表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

仲間の裏切り

「悪いな、レオン。ここで終わりだ」


その声を聞いた瞬間、胸に鋭い衝撃が走った。


ダンジョン最深部。薄暗い空気の中で、仲間だった男の剣が自分の身体を貫いている。


「……は、あ?」


理解が追いつかない。


血が溢れ、呼吸が途切れる。膝から力が抜け、視界が揺れる。


共にここまで来たはずだった。勇者候補として選ばれ、背中を預けて戦ってきた仲間。


それなのに。


「お前がいると、俺たちが霞むんだよ」


男の声は冷たかった。


背後にいる他の仲間たちも動かない。剣士は目を伏せ、魔法使いは沈黙し、回復役は唇を噛んでいる。


誰も助けない。誰も止めない。


――そういうことか。


裏切りは、最初から決まっていた。


意識が沈む。世界が遠ざかる。


その瞬間だった。


『条件確認。発動可能』


頭の奥に、機械のような声が響いた。


「……誰だ」


返事はない。


だが確かに“それ”は存在している。


『スキル【逆転リバーサー】起動』


次の瞬間、世界が反転した。


胸の痛みが消える。


いや、それだけではない。


目の前で剣を握っていた男が、膝をついていた。


「……がっ、ああっ!?」


男の胸には、同じ傷。


先ほどレオンを貫いたはずの刃が、今度は男自身を突き刺している。


「な、なんだこれは……!」


混乱の声。


だがレオンの中には、理解ではなく“確信”だけがあった。


――これは逆転だ。


「お前がやった結果は、そのまま返る」


身体が動く。


瀕死だったはずの肉体は、むしろそれ以上の領域へ踏み込んでいた。


視界の奥で何かが崩れていく。


脳の奥が熱い。


『逆転発動:脳機能の一部を消費』


意味が、少しだけ曖昧になる。


今、何を考えていた?


一瞬だけ思い出せない。


だがそれでも、身体は動く。


――Lv∞。


「ふざけるな……何が起きてる……!」


男の叫びが響く。


レオンは静かに一歩踏み出した。


「裏切る相手を間違えたな」


その言葉に感情はない。


ただ事実だけがある。


そして次の瞬間、世界はもう一度ひっくり返った。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


本作は「ハズレスキル」と呼ばれた【逆転リバーサー】を巡る物語です。


使うたびに何かを失いながら、それでもすべてをひっくり返していく主人公・レオンの物語を描いていきます。


気軽に読んでいただければ嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こんばんわ! 感想失礼します。 仲間の裏切りによって発動してしまった能力が主人公から何を奪って何を得るのか…… この先の展開が楽しみです。 お互い連載がんばろ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ