第12話 模擬試合
珀多も中々粘るわね…………左右に振ってるけど、ちゃんと打ち返してくる。
あっ、チャンス!!
「イン」
よし、狙い通り。やっぱり、珀多の方が上なんて間違ってるわ。
「ゼロ、ワン」
珀多のサーブは予測しやすい。大体、端を狙ってくるからね。
やっぱり、端を狙ってきた。今度は前後に振ってみようかな。
よし、体勢崩した。これはチャンスボール――
――バコン
「え…………」
打たれた…………しかも、ネットとラインのギリギリのところに。
「ワンオール…………まだ途中やけど、よーく分かった。一旦、集合して」
「「はい…………」」
「めちゃくちゃ分かりやすいね。サーブは2人ともよく出来てる。それで、珀多くんは前衛型、蓮香ちゃんは後衛型だね。外のクラブとかでやってた?」
「「クラブ自体が無いです…………」」
「じゃあ、天性の才っていったところかな。シングルスでは、どっちも一工夫いるけど、ダブルスなら私たち余裕で越すんじゃない?ねぇ、ろくっち?」
「確かに、ここまで顕著だとは思わなかったわ」
「ここまでお似合いのペアはいないと思う」
「「…………」」
「じゃあ、次は私たちとダブルスで試合してみようか」
「「…………分かりました」」
それぞれの位置に付いた生徒ペアは、先生ペアのサーブを待っていた。
マジかよ…………なんか、意図的に後頭部に当てられそう。確かに、技術面的にはお似合いかもしれんけどさ…………精神面的にはこれほど最悪なペアはおらんやろ。
――バコン
蓮香の考えてることがよく分からんから、後ろ振り向きたいけど、相手は全国大会優勝者とその元ペアや。どこに打ってくるか分かったもんじゃない。
六夜先生の挙動を見て、判断するしか…………。
「やばいっ」
来た、スマッシュチャンス!!
タイミング良く…………って、え?
ストレートに六夜先生が居ない…………やばい、左側に打とうと思ってたから、体勢が…………。
「うっ」
危ない…………なんとか、アウトにはならんかった。
けど、せっかくのチャンスが…………。
「あっ!!」
え?って、あぶっな。危うく、蓮香のボールが当たるところやった…………。
「隙あり!!」
丹原先生の回転がかかったボールが、央崎と山志那の間で90度曲がった。
「「あっ…………」」
それから試合は続き、生徒ペアは1ゲームも取れずに終わった。
「いやー、久しぶりに楽しかった」
「確かに、私も部活に来るだけでしばらく打ってなかったから」
「「…………」」
「それはともかく、2人とも初めてペアを組んだにしては、人より頭1つ抜けてるわね」
「初めてなんだ。それじゃあ、話は変わってくるね。技術も申し分ないし、仲を深めないとね」
「「だから、無理ですって!!」」
「まぁまぁ、先生たちを信用しなって。今日の練習はこの辺にしとく?ろくっち」
「そうね。じゃあ、私服に着替えて広場に集まって」




