アタイを呼んでる?
すると、しらけて笑う様な声で返事が返って来ました。
「ネズミ?・・お前はネズミなのか?・・・アハハハ、俺は、獲物にしている奴に助けを請うていたのか。お前が居たその棚は、この裏手にあるよ。俺のカゴがこんなになるくらいだから、ネズミのカゴなんかふっ飛んでっちまっただろうな。中に居る奴等は死んでるんじゃないか?、お前は、運が良かったな。」
『それじゃあ、ネズミさんは・・そんな。』
その言葉に返事をする声がありません。つまり獣の返事を聞くなり、子兎は既に向かっていたのです。
“オイ、何か言ってくれ!”
それでも、当然返事はありません。
“寂しいよ、死にたくないよ、何か言ってくれ・・・。”
店内は、他の動物たちの哀しげな声がしています。
“ギギ、ギギ”“クオーン”“ピチチチチ・・・”
その頃、子兎は落ちてしまったモルモット、ハムスターコーナーの看板の上をつたって行くと、そこは陳列棚の枠が、柱ごと倒れていました。
『うわっつ!』
驚くのは当然です。飼育カゴごと倒れた柱の下敷きになったチンチラのお尻が見えています。確かに、あの獣が言ったように高く積まれていた物が全くなくなって、観覧の通路が敷き詰めたようにすっかり埋まっています。
“ネズミさん、ネズミさん。居たら返事して。生きているよね。ネズミさん。”
此処では、何かが生きている鳴き声がしていません。本当に、死んでしまっているのでしょうか。
“ネズミさん。聞こえているかい?”
すると、沢山の積み重なった飼育用具や飼料箱等の下の方から微かにですが聞こえてきます。
“・・アタイだよ・・・此処だよ・・・上に誰か居るのかい?、息苦しくて死んじゃうよ、助けて。”
あの隣にいたハムスターの声がしたのです。
“ネズミさん、ネズミさん”
“誰かアタイを呼んでる?”
「分かるかい?、僕の声が聞こえるかい?」
「・・ああ、・・何とか聞こえているよ。アンタは、売られていった兎だね。」
「そうだよ、生きているんだね。」
「どうしてお前さんが此処にいるのか分からないけど、とにかくお腹が空いて死にそうなんだよ・・それに、何か変な水の様な物が流れて来て臭いんだ・・カゴから出たいんだ。色々隙間を探したけど駄目なんだよ。」
「お腹が空いた?、僕もなんだ。ネズミさん、店員が何処から食べ物を持ってきていたか知ってるかい?」
「ああ、良く分かってるよ。向かいの棚の上に積まれていたからね。そこの茶色い箱から取り出していたんだよ。確か、大きな緑の木のマークが付いていたよ。」




