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192 ベイシックダンジョン攻略再開

 ルーモイ城を出たあとは、コポポ商会東門支店のガラキさんを訪ねました。ルーモイ領も勇者の出現でいろいろゴタゴタしているようで、激しくなった物流に対応するためガラキさんも忙しそうでしたが、簡単な情報交換をしました。

 ガラキさんからは特に魔石が不足しており、どこかの商会が魔王軍対応で魔石が不足することを見越して買い占めているのではとの情報でした。そんなわけで僕から大量の魔石を購入いただきました。もちろんレベル60以下の魔石は売っていません。レベル41から50のいわゆる50以下の魔石をはじめ、低レベルの魔石まで様々な種類を売り捌くことができました。ただまあ、僕等の討伐した魔物は想像を絶する数なので、魔石の在庫はまだまだあります……

 僕からは新たにフルーツ、牛肉、炭、ワイン、焼き物、砂糖などの取引先を開拓したことを告げ、これらの商品も大量に購入してもらいました。


「これほどの商品の取引先を短期間でどうやって開拓したのですか?」


「それは企業秘密ニャ! 禁則事項ニャ!」


 僕が答えにくい質問については、すかさずクロがシャットアウトしてくれます。クロの遠慮の無さが遺憾なく発揮されて、使いどころによっては大変便利ですね(笑)


 ガラキさんからはルーモイ城の様子も聞かれましたが、まさかトウヤ様の病気が完治したなんて最新情報を僕から漏らすことはできないので、ソウヤさんが不在だったと伝えるに留めておきました。



 ルーモイ市を出たらすぐにベイシックダンジョン6階層に瞬間移動しました。本来はダンジョン入場時に入場料を払う必要があるのですが、瞬間移動で直接ダンジョン内に入ってしまえば無料になっちゃいます。ダンジョン内の瞬間移動には多くの魔力が必要になるので、入場料を節約するために瞬間移動魔法を使う魔法使いは他にはいないでしょう。瞬間移動魔法を使って人や物を運搬して輸送料金をもらう方がはるかに稼げるはずなので(笑)


「6階層も宝箱は残ってないニャ……」


 5階層の階層ボスを乗り越えて6階層以降にやってくる冒険者もある程度いるようで、たまにすれ違います。そのため、階段間を繋ぐ経路に残っている宝箱はありません。


「もっと階層を進んでいくよ!」


「そうだニャ。まだまだ出てくる魔物は弱っちいやつばかりニャ。もっと先に進むニャ!」


 10階層までの地図はもらってあるので、寄道せずにどんどんと進んでいきました。たまに出会う魔物は大鬼や骸骨兵となり、子鬼が出てくることはなくなりました。まあそれでも僕等にとってはたいした相手ではありません。


「あっ! マサト様、あそこに宝箱があります!」


 8階層で初めて宝箱を見つけることができました。ここまで来ると他の冒険者とすれ違うことが少なくなってきたので、階段間を通るルート上でも宝箱が残っているようです。クロがすかさず宝箱を開けに行きました。


「おっ! 鑑定機だニャ!」


「鑑定!」


【鑑定魔導具 希少 レベル1 110万エン】


 すぐにシロが鑑定魔法で鑑定機を鑑定してくれました。レベル1の鑑定機だからたいしたことはないけど、それでもゲットできたことはうれしいです。

 ちなみにレベル1の鑑定だと、鑑定魔導具を鑑定しても名前しかわからないはずです。 鑑定(1)!


【鑑定魔導具】


 やっぱりそうですね。レベル1の鑑定魔導具はわりと広く世間に出回っていますが、人を鑑定してもステータスの1行目しか判明しません。物の場合は名前だけってのがさみしいですね…… 見ればわかると言われてしまうとそれまでですが(笑)、まあ真贋は判定できるので物の鑑定にも意味はあります。

 ちなみに先ほどのシロの鑑定魔法はレベル5ですね。元のシロの鑑定魔法レベルはたったの1ですが、僕と勇者のバフがそれぞれ+2ずつ加算されてレベル5になっています。レベルが5倍にもなっているってことで、まさにチートです……


「この鑑定機はクロに欲しいニャ! マサトやシロは魔法で鑑定できるので不要ニャ! もらって良いかニャ?」


「あ、ああ、それはクロにあげるよ……」


 クロの勢いに押されてすぐに了承しちゃいました。別にクロが鑑定を使える必要性はあまり感じられませんが、110万エンで売っても僕等の予算にはほとんど影響がありませんので、まあ良いかなと……

 その後、クロは出会う魔物に対して鑑定を試すようになりました。素早く魔法袋から鑑定魔導具を取り出して魔物を鑑定し、直後に再び魔法袋にしまいます。その一連の動作がものすごく洗練されてきており、最終的には詠唱省略で鑑定するよりも素早く魔物を鑑定できるようになっちゃいました。そこに至るまでに魔石をひとつ消費しちゃいましたが、まあレベル10以下の魔石なんて腐るほど持っているので問題ありません(笑)



 9階層で久しぶりに他の冒険者パーティーと出会いました。


「おや、初めて見る顔だね」


 わりとフレンドリーな感じの冒険者さん達のようです。とりあえず話しかけてきたリーダーらしき人をこっそり鑑定してみましょう。 鑑定(1)!


【人 フロオ 男 36歳 レベル35 冒険者】


 フロオさんはレベルはそれなりに高いし、金色の冒険者証も身につけています。剣を持ってはいますが、雰囲気的には魔法がメインな感じです。肌が黒かったのでダンジョン街道の出身でしょうか?


「そうニャ! ウチらは昨日初めてこのダンジョンに入ったニャ。今は11階層目指してどんどん進んでいるところニャ」


「へー、11階層は…… って、えっ! 君たち全員金色なの? その少女も? そりゃすごいな……」


 やはり幼女モードのペガまでもが一流の冒険者の証である金色の冒険者証を身につけていることに驚かれます。僕もこれまで若い冒険者で金色ってほとんど見たことがありません。まあ、僕等全員若いので、それだけでも驚愕(きょうがく)ものですよね(笑)


「そうニャ! すごいニャ!」


「うーむ、11階層以降はたちの悪いパーティーが宝箱を独占しているので、あまり行くことはお勧めできないけど、君たちなら大丈夫かな?」


「大丈夫ニャ!」


 フロオさんは真剣に僕等のことを心配してくれてる感じですが、クロはあっさり受け流してしまいました。まあ、僕も心配ないとは思いますが(笑)



 すぐにフロオさんとは別れてすぐに11階層以降への攻略を再開しました。たちの悪いパーティーとは会わずにすむことを祈りましょう。


「フラグが立ったニャ……」


 クロがニヤリと笑っていますが、何のフラグでしょうか?


 まあ、たちの悪いパーティーとの遭遇フラグなんでしょうね……




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