第二十四話 大成功
【ラルク視点】
ホプキンスさんたちの料理屋さんを開業して、数日間、流石に洞窟に訪れるお客さんが現れることは無く、これはダメかなと諦めかけようとした時、黛先生が冒険者を50人も連れて、来店してくれた。
まぁ、冒険者の他にリザードマンのお客さんが100匹も居たけど……それどころか何か大きい蛇といかにも毒々しい蛇と麻痺が得意だけど集団相手に弱いパラライズスネークと何故かうちの連中には魅了が通じなくて、片っ端からカモ扱いされてたチャームスネークとダンジョン魔力が高くて、僕も美味しい……ゴホン、こちらはソルトさんに『コイツの肉は美味ですぜ』なんて言われて狩られてたファイヤーリザードも居たけど……全部黛先生に懐いてて大人しそうだし、皆んなには『食糧じゃないからね』と釘を刺しておいた。
次々と運ばれていく料理に舌鼓を打ってくれる冒険者さんたちの声を聞くと僕もホプキンスさんたちの上司として、何だか嬉しい。
何だか嬉しかったからついつい、冒険者さんたちの席を回って、挨拶してしまったぐらいに……勿論、僕の影兎さんに『ダンジョンマスターがダンジョンを攻略する冒険者の前に姿を晒すとか正気じゃないのです!』とめちゃくちゃ怒られたけど。
だって嬉しかったんだからしょうがないじゃないか。
更に嬉しいことにここに住みたいと言ってくれる冒険者や毎日でも通いたいと言ってくれる冒険者も居て、僕はついつい聞いてしまった。
「お客様の住むプロイセン王国の近くに洞窟はありますか?」
冒険者の返答は『ある』そうなので、人を殺さずダンジョン魔力を得ることもできそうで安心した。
それよりも意外と女性の冒険者って多いんだね。
僕の思い描いていた冒険者のイメージがガタイがいいガチムチの男性ばかりをイメージしていたから凄く驚いたよ。
あまりにも冒険者たちの満足度が高かったのかダンジョン魔力が爆上がりだったので、もっと滞在して欲しくなって、地上のホプキンスさんたちの料理屋の下は、うちの大切な従業員たちの部屋だったんだけど、それを地下2階に移して、地下1階に宿を建設してみた。
きちんと大浴場付き……娯楽施設も完備して、卓球台やUFOキャッチャーなんかも置いてある。
後、土産物屋にミネルヴァさんのお菓子。
名付けて、冒険者たちからダンジョン魔力だけでなく、娯楽と土産物でお金も貰っちゃおう作戦…なんつって。
でも、冒険者たちはリーダー次第だと良い返事をくれなかった(泣)
僕は安全な地下4階のコアルームで落胆しながら、冒険者さんたちは、このままお帰りかなと思ったその時。
「なぁ、猫耳を付けてるお嬢ちゃん、オーナーの坊主が言ってた宿の件だがまだ有効か?」
「はいにゃ。後、私たちこっちの世界の住人じゃにゃいからその……相場がわからにゃくて、お料理の値段も冒険者さんたちが決めてもらえると嬉しいにゃ」
そうなんだよ。
僕の影兎さんもそういうことは疎くて、隙あらば『殺しますか?』とおっかないことしか言わない。
ここからが重要で、ここで冒険者がケチるようならさっきの話も無しということになる。
まぁ、元手はかかってないし、無料でも問題ないから良い勉強をさせて貰ったと思うだけの話。
「そうだな、51人分の食事に100匹分の食事、あの魔獣たちの分も合わせると、ざっと小金貨2枚ってところが妥当だが……俺の仲間たちは思った以上に大満足でな。色も付けたい。金貨1枚でどうだ……あぁ、すまないその前に貨幣価値についての話からだよな。大体、食事の安い物で屋台の串焼きがあるがこれが大体、銅貨数枚から大銅貨1枚ぐらいだ。まぁ、俺たちが良く行く行きつけのバーで飲む酒が小銀貨数枚からたまに飲む高い酒が銀貨1枚ぐらいで、もっと安いものなら大銅貨数枚で飲める物もある。逆にもっと高い物なら大銀貨や小金貨必要なものもあるけどな。まぁ、こちらは貴族専用みたいな物だ。で、ここの料理のこの味なら貴族連中ですら舌鼓を打つ……まぁ、俺たちが出せるせいぜいがこれで、毎日この金額だと通うことすら不可能なんだがな。だから宿の件を聞いて皆んな俺に確認を求めるように言ったんだ。なんせ、今回のクエスト報酬が全て吹き飛ぶからよ。でも、それぐらいの価値のある美味しい食事だった。さぁ、受け取ってくれ」
屋台の串焼きの値段が日本円に換算して、70円ぐらいから100円だと考えると銅貨が10円相当、大銅貨が100円相当だと仮定して、酒の値段が安い物なら大銅貨数枚ってことは、大銅貨が100円ぐらいなのは間違いない。
ん?
小銅貨→1円
銅貨→10円
大銅貨→100円
小銀貨→1000円
銀貨→1万円
大銀貨→10万円
小金貨→100万円
金貨→1千万円
大金貨→1億円
この世界の大体の紙幣価値は、こんなものだと仮定すると……ホプキンスさんの料理が51人喋る蜥蜴さん100匹と蛇さんと蜥蜴さんで、200万円!?
まぁ、驚いてみたけど食べた量を考えたらそのぐらいか。
それが色を付けて、1千万円。
かなり良心的な冒険者さんたちだ。
いきなり一気に話されて混乱してる猫宮さんに代わるように僕がもう一度冒険者さんたちの前に姿を現した。
「大変貴重なお話をありがとうございました。こちらも勉強させていただきました。そういうことならお料理の値段は、小金貨2枚で結構です」
「そういう訳には……。いや、感謝する。これで、仲間たちにも少し金を渡してやれる。それで、宿の件だが」
「勿論、心ゆくまで当店のオーナーとして皆様におもてなしをさせていただきます」
「感謝する。俺は、この冒険者集団のリーダーを務めている上級冒険者のカリバーだ。もっと早く名乗るべきだった……すまない」
「いえいえ、改めまして、当店のオーナーをしておりますラルク=フォン=ビスマルクと申します。こちらこそ、末長く宜しくお願い致します」
こうして、僕たちは次の行き先を冒険者の治める国、プロイセン王国に定めたのだった。
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それでは、次回もお楽しみに〜




