395 守るべきもの②
今回も短いです(´・ω・`)ゴメン…
真っ暗な空から、数多の鋭い枝が魔物たちに向かって降り注ぐ。
そして、あちらこちらで絶叫が響き渡った。
《 そら、存分に味わうといい 》
ゆるりと目を細め、恐らくボス的な存在であろう一等でかいドグエラマントヒヒに集中的に攻撃した。
マンティコアの毒を限界まで含んだ、樹人たちの枝や根。
放っておくと妖精の森に毒が拡がるためそのまま放置しておくわけにもいかず、セバスチャンが一時的に預かっていたものだ。
刺さった部分から神経毒が拡がり、その苦しみに藻掻く事も出来ずにやがて死に至る。
そしてこの毒を喰らった魔物たちが、ブレンダたちの見えない場所で静かに息絶えようとしていた。
《 ……せばすちゃん! ありがとう……! 》
《 ニコラ、礼はいい。怪我がなくて何よりだ。それに、もうすぐエイダンたちが来るだろう 》
「……じゃあ」
《 あぁ、よく耐えたな。……レティ、森で少し休もう 》
横たわるレティを見て、セバスチャンは柔らかい声で話し掛ける。
その言葉を聞き、レティは静かに頷いた。
「……わたしね、……おうきゅうに、てんいさせたの……」
「おうきゅう?」
訊き返すハルトの言葉に、小さく頷く。
「……そこが、いちばん……、あんぜん……」
そう小さく呟いて、レティは自分の手を握るハルトを見つめた。
何かを伝えようとしていると感じ、ハルトはそっとレティのその口元に耳を寄せる。
そして、決意したように力強く頷いた。
「……おおかみさん! いっしょに、きてください!」
そう言うと、リュカを肩に乗せ、レティの手をそっと離し距離を取る。
周囲を警戒していた魔狼も、二人の会話が聞こえていたのかさっと触手を伸ばし、手慣れた様子でその背にハルトを固定した。
それを確認したかのように、ハルトたちの足元に魔法陣が現れる。
「……れてぃちゃん、ぼく、ぜったいに、たすけるから!」
ハルトの言葉に、今度はレティが頷いた。
そして、青白い光を放ちながらハルトたちの姿が一瞬で消えてしまう。
「ブレンダッ!! レティちゃんッ!!」
「無事かッ!?」
光が消え去ったと同時に、エイダンとエレノアが駆け付ける。
その後ろからも、続々と冒険者たちの姿が見えた。
これで教会の子どもたちはきっと助かるだろう。
それに安心したのか、体力の限界だったのか。
(……はるくん、おねがい……。みんなを……)
そう弟に願いを託して、レティは静かに目を閉じた。




