な出だしだと思うよ!いきなり3段昇格のDランクスタートだよ!」」
「「それはよかった!その調子でがんばって!」」
「「京平の方は何バタバタしてんの?」」
「「いやー多分問題無いんですけど、何者かに40階のボスが倒されてて、宝箱も根こそぎ取られてたんだ」」
「「それ、やばくね?」」
「「多分、大丈夫だから、叡斗さんは気にしなくていいよ」」
「「わかったーまた何かあったら連絡する」」
「「はい、では!」」
京平が大丈夫って言うんなら、大丈夫なんだろう、俺は俺でやりますか!
朝、目が覚めて一階の食堂でご飯を食べて、東門から出て獣の洞窟へ!
ホテルの朝ごはんは黒パンと野菜スープとオレンジジュースだった、ちょっぴり魚を期待してたのに・・・残念でした。
門番に聞いたら、獣の洞窟は南東へ徒歩で3時間ほどの所だそうだ。
次からは転移で行くとして初回は目立たないように歩いて行こう。
2時間歩いて、思う、アッツィ!!とりあえず、ワイバーン皮の外套を脱いで『空納』へしまう。外套って表示されてるけど、ジェ○イの騎士をイメージしたローブで色はちょっとくすんだ黒、そりゃ暑いわ!
3時間たった・・・まだ見えない・・・不安になって『生命感知』と『魔力感知』を10秒ごとくらいで発動しているけども反応は無い。
4時間・・・俺迷った?
5時間・・・太陽が高くなったなぁー・・・
6時間、見えた!集落っぽいものが見えた!『生命感知』と『魔力感知』にも一般人ではない生命力と魔力を感じる!洞窟だ!洞窟だ!
洞窟の入り口は柵に囲まれて入り口はギルドカードを見せる受付があった。
柵で魔物の脱走を防いで、カードで入退場を管理して有事の際に確認とかするのかな?なんて思いながら、入場・・・入洞?の列に並んでいると後ろから声をかけられた
「お兄さん、見ない顔だけど一人?」
ん?っと振り返ると・・・尖った髪から覗いた耳、金髪碧眼
「エ、エルフ?」
「エルフですけど、何か?珍しくもないでしょ?」
「ぁーすみません、俺召喚人でこっちに来たばかりなんで・・・」
え?珍しくないの????っと驚きを隠せないが、不審者と思われたくないので、出来る限り平静を装って答える
「だと思った、エルフなんかよりも黒髪の方が珍しいもん!」
「たしかに黒髪の人って見てないな。俺始めてこの洞窟来たんだけど、お勧めの階層ってあります?」
「うーん・・・それは同業には教えられないなぁー教えたらあたし達の取り分が減っちゃうもん!」
「確かに!エルフさんはパーティー?」
「あ!言ってなかったね、私はライラ!B級パーティー龍の瞳のライラよ!」
「ライラさんね、俺はエイト!そのうちS級になるボッチのエイトだ!」
「あはははーエイトさんですね!面白い方ですね!」
「俺はいつでも、マジメですよ!」
話してるといつの間にか受付が俺の番にまで進んでいた。
「じゃあね!また縁があったら、会おうねっ!面白いエイトさん!」
一応冗談で言ってないですよ、っと言っておく
フラグじゃーーーーーーー!!
エルフとフラグが立ったぞぉぉぉぉ!
っと喜んでばかりもいられない、洞窟の受付を済ませて中へ入る。
洞窟に入ると、さっきまで草地だったはずなのに、いつの間にか地面は土に変わり景色は洞窟の中とは思えないくらいに明るく開けた平地で入り口で立っていると後から入ってきた冒険者がわれ先にと奥へ走って行く。
俺はその流れに乗ってどんどん奥へと進み階段を下りて行き地下3階に到達したけど・・・が魔物はまだ見てません。




