第33話 遂にツインレイに出会う!?
三人での夕食は、かつての日常を取り戻したかのように楽しくて、自然と会話も弾んだ。
グラスを重ねるごとに、俺の心の中にあったつかえが少しずつ溶けていくのがわかった。
夜も更けてくると、タロウが目をこすり始めた。
「パパ、眠い……」
「おう、じゃあ一緒に寝る準備するか」
二人でタロウをベッドに寝かしつけ、穏やかな寝顔を見届けた後、リビングには俺とマユだけが残された。
静まり返った部屋の中で、俺は少しの沈黙の後、意を決して思い切って聞いてみた。
「ねえ、マユ……! 突然でおかしいかもしれないけどさ、『ツインレイ』って言葉、知ってるか?」
すると、グラスを傾けていたマユは少し驚いた顔をした後、優しく微笑んだ。
「えっ? 知ってるよ。私ね、実はだいぶ前から知ってたの。そして……自分のツインレイが誰かっていうのもね」
「まじかっ! そうなのか……す、すごいな! なんでそんな事知ってるの? 誰か占い師にでも聞いたのか?」
俺が身を乗り出すと、マユはゆっくりと首を振った。
「ううん、違うの。理由はよくわからないけど、自分の魂の奥深くで何故か知っているっていうか……ずっと前から、はっきりと感じてたの」
俺は、高鳴る胸の鼓動を抑えながら、恐る恐る聞いてみた。
「……それで、マユのツインレイはいったい誰なの?」
マユは俺の目を真っ直ぐに見つめ返した。
その大きな瞳には、みるみると涙が溢れてきている。
「私のツインレイはね……今、私の目の前にいる。カズキ、あなたよ。あなたなのよ……!」
ぽろぽろと大粒の涙をこぼし、マユはついに声を上げて泣き出した。
「……本当なのか!?」
衝撃と共に、俺の目からも堰を切ったように涙が溢れて止まらなくなった。
「やっと、巡り会えたんだな……。気付くまでに、本当に長い時間が過ぎちゃったな」
泣きじゃくるマユを見つめながら、俺は胸を締め付けるような後悔と向き合った。
「でも、俺はひどい裏切りをしたじゃないか。浮気して、マユを傷つけて、離婚してあの家を追い出された。……あの最悪な時も、マユはそう思ってくれていたのか?」
俺の問いに、マユは涙を拭いながら力強く頷いた。
「うん……。正直あの時は、『違うのかな? 私の勘違いだったのかな?』ってすごく悩んだし、辛かった。でも、私は自分の中にある感覚を信じたの。カズキは私のツインレイなんだから、どんなに遠回りしても、どんなに傷ついても、きっと最後は結ばれるから大丈夫だって……ずっと信じて待っていたのよ!」
その言葉に、俺はもう完全に打ちのめされた。
「マユは本当にすごいよ……。俺なんて、マユには一生頭が上がらないよ。……マユ、こっちにおいで」
俺は両手を広げ、そっとマユを抱き寄せた。
マユの温もりと匂いが、俺の空っぽだった心を優しく満たしていく。
熱い口づけを交わし、俺たちはそのまま、お互いの存在を確かめ合うように激しく愛し合った。
不思議な感覚だった。
ただの男女の交わりじゃない。魂の片割れである「ツインレイ」だと気付いてから肌を重ねると、今までとは比べ物にならないほどの深い安心感と、溶け合うような圧倒的な一体感があった。
「マユ、本当にありがとう! 愛してるよ」
俺が耳元で囁くと、マユは幸せそうに目を細めた。
「私もカズキを愛してる! 自分の気持ちを信じていて、本当に良かった……! 今、すごく幸せ!」
窓から差し込む優しい月明かりに包まれながら、俺たちは朝まで抱き合っていた。
そして、それから三ヶ月後――。
俺たちは三人で新しいマンションを借り、家族としての新たな生活をスタートさせたのだった。
次回最終話




