表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/75

まったり感

『結構時間かかっているなあ。そんなに探すのが大変なんだろうか?』

 待たされるということは、最もストレスを感じる1つといえます。結果が分らない曖昧な状態こそ不安感を持たされることになるからです。それは、時間が経つといったい何をやっているのだろうという疑念に変わっていくのです。

『ハア~、ふう~、長いなあ。』

 近くにお偉い方が座っている訳ではありませんが、勝手に周りの物を手にとって見たり、HDプレーヤーで音楽を聴いているのも失礼なことですし、ただ周りを眺めていることを1時間以上やっていると脳の活性は停止してため息だけになります。子供なら間違いなくぐずってしまいます。無意識に、ひざに置いた両手をピアノを弾くように指を立てて小刻みに動かします。

『そんなに時間が掛かるようなら、後日改めてでもよかったのかな。これで残念ながらありませんでしたって言われるとやだなあ。』

 陽の光のストライプが職場内に入っています。夕暮れに近付いているのです。折角今日は、仕事を交代してもらって来たというのに、成果無しでは余りにも寂しすぎます。

# うはああ~、ふう

 思わず伸びをしてしまいました。そして、立ち上がると近くに座っている職員に声を掛けます。職員は、パソコンで表に何かのデータを打ち込んでいるようです。

「お仕事中すみません。おトイレに行きたいんですけど、出てどちらに行けば宜しいですか?」

「えっ、ああ、トイレね。廊下に出て、右に歩いていけば見えてきますよ。」

「有り難うございます。」

 全身がまったり感で満載になって、トイレで溜まったストレスを放出することにしました。

 廊下に出たところでした。

#“すみませ~ん、どちらへ行かれますか? ”

 振り向くと、廊下の先の方に倉庫に行った防災管理課の2人が見えます。夕暮れ時のためか、それともこの古い庁舎のせいなのか、薄汚れた石膏ボードの天井の蛍光灯にもう明りが点されていました。

 そうして、翌日。

「伝言掲示板の傍に置かれていたの?、誰かに飼われていた訳じゃないんだ。」

「ええ、自由帳にありましたよ。‘モグちゃん’って書かれてあったので確かです。やはり、持ち前の鳴き声で、来る人達に可愛がられていたんですね。でも、まだ分かりませんよ。」

「分らない?」

「どうやってそこに連れてこられたかは、これからなんですよ。避難所で動物を自主的に飼うことはありませんからね。兎君を返してくれと広告を出したのは、おそらく可愛がっていた人達の中の誰かでしょうね。だから、個人の名前が出ていないんですよ。まず、掲示板で働いていた職員の方を教えてもらいましたから、聞いてみます。そこから辿っていけば、いつかは最終的なところまで分るんじゃないでしょうか。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ