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明日もいい日でありますように。~異世界で新しい家族ができました~  作者: 葉山 登木


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398 剣

今回も短いです……!_(;ω;`」_)_


「皆!! こちらに避難を!!」

「急いで!!」


 騎士たちの誘導で王宮の奥へと避難する住民たち。その顔には恐怖が浮かび、子どもたちの泣く声が響いている。

 魔物の侵入を許し、騎士の一人が負傷した。

 目の前で起きたその事実だけが、住民たちの不安をさらに煽る事となった。


「殿下……」

「なんてお労しい……」


 そして、第三王子であるライアンの目を逸らしたくなるような痛々しい姿に、住民たちは絶望感に苛まれていた。

 そんな状況の最中、魔物たちは次々と結界の綻びから侵入し始める。

 住民たちを庇いながら王宮に辿り着いた冒険者たちが騎士団員たちと共に必死に応戦するが、ダンジョンの魔物に慣れている冒険者たちでも、この異常な数に内心焦り始めていた。

 そんな時、冒険者の一人が悲鳴を上げる。その視線の先には、何重にも囲ったテオの防御壁を這い上り、あの魔物が目玉をぐるぐると動かしながら顔を覗かせていた。


「……も、もうダメだ……!」

「いやだ……! いやだ! まだ死にたくねぇ……!」


 その姿を見た冒険者たちが、一人、また一人と逃げ出した。それを止める事も出来ず、魔物と応戦している騎士団と冒険者たちに一気に負荷が圧し掛かる。


「うわっ!?」


 逃げ出した一人が、負傷した騎士を庇いながらも結界を維持しようとするルイスに激しくぶつかった。その衝撃で、王宮を覆っていた結界が一気に均等を崩しレイチェルの張る結界を残して消えてしまう。それをきっかけに、外にいた魔物たちが一斉に押し寄せ始めた。

 それまでは何とか保っていた守備も、その数に太刀打ちできず負傷する者が続出していく。


「……ッ」


 倒れ込んだ際に背中を地面に激しく強打し、息が上手く吸えないルイスの姿を、ぎょろりとした目玉が捉えた。


「──ッ!! ルイスッ……!!」


 何とか弟を逃がそうと全力で駆け寄るレオナルドの叫びも空しく、魔物は獲物を狙うように一直線にルイスの下へと向かって行く。

 そして、その酸の唾液が目の前に迫り、誰もがもうダメだと諦めた瞬間、押し潰したような汚い鳴き声が一帯に響いた。


「……そんな」

「なんだよあれ……」


 目を見開き硬直するルイスの足元に、ジュワジュワと煙を上げる酸の唾液に混じって、血の海が広がっていく。


「……パラディンの、像……?」


 その目の前には、鋼鉄(シュタール)カメレオンの背に大きな剣を突き刺した、一体の巨大な銅像が聳え立っていた。


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