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強度実験はするべき

ランクを上げて、夢を叶える。


俺はその為にこの学園に来た。きっとこの学園にいる能力者たちは全員が本気なわけではないのだと思う。

能力者がみんな集まるから、力試しがしたいから、面白そうだから。そんな何となくで入ってくる人が結構いる。

ふと考える。ここに来て早々友達になった武戦やシェイルは()()()()()()()()()()


辰真が放つは全身の筋肉を総動員しながら加速し、攻撃する。


ただそれだけ。だが、シンプル故に強力。


昔から斧を振り続けて何度手が痛くなっても、何度皮が剥けてもただひたすらに振り続けた。

いつだって、じいちゃんは俺に光を見せてくれた。


「流石に、顔に直撃は痛いな…………」

現在辰真はランク戦に出るためにその席を取り合っている。いまだに見せている攻撃は脅威的なスピードで近づき、振り下ろす。ただそれだけである


敵はメリケンサックを用意しており、ただの拳よりもなかなか痛い。だが俺も斧を用意しているので特に文句はない。


顔を殴られたことにより、そこから血が滴る。それを腕で拭いすぐに斧に持ち直す。

「まったく、すばしっこいね」

「よく言うよ……僕は一発当てられたら両断されそうで気が気じゃないんだけど?」

「それはすまん……」


さてどうするか…俺の見間違いじゃなければ悠木はさっきの攻撃で能力を使っていたと思う。

今まで攻撃した時は避けるか受け流すかだったが、前のやつとは明らかに音が違った。

となると、何かを設置したのだろうか。それともメリケンサックに何か秘密が?


「今度はこっちから行かせてもらうよ!」

「ッッッ!あぶな!」


前から途轍もない速さで拳が迫ってくる。

こっちが考えている間に相手の方から攻めてきた。カウンターだけではないってことか。


間一髪で避けるが、追撃が放たれる。

咄嗟に斧を盾として構えるが衝撃を感じない。


それはフェイントだった

「その斧、でかいから視界悪いでしょ」


その瞬間、辰真の後ろから衝撃が起こった。


「痛いじゃねえかよ」

「タフだね」


先ほどの攻防は意表を突いた悠木がそれを追撃し、焦ってガードしたその隙を後ろに回り込んだのだ。

ヒットアンドアウェイを忠実に再現した攻撃に辰真は苦手なタイプだと考える

「まるでボクシングだな」

「習っていたからね」


悠木は常にステップを刻みながら戦っていた。最初の方は辰真の攻撃に慣れるためにできるだけ観察を続けていたが、もうその時間は終了した。

「僕の能力はね、直接的な攻撃には不向きなんだ。」

「だからその為にこのフォームが最適なんだよ」

話す時間も程々に………と言ったところでそのまま両者激しい攻防を始めた。


短い時間で幾度も悠木は攻撃を繰り返し、辰真もまた甘い攻撃は全て避け反撃に転ずる。

またその攻撃を受け流し、カウンターを返しそれを防ぐ。

そんな時間が、いくら続いたのだろうか。もはや二人はそんなことを気にする余裕はなく、目の前の相手をどう捻じ伏せるかを考えることしかなかった。


悠木は一旦距離を取り、覚悟を決めた顔をした。

顔に一切の隙は無く、まるで獲物を待ち構えるような雰囲気を醸し出す。


「僕の間合いに入ってみなよ。負けないから。」

「……………上等!」


辰真は前よりもさらに早く前進する。例え反応され、またカウンターを喰らったとしても俺はそれに耐えて必ず反撃して見せる!


「オラアァァアァ!」


そして悠木はそれに…………反応した


「ここだ!」

と彼は能力を展開する。


悠木の能力、それは()()()()()()()()()()

彼には自分のイメージした形によって文字通り透明な壁を作り出すことができる。


これにより、突進してきた辰真に対して向けていた左手に壁を展開し受け流す。

そしてそのままさっきと同じ…否…前よりも腰を入れ全力のスイングを振るう。


そしてそれが辰真に突き刺さる…………予定だった。


「バキッッ!」

その音が響いた瞬間悠木の目は見開いた。


バリアが割れた!?嘘でしょこんなの!?


彼の記憶の中で自分の壁が壊されたことなど一度もない。だからこそ、目の前の敵の力を正しく見定めることができなかった。


左手につけたバリアを押され、バランスを崩しそうになるがどうにか体勢を立て直し右手にもバリアを生じさせる。


「させるかよ!」


だが、このチャンスを辰真が逃したりするはずもない。

彼もまた、悠木の能力に気付いたのだ。


彼が突進し、完全に捉えたと思った瞬間。完全に見えないナニカが俺の斧と悠木を分断していた。


何だ!?当たっているのに………届いていない!!これが悠木の能力!?

だが、そこで終わりでは無く続きがあった。


「バキッ」


この音を聞いた瞬間辰真はより一層力を入れた。

「どうやら限界値があるようじゃねえか!!」

「馬鹿力が!!」


振り下ろされた斧の圧力によってミシミシと音を立てながら周りの体育館の床がめり込んでいく。


「まだ………終わらない!」


僕は斧の圧力に何とか耐えながら考えを巡らす。

自分の作った壁が壊れてしまう可能性がある以上、長く戦い続けることは不利になってしまう。

まったく不運だ。相手が重量級の武器でなければこんな事にはならなかっただろう。


「クッ……!」

そんな事は後で考えたらいい!ただ今のことだけを考えろ!

右手のバリアで何とかこの壊れそうな左のバリアを強化する!

両手で強化されたバリアによって力は完全に拮抗した。


「オオオオオォオオォォオ!!」

「ハアアァァアアァァアア!!」


互いに咆哮しながら質量を押し付け合い、一瞬だけ拮抗した後


二人は反作用によりそれぞれ反対側に吹き飛んだ。













悠木の能力は壁を作る能力ですが「バリア」と言っているのは役割によって分かりやすいようにするため

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