47/47
迎えに来て
私は荷造りをしていた。
3ヶ月の怒濤の修行を終えて、私はいよいよ聖女として神殿に認められた。
前代の聖女、ルクレツィアさんは色々あって本山で幽閉されている。
(お姉さん、もう用意できた?ディーノも父さんも待ってるよ)
「うん」
私はちょっと頬を緩めた。
ようやく会える。あの黒衣の勇者に。何度か夢に見た。ずっと彼は変わらなかった。
魔法で会いに来てるんじゃない?なんてセインに言われたりしたけれど、私ももしかしたら万能の魔法使いエイブラハムに頼んで夢に出てきている気がしてた。
それももうこれで終わり。
これからはずっとそばに居て冒険だって一緒に着いて行ける。
自信がなくて、ダメだった自分はもう終わり。これからは自分の役割を持って着いていく。
日の光の下、彼は私を待っていた。
私の名前を呼ぶけどその胸に飛び込んだりなんか、しない。
今はね?
fin




