第98話 アペンドディスク
「なぜ当たらんッ!?」
なるほど、なるほど。祝融のMAとわたくしのグローシアは体型が似ているからでしょうか、とても動きの参考になります。おば様の動きも参考になりましたが、あの方の機体は少し性能が物足りませんでしたものね。
「わたくしからもいきますわね!」
わずかな隙から攻守を反転して、次はわたくしの番ですわ!
早速この女の真似をして蹴る殴るを繰り返してみましょう。さらに肘と膝と踵も活用していきましょうね、わたくし!
「ぬあっ!? なんなのだお前は!?」
「もう少しお付き合いくださいまし!」
祝融はわたくしの攻撃を綺麗にさばいていきます。これはあのおば様と比べるのが失礼なレベルで強者なのかもしれません。まぁわたくしほどではありませんが。
わたくしがひねりを加えた蹴りに初挑戦してみたところ、隙が生まれてしまったようでその蹴りを起点に距離と取られてしまいました。蹴った脚の先に蹴りを合わせて、そこを起点にバク転着地なんてアクロバティックすぎますわね!
「あら、お上手。わたくしもやってみようかしら?」
「その口を閉じろッ! 本気でいかせてもらうぞ!!」
距離を取った祝融のMAがなにやら格好いいポーズを取ると、各関節についた装甲がわずかにズレると、その露出部が赤い光を発し始めます。
「こ、これは……!?」
「ふはは! 妾の『炎帝』の真の力に跪けッ!」
あ~~~!! 居ました居ました! 原作カルヴォノ・マギストリアのアペンドディスクの追加キャラのエロい女! あいつが祝融だったんですわね! そうですか……あのMAの名前って「炎帝」でしたのね……。
もしかしてなのですけれど、わたくしエロい女からしか記憶をたぐり寄せることができません……? いえ、そんなことはありません。わたくしは聡明で明敏です。そんなわけがありませんわ! エロい衣装変更NPCだった未夢のことも覚えていましたし!
あの炎帝から発せられる赤い光は、以前からフラグがおビンビンに立っていた桜照皇国の二条綾子イベント関連なんですのよね……。
そのイベントの後日談で炎帝と戦うことになるのですが、追加ディスクに出てくる敵だけあって、本編に出てくるはずのチアリーダー部の方たちより強いのでしょう。チアリーダー部の方たちが原作のどこで出てくるのか、わたくしは知らないので憶測ですが……。
そういえばアペンドディスクがこの世界に影響を及ぼしているということが今確定しましたわね?
「驚いて声も出まい! 妾を舐めたこと、後悔しながら逝けいッ!!」
「な、舐める!? 逝く!? 破廉恥ですわよ!?」
「ふっっ! ふしだらな女めッ!」
セクハラを受けながらも、先ほどより加速した炎帝の攻撃をかわします。……セクハラはわたくしが受けているんですのよ!?
赤くなった炎帝は大体1.5倍くらい速くなりましたわね! これはエフカリストよりも速いかもしれません。この赤く光るやつってグローシアにも付けられませんでしょうか? グローシアが1.5倍速になったら最強ですわ!!!
「動きは素人なのになぜ当たらんッ!?」
「それって素人って言っていいんですの?」
「黙れッ!!!」
赤い残像を残しながら攻撃を続ける祝融ですが、残念ながらわたくしのグローシアに届くことはなさそうです。機体性能もまだまだ届いておりませんし、彼女の格闘術の技量も戦いの中で成長を続けるわたくしの敵ではなさそうです。最近自分の成長を実感できることがとっても楽しいのですわ! もっと強い人ってどこに居るのでしょうか? チアリーダー部を絞ったら出てきます?
「なぜだ? なぜだ!? なぜだァ!?」




