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~65話~記録者の懐柔とハヤテの横暴

夜明け前にギルド前に行くと冒険者達とベアトリーチェがすでに待っていた。

「お待たせしました、おはようございます!」

「おはようございます」

ベアトリーチェが昨日とはガラリと変わり丁寧に挨拶をしてくる。

「俺達で最後ですか?」

「いえ・・・ハヤテさんのパーティがまだです。」

「ならゆっくりと待ちましょうか。」

そう言って叡斗が車に乗り込もうとすると

「お待ちください!」

「何か?」

「こちらの冒険者を記録者として同行させて頂きたいのですが・・・」

ベアトリーチェが3人の冒険者を連れてくる。

「記録者?」

「公平な視点で今回の討伐任務の記録をする者です。」

「昨日は何も聞いてませんが?俺の平和ボケですか?」

「いえ!昨日は色々ありましたので、私のいい忘れです!」

「ならよかった!」

「こちらが記録者のリーナ・リーチェ・カンナです。」

「「「よろしくおねがいします。」」」

「3姉妹のAランクパーティです、足手まといにはなりませんので!」

「まぁいいか、公平によろしくね?じゃあ入りな?」

3人が頷き、車に乗り込む


「ベアトリーチェさん?」

「なんでしょう?」

「ハヤテたちにも記録者が付くんですか?」

「勿論Sランク任務には付きます!」

「フーン、あと目的地までどれくらいかかりますか?」

「魔の森の近くですので、明日の昼に到着の予定です。」

「何か言い忘れた事ありません?」

「オーガは少なくとも5体確認されています。」

「昨日これくらい素直に教えてくれればよかったんですがね?」

「それは・・・」

「まぁいいですよ?この依頼が終わったらすぐにお別れですし。」

「はい・・・」

ベアトリーチェが肩を落としてギルドへと入って行く。



「ダーリンも人が悪いですわね?」

「何が?」

「あんな言い方をしなくてもよろしいのでは?」

「昨日かなり我慢したしね?」

「ギルドが更地にならなくてよかったですわ?」

「そんな事しないよ!」

「出来るけどしないだけでしょ?」

「5秒で更地にして見せようか?」

「しなくてよろしいです!」

「ヘヘヘ!メイサとオリーブに何かあったらするよ?」

「そうならないように自衛しますわ。」

「メイサもそうやって遠まわしに記録係の子を恐がらせてるよね?」

対面に座る記録係の3人の外套が震えている。


「フフフ!冗談ですわ!」

「じゃあメイサ今日は何しようか?」

「暇潰しに久々にクイズしてくださいませんこと?」

記録係がいるといつもやっている特訓は出来ない。

「じゃあねぇ?」

「はい」

「母鶏がコケコッコーと3回鳴き父鶏が2回鳴きました。子供は何回鳴いた?」

「ヒントが少なすぎますわ・・・」

メイサが考え込み、3姉妹もヒソヒソと相談をしている。


「1回・・・ですか?」

「記録係は答えでた?」

「私カンナです!1回でしょうか?」

「正解は・・・」

「「「「正解は!?」」」」




「子供はひよこだからピヨピヨ鳴くから0回だよ!」

「な・・・成程!」


「次は瓶に簡単に入るのに取り出せないものってなぁんだ?」

「なんでしょう?」

「リーチェです!それはここでも入れられるものでしょうか?」

手を挙げて質問をしてくる

「いい質問だね?入れられるかな?」

「今ここでも入れられる・・・」

「メイサにヒント!俺は取り出せないけど入ったものを消すことは出来る。」

「わかりましたわ!」

メイサはわかったようだが、俺のヒントで3姉妹は混乱してしまったようだ。



「答えは出たかな?」

「ヒビですわね?」

「正解だ!」

「ちょっと待ってください!」

リーチェが立ち上がって大声をあげる

「どうした?」

「エイトさんは消せると言ったではないですか!?」

「ヒビ消せるよ?・・・ほら?」

瓶を殴ってヒビを入れて、魔力成型でヒビを消す

「な・・・」

リーチェが驚いてそのまま、椅子に倒れこむ。



みんなでクイズを楽しんでいると

「御主人様来たようです。」

「やっとか!?」

「昨日のメイドが御者をしているので間違いないかと。」

御者台に顔を出して見ると無駄に豪華な馬車がこちらへ悠然と進んでくる。



馬車が付くなり記録係の人間を2人乗せてハヤテが

「さっさと行くぞ!」

と馬車の中から怒鳴り進んで行く。

「傲慢な小僧ですね?」

「ガキだな。」

「昨日あれだけでは足りなかったのでしょうか?」

「みたいだな?」

「どういたしますの?」

「どうもしない。関わらないようにするぞ!」

「それでよろしいので?」

「あんなのは関わるだけ損しかない!」

「ダーリンがそう言うならそうなのでしょうね?」

「君達は俺達の記録係でラッキーだな?」

「そうですわね!今までの冒険者を見る限りラッキーですわね?」

3姉妹は意味がわかない様子でお互いを見合わせている。

「昼飯になったらわかるさ!」

「今日は豪勢にしますか?」

「そうだな?ウラジールの人間にロキマの生活を見せてやれ!」

「かしこまりましたわ!」

メイサが鼻息を荒くして答えるので、今日の御飯は楽しみだとメイサの膝枕でうたた寝をする叡斗



「ダーリン?昼休憩ですわよ?」

「わかった!休憩時間聞いてくるよ!」

「お願い致します。」

叡斗が車から降りてハヤテのところへ歩いて行く


「なんだ、おっさん?飯は分けてやらねーぞ?」

「不味い飯は食わん!休憩はいつまでだ?」

「なんだと!?・・・ちっ!俺達が食い終わるまでに決まってるだろ?」

「出発時間も休憩時間も全部お前時間か?今度はきっちりと痛めつけないと駄目か?」

「はっ!随分と大きく出たもんだな!?」

「大きく出てたらお前はもうこの世にいねぇよ!」

「試してみるか?」

「試してみな?」

「昨日は手加減したが本気だ!死ね!」

ハヤテが加速するので、『神速』を発動してみると、ハヤテがスローモーションに動き、周りの冒険者達は止まっている、そのまま立ち上がろうとしているハヤテを拳骨を喰らわせ、力任せに地面に叩きつける


「どうした?俺は優しく拳骨しただけだが?」

「アガガッガッガ!」

ハヤテが地面に転がりもがきながら苦しそうな声を上げ、周りの冒険者は突然の出来事に目を丸くしている

「休憩時間は何分だ!?」

「ガガ・・・ガ・・・・・・」

ハヤテが動かなくなるのでハヤテから目を離して

「ハヤテの女!出発はいつだ?」

「え!?あ・・・1時間後・・・です。」

「わかった!ありがとうね?昨日は不細工なんて心にも無いこと言ってごめんね?」

「いえ!全然いいんです!」

「本当に売り言葉に買い言葉って感じだったんだ・・・ごめんなさい!」

叡斗が深くお辞儀をしてメイサ達に元へ戻る



「一時間だって!」

「わかりましたわ!」

メイサが鍋をかき混ぜながら答え、3姉妹は魔導具を珍しそうに覗き込んでいる。

深く被っていたフードを取ると3人とも茶髪の可愛らしい女の子だった。


「それでは御飯に致しましょう!」

オリーブが配膳をして5人が机に座り昼食になる。

「オリーブ?時間がないからオリーブも一緒に食べよ?」

「かしこまりました。」

オリーブが特性のスープ皿にシチューを注ぎ、パンが積み上げられた皿を持って席に着く


「では頂きます!」

「「頂きます!」」

掛け声と共に食事が始まる。

今日のメニューはサーペントのクリームシチューとサラダにパンだ。

3姉妹は一心不乱に食べている。

ハヤテ陣営から視線を感じるが無視する。


「で、ダーリン?」

「どうした?」

「小僧・・・ハヤテの姿が見えませんが?」

「あぁ、生意気だったんで少し教育したら気を失った。」

「ダーリン気が短くありませんこと?」

「昼休憩は俺が食べ終わったらとか言うんだぞ?」

「出発も小僧の都合でしたし、腹が立ちますわね。」

「だから教育してあげた。」

「では次の機会は是非私が行きますわ!」

「わかった。でも早く食べないとお替りがなくなるぞ?」

3姉妹とオリーブがお替りをしようと鍋に群がっている

「そ・・・そうですわね!」




昼御飯を堪能して、出発し3姉妹にメイサが尋ねる

「あなた達?御飯はどうでした?」

「おいしかったです!」

「あんなの食べたことありません!」

「また食べたいです!」

「フフフ、よかったですわ!夜は何かリクエストは御座いますか?」

「普段食べている物でいいです!」

「リクエストなんて何も!」

「ステーキが食べたいです。」

「「カンナ!」」

リーナとリーチェが要望を出したカンナを怒っている。

顔がそっくりのきつめな顔の美人な3姉妹だが性格は違うようだ。


「フフ!では夜はサーペントのステーキにしましょう!」

「サーペント!?」

「高級なお肉を簡単に・・・」

「楽しみ・・・」

長女のリーナとリーチェが驚き、カンナが呆けた表情で宙を仰いでいる。

「俺も楽しみだ!」

「ダーリン?今からスパイスに漬け込んでみますか?」

「いいね!」

叡斗がサーペント肉を取り出し、メイサが手早くスパイスを擦り込み下処理を終えマジックバッグに仕舞い、車の外に手を出して魔導具で洗い流す。


「そのマジックバッグから生肉出てきましたけど腐らないんですか?」

「特別製のマジックバッグだから大丈夫だよ?」

「時忘れのマジックバッグですか・・・」

「時忘れ?」

「時間が経たないって事です!国宝ですよ?」

「ふーん?国宝とか聞き飽きたしなぁ。」

「聞き飽きたって・・・あたし見た事もないですよ。」

「今見てるじゃん!」

「国宝ってこんな気軽に持ってる物ではないかと・・・」

「持ってるんだからしゃーない!」

「記録させてもらいますね?」

「メイサ?リーナの晩御飯無しね!」

「かしこまりました!」

「嘘です!2人も御飯のためにも異常無し!」

リーチェとカンナが何度も頷く。



「御主人様今日はやっと終わりのようです。」

「日も暮れてるし結構長丁場だったな?」

「おそらく朝出発が遅れたのでそのためかと。」

「あの生意気坊主の寝坊が原因かと。」

「では今度は私が明日の出発時間を聞いてきますわね?」

「任せた!準備しとくよ!」

「お願いします!」

メイサがハヤテ達の馬車へと向かって行き、叡斗がオリーブとコンロやフライパンを出していると、ハヤテ達の方向からドーン!と大きな音が聞こえメイサが帰ってきた。


「メイサ何したの?」

「加速して斬りかかって来たので、力いっぱいに突き飛ばしました」

「それがさっきの音か・・・」

「全く!あのガキは・・・」

「あいつは生きてるよな?」

「手加減はしたので、あれで死んだらSランクではありませんわね。」

「ちょっと心配だが、食欲が優先だ!」

「そうですわね、あと出発は日の出と共にだそうです。」

「わかった!風呂作っとく!」

「お願いしますわ!」


風呂を作り終えて戻ると、3姉妹がフォークとナイフを握り締め椅子に座って待っていた。

「メイサまだか?」

「出来ましたわ!」

メイサの声と共にオリーブが配膳を始め、すぐに机の上はステーキやスープにパンでいっぱいになる。


「では?頂きます!」

「「「「頂きます!」」」」

3姉妹も掛け声を言って、すぐにステーキにかぶり付く。


「オリーブ?適当なころあいで各自に任せてオリーブも御飯にしろよ?」

「心遣い痛み入りますが私メイドですので。」

「オリーブの好きにしなよ・・・」

ワインを注ぐオリーブに言うが、オリーブの意思は固い



「ワインもこんなおいしいワイン飲んだことない!」

「お姉ちゃん!これあたし達も買おうよ?」

「馬鹿!こんなおいしいワイン買える値段じゃないわよ!」

「だよねぇ・・・」

リーナとリーチェが話し、末っ子のカンナはステーキを一心不乱に食べ続ける。




その後も記録しないなら!っと約束して風呂を勧めると、泣いて喜び。

テントの広さに驚き、敷かれた布団に「エイトさんの記録係でよかったです!」とまた泣いて感謝された。


「ダーリン?今日は魔素はお預けですか?」

「メイサが気にならないならいいぞ?」

「私は置物と思って頂いて結構です。」

3姉妹にテントを貸したのでオリーブと川の字になって布団を敷いて寝ている。


「では!」

「来んのかよ!」

「暗くてよく見えないのが悔しいです。ハァハァ」

オリーブの息遣いが荒いのが気になるが、メイサは気にならないみたいで本気で魔素を吸ってきて、『魔力吸収』を使う暇無く意識が遠のいて行く。

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