第10話 まだまだです
「2人ともいい感じね。フォームもきれいだし、強い球を打ててるじゃない。もっと早くラリー練習させてあげたら良かったわね」
「「…………まだまだです」」
「……え?」
「こんなんじゃ、試合では通用しないです」
「いやいや、先生も一応大会で優勝してるのよ?」
「先生のことを信用してるしてないじゃなくて、俺的にはまだまだなんですよ。蓮香のミスでしか止まらないぐらいにならないと」
「そ……そうなの?」
「私もです。珀多のミスだけにしかならないと、満足できません」
「2人とも…………理由がどうであれ、向上心があるのはいいことなんだけど、この仲じゃ合宿の時困るわよ?」
「「え……?」」
「が……合宿ってどういうことですか?」
「そんな話聞いてませんけど…………」
「そりゃあ、今日言うつもりだったもん」
「日程はいつですか?」
「終業式が終わった次の日」
「「来週!?」」
「…………ちなみにいつ決まったんですか?」
「ん?昨日」
「そんな急に決まったんですか…………」
「だって、一緒に部活をするうえで、2人の仲の良さは必須じゃない。だから、親御さんにも許諾を取ってるから安心していいわよ。予算も部費から出るし」
「もう親にも話してたんですか…………」
なんで、そういうところだけ行動が早いんだよ…………。
「納得いかないです!!2人なら、合宿なんていらないじゃないですか。しかも、男女って…………私だって女の子なんですよ!!」
「もちろん、引率の先生は私だけじゃないわよ?」
「…………他に誰が来るんですか?」
「流石に私だけじゃ管理しきれないから、校長先生と丹原先生が同行してくれるわ。校長先生は視察みたいなものだけどね」
「「丹原先生って…………」」
「そう、去年の女子軟式テニス全国大会で優勝したあの人よ」
「だから、管理は大丈夫だし、予約した施設が避暑地にあるし、設備もここの数億倍良いし逆に合宿しないと損よ?」
「「…………」」
用意周到すぎでしょ…………珀多と合宿はイヤだけど、こんな最高な環境で出来るなんてもうないかもしれない。
「私、合宿行きます」
「…………俺も、行きます」
「良かった。合宿先で練習試合の打診もしてたから、断られても行かないとしょうがないんだけどね(笑)」
「「迷った必要なかったじゃないですか!!」」




