リーズ・ナブルとクラン「青き鬣」の冒険者
どうもアゲインストでございます。
早速ギルドで絡まれているリーズ君。
クレーマーに対してどうするのか?
そんなお話でございます。
また、この度この作品をネット小説大賞に応募しようと思っております。
今回はより多くに人に見ていただいて意見をもらいたい、という意図もあってのことです。
もっと面白い作品を書きたいが故の応募ですので、感想などでご指摘があればどんどんしていただきたい。
どうかよろしくお願いいたします。
クランというのは、当然ながら勝手に名乗っていいものではない。
代表者は魔鉄級の二つ上、鋼級の次である銀以上のランクを持ち、ギルドからそれまでの経歴を調べられ、人格に問題がないかを面接される。
それで問題なし、とされてようやくクランを設立する権利を獲得できる。
権利を得たからといってメンバーが集まらなければ意味がない、少人数でまとまっているパーティーを少しずつ吸収し、規模の大小はあれど形をなしていく。
それでまあ、大体は仲良くやるんもんなんだがな、トップに立つような奴ってのは同じような経験をしているんだからさ。
でも、やっぱり違う思考をする奴というのは存在するのだ。
それは腕っぷしで世の中を変えられると勘違いしているようなのから、策略家気取りの痛い奴、権力欲に取り付かれている欲深な奴、というのが少なからず存在している。
そういう奴に限って強いと相場では決まっているのだ、全く面接があきれるぜ、どっちが圧迫してんだか分かりゃしねぇ。
この男が所属しているクランも、そういう類いのものなんだろうさ。まったく迷惑千万な野郎ですこと。
目の前で囀ずるのこと止まることなし的な状況に晒されていて、正直どうでもいいと思っている男。
そう、俺だよ。
リーズ・ナブルだよ。
なんやねんこいつマジで、何時までぴーちくぱーちく鳴き喚いているんだか、そんなに叫びたいなら夕日にでも叫んでろ。
「…はぁ」
くだらん。
この時間があれば宿の一つでも探しにいけただろうに。
「て、テメェ…! 舐めた態度取ってくれるじゃねぇか!!」
……あのなぁ。
「さっきから失礼ぶっこいてんのお前の方なんだわ」
「ぁああ!?」
頭が足りてないんだろう相手に、俺は懇切丁寧に教えてやる。
「俺はな、さっきこの街に来たところなんだよ。ここでのルールとかさっぱりなわけ。そんな相手に対してなんだあんた、よくもそんな偉そうな態度がとれたもんだな。こっちの都合も聞かずにあーだこーだと、何だ? そうやってれば相手の方が退いてくれるとでも思ってんのか? だとしたらお前さんは冒険者じゃなくてただのチンピラだ。そもそもだ、今回の行き違いはギルドが相互の連絡を怠ったからだ。それを一方的に俺が悪いかのように騒ぎ立てる、こういうのを何て言うか知ってるか?
悪質なクレーマーだ、とてもではないが冒険者と呼べるような人種じゃあないな田舎に帰って芋でも掘ってろ」
さあ言ってやったぞ、どうすんだああん?
「……表出ろコラァ…!」
「上等だボケが…!」
喧嘩して決めようや。
世紀末を感じさせてやんぞ。
「お、お待ちください!?」
「「あぁん?」」
不穏な空気120%で事態を解決に導こうという俺たちの間に、それまで沈黙の使途と化していたあの受付嬢が待ったをかけた。
これから血で血を洗う死闘を繰り広げようというのに無粋な女だ、貴様それが自分の首を危険に晒す行為だと認識しているのか?
「ぼ、冒険者同士の争いは原則禁止されています! このままだと
最悪両方の資格を剥奪することになりますよ!?」
ほう、それはそれは。
俺がさっき言ったことを聞いていないのか、それとも意図して無視しているのか、それにしたってこの争いを止めるためにすることがそれか。
「そうじゃないだろ」
「へ?」
俺が発した声に反応して、彼女もこちらに顔を向けてくる。
その目に浮かぶ疑問の感情、この事態がどうして起こったのかをきちんと理解できていないようだ。
「あんたじゃ話にならん。依頼主と受注した担当者を連れてこい、でなきゃ俺もこいつも収まりが着かない。それとも上司に泣きつくか?」
「し、しかしですね」
「そうだ連れてこいよ」
「ですからってええ!?」
情報を出し渋る彼女に対し、もっと上の人間を連れてくるように要求する俺を援護するように追随したのは、
「早くしろよ」
にやにやとした顔が絶妙にうざったい感じになっている、先程までイラついて俺と喧嘩をおっ始めようとしていた男。
「『青き鬣』所属ってことがどういうことか、そこんとこしっかりと言い含めて。そうだな」
―――クラン序列第十位、ベン・ブリッチが呼んでるってな。
そのことを聞いた受付嬢は、慌てた様子で奥にすっ飛んでいってしまった。
いつの間にか周りを取り巻いていた奴等も、それまで以上にざわざわとうるさいことである。
「……さて」
改めて、お互いに顔を合わせる。
「…とんだ茶番に付き合わせた」
「まあ、お互い様ってことで」
実のところ、さっきのいざこざは殆ど演技である。
最初に目を合わせたとき、そこに乗っていた感情には悪戯的なものが込められていた。
その意図に途中で気づけたため、あのような見え透いた挑発をして周りにも分かりやすく対立関係を演出したわけである。
「最近はこんなことなかったんだが、話が分かる奴でよかったぜ」
「ちょいと銭の臭いがしたもんでね。折角の機会だ、見逃せないさ」
くつくつと、お互いに悪い笑みを浮かべている。
「いやー、稼げそうですなー」
「いやー、まったくまったく」
これはギルド側の不祥事である。
それならば遠慮することはない。存分にむしりとってやろうではないか。
担当の者がくる間、俺たちの笑い声は止むことはなかった。
読了ありがとうございました。
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